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海外ドラマおすすめコラム vol.87 「CSI: 科学捜査班」のキャサリンがレギュラー入り! 人気作待望の続編「CSI: ベガス シーズン2」

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12月のスーパー!ドラマTVの目玉は、スパドラ初放送の「CSI: ベガス シーズン2」だ。
 
大ヒットドラマ「CSI: 科学捜査班」のスピンオフと思いきや、タイトルが変わっただけの続編としてファンに歓迎された「CSI: ベガス」。シーズン1は前作のグリッソム(ウィリアム・ピーターセン)ら主要登場人物陣が再登場しつつ、女性の主任マキシン・“マックス”・ロビー(ポーラ・ニューサム)ら次世代のキャラ陣に「CSI: 科学捜査班」の世界を橋渡ししたのが絶妙だった。
そしてこのシーズン2、エピソード数は前シーズン10話の倍以上となる全21話。グリッソムらは去ったが、キャサリン(マージ・ヘルゲンバーガー)が復帰して新レギュラーになり、第17話でグレッグ(エリック・スマンダ)もカムバック。さらにキャサリンの娘リンゼイ(「アメリカン・アイドル」出身のケイティ・スティーヴンス)も再登場。引き続いて「CSI: 科学捜査班」ファンは必見だ。
 
シーズン1で意表を突かれたのは、従来通りの各話の事件の捜査のみならず、連続ドラマの要素が加わったこと。ホッジス(ウォレス・ランガム)が容疑者になる展開をファンは楽しんだはずだが、シーズン2は少し世代交代が進み、新キャラ陣の公私が見ものに。マックスの元夫が現れたり、フォルサム(ポーラ・ニューサム)と殺人課刑事セリーナ(アリアナ・ゲラ)が恋をしたりとにぎやかだ。
そして各話で事件が解決せず、捜査が複数の話にまたがる事件も増える。次回が見たくなる仕掛けだ。細かい点では「CSI: 科学捜査班」生みの親であるクリエイター、アンソニー・E・ズイカーが第4話、17話の脚本に参加したのが要注目点。登場人物だけでなくスタッフも旧世代と新世代が同居し、「CSI」の世界をより豊かにしている。
 
シーズン3の製作も決まったが、全米俳優組合のストの影響でスケジュールが遅れているのが残念。とはいえ、いい充電期間になった可能性に期待したい。
 
 
【海外ドラマ評論家 池田敏 2023/11/30】
 
池田敏:海外ドラマ評論家。映画誌「スクリーン」などに寄稿し、TV・ラジオで出演や監修をすることも。著書は「『今』こそ見るべき海外ドラマ」(星海社新書)など。