海外ドラマスペシャルコラム

アメリカTVのスペシャリストがドラマの魅力や見どころを語ります!

Vol.60 「ビバヒル」ブームは再到来するか。まずは
旧作のアンコールベルト放送で復習したい!

4月のスーパー!ドラマTVは、オッサンである筆者から見てもキャストがセクシーで魅力的な「ゴシップガール2」の日本初放送開始や、5月から待望の日本初放送が始まる「THE MENTALIST メンタリストの捜査ファイル」(来月のこのコラムでも取り上げたい)のカミングスーン特番など見どころが多いが、ここで紹介したいのは「ビバリーヒルズ高校白書」のアンコールベルト放送開始[4/14(水)より。毎週月~金曜9:00~9:55]。なぜなら同じ4月から某他局で8年ぶりの続編「新ビバリーヒルズ青春白書」が放送されるから。08年9月、筆者はある取材でLAにいたが、全米CW系が出稿したビルボード(ビルの壁や屋上に掲げられる宣伝用の看板。元々音楽業界がこの看板をよく利用したことに由来する同名音楽業界誌が今もある)の数々は、よりゴージャスになったとアピールする「ゴシップガール2」と、陽光降り注ぐ中、“90210”(番組の原題)という字面をかたどったプールで若いキャストたちが微笑む「新ビバヒル」、これら2作を猛プッシュしているのは明らかだった。そんな「新ビバヒル」の見どころは2つ。現在のウエストビバリー高校で新しい生徒たちが繰り広げる群像劇と、かつてウエストビバリー高校に通い、今は大人となった顔ぶれがおりなすドラマだが、後者は前作が一世を風靡したという事実を大前提にしているからか、正直いって旧『ビバヒル』を見ていない人にはやや分かりにくいかもしれない。では、どうやって追いつけばいいのか。その問いの答は、ずばりこのアンコールベルト放送にあり、シーズン1から人間関係の変遷をたどり直してみてはいかがか。この「新ビバヒル」、ディランという男の名がしょっちゅう台詞に出てくるが、その答をきちんと知るには、やはり旧「ビバヒル」をシーズン1からちゃんと見直すのがベストだろう。「ビバヒル」旋風がまたも吹き荒れるか、このアンコールベルト放送共々注目したい。

【アメリカTVライター 池田敏 2010/03/20】

Vol.59 ついに完結を迎える傑作「ザ・ソプラノズ6」
卒業したスタッフはいずれもTV界で活躍中

スーパー!ドラマTVは3月15日から毎週月曜24:00他で、TV史に残る傑作ドラマのファイナル・シーズン「ザ・ソプラノズ6」を放送。マフィア・ファミリーの運命を描いた“TV版「ゴッドファーザー」”という声もある話題作だが、筆者は新シーズンがスーパー!ドラマTVに到着する度に絶賛し、もうこれ以上どうほめたらいいのか分からないほどで(苦笑)、本国での終了から既に3年も経った今、この番組に参加したキャスト・スタッフのその後を調べてみた。

●トニー役のジェームズ・ギャンドルフィーニ/多数の映画に出演し、映画「かいじゅうたちのいるところ」でキャロル役の声を演じた。
●カーメラ役のイーディ・ファルコ/全米ショータイム局の新番組“Nurse Jackie"(原題)”に主演し、ゴールデングローブ賞にノミネート。
●マシュー・ウェイナー(製作者/脚本家)/エミー賞のドラマ・シリーズ作品賞に2年連続で輝いた「MAD MEN マッドメン」を企画。
●トッド・A・ケスラー(製作者/脚本家)/「ダメージ」を企画。
●テレンス・ウィンター(製作者/脚本家)/マーティン・スコセッシ監督も参加するHBOの大作“Boardwalk Empire(原題)”に参加。
●ジャック・ベンダー(監督)/「LOST」のメイン監督の1人に。
●ティモシー・ヴァン・パタン(監督)/スピルバーグとトム・ハンクスが製作総指揮するHBOの“太平洋戦争版「バンド・オブ・ブラザース」”こと「ザ・パシフィック」に監督として参加。

……
以上を見渡すと、「ザ・ソプラノズ」に集約されたマンパワーが今も米TV・映画界に計り知れない影響を与えていることを痛感。また、番組の生みの親であるクリエイター、デイヴィッド・チェイスの次回作は、タイトル未定ながらパラマウントで新作映画を準備中だとか。今度も何をやらかすのか、期待してしまう!

【アメリカTVライター 池田敏 2010/02/20】

Vol.58 ついにファイナル・シーズンが日本上陸!
待望「バトルスター・ギャラクティカ4」

スーパー!ドラマTVは2月17日から毎週水曜23:00他で「バトルスター・ギャラクティカ4」を日本独占初放送(2月7日21:00他で第1話先行プレミア放送もあり)。いきなり自分語りをすると、筆者は1970年代後半、「スター・ウォーズ」「スーパーマン」といったハリウッド大作の影響で映画やTVドラマに興味を持った1人。同じ頃、映画やTVで「宇宙空母ギャラクティカ」にも夢中になったが、いかんせん「スター・ウォーズ」の後追い企画とあって完成度はイマイチで、いつしか忘却のかなたに去ったという印象。大好物だったSFそのものとも距離を置き、気づけば大人になっていた。だからこそ2003年、米国で「宇宙空母ギャラクティカ」が「バトルスター・ギャラクティカ」として甦ったと聞いた時、素直に復活を喜ぶ一方、中身の質はどうかと不安がよぎったのも事実。しかし出来上がったパイロット版「~序章(前・後)」を見たら、すべての先入観は吹っ飛んだ。米国では9・11の悲劇が起き、日本でも政治が大きく混乱した、そんなゼロ年代の空気を吸い込んだ、濃密なドラマ空間がそこにあったからだ。そういうと堅苦しいと思われるだろうが、ギャラクティカに率いられる宇宙船の船団は、誰もが属するヒトの集まり=運命共同体として描き直されたことに、大いに感嘆したのだ。まだシーズン3を見ていない人もいるだろうからネタバレはしないが、シーズン3の終盤、アダマ艦長(エドワード・ジェームズ・オルモス)をはじめ登場人物たちを襲った“自分はいったい誰なのか?”というアイデンティティ・クライシスは、現代人すべてに通じる問題提起だ。見る者にそこまで深く問いかけるTVドラマは1960年代の「プリズナーNo.6」以来ではないか。そんな怒涛の急展開が、最終章となるこのシーズン4でどこまで転がり続けるのか。筆者もいちファンとして、スーパー!ドラマTVのオンエアを最後まで見届けたい。

【アメリカTVライター 池田敏 2010/01/20】

Vol.57 SFファンだけではなくミステリー好きも要注目の新作「秘密情報部 トーチウッド」

スーパー!ドラマTVが1月6日から毎週水曜23:00他で放送する「秘密情報部 トーチウッド」は、後に述べる背景から、まずSFファンの注目を集めているが、ぜひミステリーや警察ドラマ好きにも見てみてほしい最新作だ。SFファンが注目している理由は、英国SFドラマを代表してギネスブックにも載ったロングラン・ヒット作(1963年から1989年にかけて26年も放送)の復活編である「ドクター・フー」(地上波のNHK教育でも放送)の兄弟編だからだろう。“トーチウッド”のリーダーのキャプテン・ハークネス は新生「ドクター・フー」に第1シーズンから登場していた。個人的結論を先に述べさせてもらうと、「ドクター・フー」を見ていなくても全然問題なく楽しめるのが「秘密情報部 トーチウッド」だ。舞台はロンドンで第1話、異常殺人事件が発生し、婦人警官グウェン(イヴ・マイルズ)はその捜査に加わった謎のチーム“トーチウッド”に関心を抱くが、彼らが犠牲者を一時的に蘇生させて証言を聞き出そうとする光景を目撃。チームの1人になったグウェンもまた、彼らと型破りな捜査を繰り広げていくように……。筆者は「CSI」3部作をどれも楽しんでいるが、“トーチウッド”のチームにけっして違和感を感じない。「CSI」最大の武器である科学捜査のレベルが「CSI」では現実的である一方、“トーチウッド”は非現実的であっても、もしもそんな技術があったら“CSI”だって使わせてもらうよなぁという、妙な説得力があるからだ。「CSI」もエピソードによってはきっと、“何じゃそりゃ”というおかしな事件を先に考えてから、その解決策を後から考えているかもしれず、恐らく「秘密情報部 トーチウッド」と大きな違いが無いはずだ。とはいえ、凝り性の英国人(?)たちが手がける「秘密情報部 トーチウッド」には独自の伏線がたっぷり。SFかどうかにこだわらず、この野心作、ぜひ楽しんでみてほしい。

【アメリカTVライター 池田敏 2009/12/20】

Vol.56 インターネット世代のための活劇コメディ「CHUCK/チャック」が日本上陸!

スーパー!ドラマTVは11月開始の「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」に続き、12/10(木)から木曜22:00他で「CHUCK/チャック」を日本初放送。前者はコメディ、後者はコミカル・アクションとジャンルは異なるが、恋愛に臆病、特定の分野に詳しい(早い話がオタク=笑)という草食系男子がメインキャラなのは一緒。今考えると「The OC」のセスは流行の一歩先を行っていた? そんな「The OC」を製作総指揮したジュシュ・シュワルツマックG監督が再び手を組んだ「CHUCK/チャック」。中でも映画版「チャーリーズ・エンジェル」2本や「ターミネーター4」をヒットさせ、以前スーパー!ドラマTVが放送したTV「ファストレーン」も企画したマックGは「CHUCK/チャック」の第1話をみずから監督。だから、映画のような迫力アクションと笑いを誘うコメディ、両者のバランスがいい。物語の設定も面白い。主人公の青年チャック(ザッカリー・レヴィ)はひょんなことからCIAとNSA(国家安全保障局)の機密情報を脳にダウンロードされるが、そのためにCIAの美人エージェント、サラ(イヴォンヌ・ストラホフスキー)とNSAのタフガイ、ケイシー(アダム・ボールドウィン)が彼を護衛。ケイシーが家電量販店でチャックの同僚になる(店員姿が似合わない!)のが笑える上、第2話からサラも家電量販店近くのレストランでウェイトレスになるが、これまたCIAに不似合いなセクシー制服(萌える!)。2人に守られるチャックも、いざとなれば脳の中の情報で苦境を突破していく。ここでの脳はインターネットのメタファーであり、これはネット時代ならではの夢と冒険だ。シュワルツのもう1つのヒット作「ゴシップガール」もまたネットが重要なツール。筆者は日々テクノストレスに追われる40代のオッサンだが、もしも自分が若かったら「CHUCK/チャック」、もっとハマるかも!


【アメリカTVライター 池田敏 2009/11/19】

Vol.55 全米ヒットコメディ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」が日本上陸!

スーパー!ドラマTVは11/7(土)から土曜20:30他で、全米ヒット中の最新コメディ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」を日本初放送。この番組のスタイルは、古くは「奥さまは魔女」、最近だと「フルハウス」「フレンズ」のように、観客の笑い声が聞こえる、いわゆるシットコム(シチュエーション・コメディ)だ。設定はシンプルで、カリフォルニア工科大のオタクな物理学者コンビ、レナード(ジョニー・ガレッキ)とシェルドン(ジム・パーソンズ)が住むアパートの向かいに、セクシーなブロンド美女ペニー(ケイリー・クオコ)が引っ越してきて始まるドタバタ劇。現実にはイケていないコンビと美女の間に化学反応は起きないかもしれないが、そこはやはりコメディ。両者が出会うことで笑いの大爆発(ビッグバン)が起きるのは、米TV界が元気な証。レナードとシェルドン(特に前者)はペニーに夢中になり、天真爛漫なペニーもまた彼らを友人として受け入れていく。喜劇、ひいては古今東西のありとあらゆる物語が描いてきた題材、人間間のギャップ(溝)が生み出す葛藤も本作のテーマの1つだ。スーパー!ドラマTVでもおなじみ、「バトルスター・ギャラクティカ」のDVDをこれから見るというシェルドンに、まだ見ていないなんてとオタクの立場から挑発するレナード。だがシェルドンは「(特典の)コメンタリー音声をまだ聞いていないから」と説明。するとレナードがたちまち挑発的な態度を改めるという、その呼吸がいい。ディテールがいずれもリアルな会話の数々が、本作は秀逸だ。オタクの会話が前述の通り絶妙なだけでなく、科学をめぐる会話も、何とUCLA(カリフォルニア大学LA校)の教授がチェックしているなんて工夫も。だからこそ頭のいいレナードとシェルドンが、天使のようなペニーの前でおろおろする姿がおかしさを増すのだ。進化を続ける米国シットコムから、まだ目を離せない!

【アメリカTVライター 池田敏 2009/10/25】

Vol.54 新章から世界が深まる!「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ2」スタート!!

スーパー!ドラマTVは10/21(水)から水曜22:00他で「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ2」を日本初放送。ヒット映画「ターミネーター」の第1・2作の続編として注目された海外ドラマで、すでにシーズン1をご覧になってファンになった人も多いだろう(10/17・18にシーズン1の一挙放送あり。局のサイトをご参照を)。以前にも書いたが、映画版の本来の主人公サラ・コナーを中心に据えたのが正解で、ジェームズ・キャメロン監督が映画版第1・2作で描いたような、人類の未来を救いたいという義務感、息子ジョンへの母性愛、それらのために暴走することもある猛烈な行動力など、サラ・コナーをきちんと描写しているのが嬉しい。母親と異なるターミネーターの見方をするジョン、美少女ターミネーターのキャメロン、未来戦士カイルの兄で目的のためには手段を選ばない怖さがあるデレク、「逃亡者」のジェラード警部を思い出させるFBIのエリソン捜査官、しぶといクロマティなど、いずれもキャラが立っているのもいい。しかしシーズン1は全9話しかないのが残念だった。元々全13話以上の予定だったのが、収録中に全米脚本家組合ストがあり、収録がストップしたからだ。シーズン1自体は楽しんだが、もしシーズン2が以上のメンバーだけなら展開に困るという予感もした。だが、結果はそれをいい意味で裏切り、むしろ期待以上にシーズン2は面白い。さらに色々なターミネーターが登場するが、そういえばシーズン1では人類の戦士が何人も未来から到着済みと分かる展開が意表を突いた。キャメロンをはじめ各キャラの意外な横顔が分かる新趣向や、ジョンのロマンスもある。もちろん、サラ・コナーの葛藤も激しさをアップ。息抜きを思わせるお遊び的エピソードもあるが、それがまた面白いのも番組が確固たる世界観からまったくブレないからだ。一気に全22話に増え、ぐっと深みを増すシーズン2、ご期待を!

【アメリカTVライター 池田敏 2009/09/18】

Vol.53 1話完結形式ドラマの豊かな魅力にみちた
傑作「クリミナル・マインド」スタート!

9月のスーパー!ドラマTVでイチオシは、何といっても9/7(月)から月曜22:00他で放送の新番組「クリミナル・マインド」。FBIのプロファイラー・チーム《BAU》が活躍するスリリングな警察ミステリーだ。但し、米国の犯罪ドラマ史上最も残虐な犯人たちが揃っており、刺激的なドラマが苦手な人にはけっしてお薦めしない。しかし、そういう見どころが苦手でない人には“いま最も面白い海外ドラマの1つ”と胸をはって推薦したい。まず面白いのは、扱われるのが“連続殺人事件”ばかりで、犯人の次なる凶行を防ぐのが最優先課題。だから毎回、「24」ばりのスピードで捜査は進行。ジェットコースター感は負けていない。そしてBAUは全米各地で活動し、1つの町の警察を舞台にしたドラマよりおのずと事件もバラエティに富むことになり退屈させない(ちなみに米国の国土面積は日本の約25倍)。また、近年米国で人気で、日本でもヒットしているのは各話がつながった連続ドラマ(よくノンストップと形容される)だが、「クリミナル・マインド」は各話で1つの事件を扱う、オーソドックスな“1話完結形式”。ノンストップ・ドラマには見る者にアドレナリンを分泌させる楽しさがあるが、各話見終わった後の余韻を味わえる点で1話完結形式に軍配が上がるのはドラマ好きなら理解できるはず。どうしてそんな事件が起きたのか、もしも自分がそこにいたらどうしたか……。このドラマにはそう考えさせられる磁力がある。そして特筆すべきはBAUの刑事たちの魅力。彼らはFBIからプライベート・ジェットで移動するのを認められているほどのエリートだが、時に犯人たちの心の闇、つまり“クリミナル・マインド(罪を起こす心)”を覗くことで、自分たちの人間性を大きく揺さぶられる。そう、“クリミナル・マインド”は犯罪者だけでなく、捜査官たちにも、そしてTVでこのドラマを見る貴方の心の中にもあるかもしれない。

【アメリカTVライター 池田敏 2009/08/20】

Vol.52 要注目作「クリミナル・マインド」の予習に
「サード・ウォッチ6(シーズン6)」も!

9月のスーパー!ドラマTVの新番組で、8月4日から随時“カミングスーン特番”が放送される「クリミナル・マインド」。近年屈指の犯罪ミステリーで、来月のこのコラムでも魅力を紹介したいが、その前に8月、最終シーズンに突入する「サード・ウォッチ6(シーズン6)」にも是非ふれておこう。2つのドラマをつなぐキーパーソンは脚本家・監督・プロデューサーのエドワード・アレン・バーネロ。米国第3の都市、シカゴの市警察で警官だったバーネロ(10年勤務したという説あり)は脚本家に転身し、1997年、警察ドラマ「ブルックリン74分署」でプロ・デビュー。続いて「ER 緊急救命室」のジョン・ウェルズと組んで警察・救命士・消防士の連携を描く「サード・ウォッチ」を企画したバーネロはそこで監督デビューもするなど、忙しいウェルズに代わって“ショー・ランナー(番組製作の中心人物)”となった。だからか、当初は大都会での人命救助が見せ場だった「サード・ウォッチ」なのに少しずつ刑事ドラマの色が濃くなっていったが、ではつまらなくなったかというと答は“NO”だ。ボスコと名狙撃手の哀しい交流を描いたシーズン3の名エピソード「病んだ英雄」を始め、シーズン3と4にまたがったロシアン・マフィア絡みの連作、シーズン4から登場した女性版ヴィック・マッキー(TV「ザ・シールド」の悪徳刑事)のような過激刑事クルーズの凄みなど、警官出身のバーネロならではの迫力ある見どころが「サード・ウォッチ」に溢れていったのだから。一方、米TV界では「CSI:科学捜査班」出現以後、科学捜査ドラマが流行したが、バーネロはプロファイリングを取り上げた「クリミナル・マインド」でそこに一石を投じてみせたのだった。「クリミナル・マインド」は来月にもふれるとして、とりあえず「サード・ウォッチ」、最終回がきちんとあり、そこに向けて盛り上がっていくシーズン6をまずはお見逃しなく!

【アメリカTVライター 池田敏 2009/07/20】

Vol.51 超個性派俳優スティーヴ・ブシェミが絶妙!
傑作「ザ・ソプラノズ5(シーズン5)」

7月のスーパー!ドラマTVの新番組は「ザ・ホワイトハウス7(シーズン7)」「エバーウッド4 遥かなるコロラド(シーズン4)」など“ファイナル・シーズンもの”が充実しているが、7月6日より毎週月曜24:00ほかで放送される「ザ・ソプラノズ5(シーズン5)」も、ファイナルの1つ前のシーズンながら傑作で要チェック。中でも主人公の悩める中年マフィア、トニー(ジェームズ・ギャンドルフィーニ)の従兄弟、トニーBが味のあるキャラで、シーズン全体を引き締めている。強面でリーダーシップがあるトニーに比べ、トニーBは裏街道から足を洗おうと悪戦苦闘する不器用な人間(でもIQは高い)。そして同年代かつ、まっとうな道に生きられない点でトニーとトニーBは極めて似ている。明と暗に分かれた同じ人物といってもいい。トニーにとってトニーBは、合わせ鏡に映った自分自身なのだ。こうしてますます人物描写に深みが増したシーズン5が、とにかく面白いのはあらためて言うまでもないだろう。さて、トニーB役の俳優、スティーヴ・ブシェミにもご注目を。映画好きの方には特徴ある容貌共々、おなじみの顔だ。鬼才クエンティン・タランティーノ監督の「レザボアドッグス」で注目され、「ファーゴ」のマヌケな犯罪者、「アルマゲドン」のキレ気味なインテリ男、「コン・エアー」の変態囚人、「ゴーストワールド」のレコードコレクターなど、変人の役をさらに強烈にしてしまう超個性派俳優だ。だが実は元消防士で、01年の同時多発テロ事件の際、世界貿易センタービルで救出活動を手伝っていたという泣かせる逸話の持ち主でもある。そんなブシェミ、「ザ・ソプラノズ」には以前から監督として参加し、シーズン5の第7話「追憶」など計4話のメガホンを執るなど(エミー賞の監督賞にも1度ノミネートされた)、本作の世界観をしっかりと理解している1人。彼演じるトニーBだからこそ、味があるのも納得だ。

【アメリカTVライター 池田敏 2009/06/20】

Vol.50 大ヒット映画2本の正しき続編!
「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」

スーパー!ドラマTVは6月17日より毎週水曜22:00ほかで「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」を日本初放送。ヒット映画「ターミネーター」にTV版が生まれたという話題は以前から日本でも広まっていたが、「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」は正確には第2作「ターミネーター2」の続編。あれっ、第3作は関係ないのと思う人もいるだろう。第1作と第2作を生み出したジェームズ・キャメロン監督が不参加だった第3作と異なる方向へ枝分かれした、まったく新たな続編が「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」なのだ(今夏公開の「ターミネーター4」につながるかどうかも現時点では不明)。何はともあれ第1話を見てほしい。派手なアクションを満載していた第2作に比べてスケールダウンした印象を受けるかもしれないが、“確かに「ターミネーター」している!”と驚かされるはず。現在と未来が交錯する面白さはもちろん、将来人類を救うとされるジョン・コナーと母親サラ・コナーという2大キャラの内面的葛藤もきちんと映画版第1・2作から継承したのが絶妙で、また、新たに美少女ターミネーター(名前はキャメロン!)が現れるという大胆さも楽しく、筆者は見始めたら止まらなくなった。近年、過去の映画をリメイクしたり、有名な原作(コミックなど)を映像化する作品が多いが、常に原点(当番組なら映画版の第1・2作)からブレず、その面白さを増幅するような新要素を足してあえていく、その正しいサジ加減こそ「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」の真骨頂だ。ハマった筆者はもうシーズン2の途中まで見ているが、数々の謎を少しずつ解決しながら新たな謎を足していく展開は「HEROES/ヒーローズ」の影響も少し受けているのかなとにんまり。「ビバリーヒルズ高校白書」のデビッド役、ブライアン・オースティン・グリーンがぐっと大人の男に成長したのも“ビバヒル世代”の筆者(但し自称=苦笑)は感激。今後、映画のTV化の成功例に加わるのではないだろうか。

【アメリカTVライター 池田敏 2009/05/20】

Vol.49 あえて言い切ると、まず第4話までは必見!
「HEROES/ヒーローズ シーズン3」

いよいよ5月26日よりスーパー!ドラマTVは毎週火曜22:00ほかで「HEROES/ヒーローズ シーズン3」を日本初放送。もう既にヒット作の地位を確立したドラマは、どう今後の展開にふれても、いわゆる“ネタバレ”になってしまうのがヒット作ならではのジレンマ。しかし、面白いのは間違いなく、ネタバレなしでどこまでこのシーズン3の魅力を語れるか、あえてチャレンジしたい。それでもまだ何も知りたくない方は7月位にこの「海外ドラマ スペシャル コラム」のBack Numberを見てやってください。まずシーズン3の第1話だが、ファンが見たら「何これーっ!」という衝撃的なオープニング。ネタバレなしでと言っておきながら、いきなり1つだけネタバレすると、現在と異なる年に大事件が起きる。その年と現在がどうつながるのか、見る者を猛烈に引き込むと共に、これからどうストーリーを転がしていくのかとつい心配までさせられるほどだ。また、第1話の特徴はシーズン2の新キャラたちがあまり登場しないこともある。しかし第2話以降、こうした新キャラたちも次々と再登場するのでご安心を。シーズン2を無駄にしないという、番組の作り手たちの決意を確認できる。そして思わずひっくり返りそうになる位、大事件が連発するのが第4話。いま思い返すと「HEROES」シーズン1に感動したのは、米国の同傾向の連続ドラマと異なり、ちりばめられた謎を少しずつ解き明かしながら新たな謎も盛り込み続けるという意匠だが、全米脚本家組合ストの混乱が影響してか、シーズン2ではやや薄れていた感があるそんな語り口が、このシーズン3で堂々と復活、いや、むしろパワーアップしていたことに胸を打たれる。乱暴な物言いをさせてもらうとこのシーズン3、ドラマ好きなら何があっても第4話まで1話も漏らすことなく付き合うべし。壮大なスケールである「HEROES」の新章は、まさにここから始まるのだから。

【アメリカTVライター 池田敏 2009/04/21】

池田敏
海外ドラマ評論家。海外ドラマのビギナーからマニアまで楽しめる初の新書「『今』こそ見るべき海外ドラマ」 (星海社新書) 発売中。

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