7月のスーパー！ドラマＴＶの目玉は「レバレッジ 詐欺師たちの償い」の日本上陸。
2008～12年に全米でスマッシュヒットした「レバレッジ ～詐欺師たちの流儀」の続編だ。

前作で元保険調査員ネイサン(映画『普通の人々』でアカデミー賞の助演男優賞を史上最年少で受賞したテイモシー・ハットン)は異色の詐欺師グループを率いて活躍を見せた。トム・クルーズ主演の映画『ミッション：インポッシブル』シリーズの原作ドラマ「スパイ大作戦」のバリエーションを思わせる痛快ドラマが「レバレッジ ～詐欺師たちの流儀～」だった。
その終了から10年近い年月を経て生まれた続編がこの「レバレッジ 詐欺師たちの償い」。残念ながらネイサンは亡くなったが、引き続いて彼の妻だった詐欺師ソフィー(ジーナ・ベルマン)、武闘派のエリオット(クリスチャン・ケイン)、泥棒の女性パーカー(ベス・リースグラフ)、ハッカーのハーディソン(オルディス・ホッジ)らは、大企業や権力者に詐欺を仕掛ける。
ネイサン不在で空いた穴を、元企業弁護士ハリー(ノア・ワイリー)が埋めるのが一番の見ものだ。

一足お先に第1話を拝見したがハリーはソフィーらとすぐにみごとなチームワークを見せ、タイムラグを感じさせることなく、「レバレッジ ～詐欺師たちの流儀～」の世界にすぐ戻れるのが気持ちいい。
ハリーを演じるワイリーは、大ヒットドラマ「ER 緊急救命室」のカーター先生役で人気を博したが、この「レバレッジ 詐欺師たちの償い」では監督や脚本を担当したエピソードもある。
ちなみに筆者は過去、ワイリーに2度取材した。1度目は彼が「ER 緊急救命室」の宣伝で来日した際で(確か銀座のデパートの屋上でファンと交流したはず)、次はL.A.のワーナー撮影所の「ER 緊急救命室」のセットで。後者では収録で疲れた感じがカーター先生と重なって感慨深かった。
そんなプロ俳優陣が詐欺グループを快演する本作。「レバレッジ ～詐欺師たちの流儀～」と同様にテンションが高く、大いに楽しめる!

【海外ドラマ評論家　池田敏　2025/6/30】

池田敏：海外ドラマ評論家。映画誌「スクリーン」などに寄稿し、TV・ラジオで出演や監修をすることも。著書は「『今』こそ見るべき海外ドラマ」(星海社新書)など。