ニュース

海外ドラマおすすめコラム vol.41 シーズン2を前に必見! 『サバイバー: 宿命の大統領 シーズン1 クライマックス2エピソード』

SURVIVOR_yoko.jpg
4月のスーパー!ドラマTVの目玉は『ブラックリスト シーズン7』の独占日本初放送と各関連特集だが、気になるのがもう1本。シーズン2の放送が近づいた最新ヒット作からの、『サバイバー: 宿命の大統領 シーズン1 クライマックス2エピソード』にも注目したい。
 
『サバイバー~』はご存知の通り、『24 TWENTY FOUR』のジャック・バウアー役で人気のキーファー・サザーランドが大統領を守る役を卒業し、新たに国家の非常事態の中で米国大統領になるトム・カークマン役を演じて話題に。シーズン1は、急に大統領になったトムの悪戦苦闘と、国会議事堂を破壊した犯人の追跡を見どころに。
 
『~2エピソード』は文字通りシーズン1の終幕、大いに盛り上がるクライマックスとなった第20・21話であり、復習するのにありがたい。これから見る人のために詳述はしないが、『24~』の各シーズンの終わりよりはすっきりとした気分になるし、番組が始まった頃はちょっと頼りなかった(だからこそ面白かったのだが)トムが、大統領としても、自分の家族の父親としても成長した姿がシーズン1のフィナーレにふさわしく、シーズン2も見たいと痛感させられる。
 
そういえばシーズン1が全米放送されたのは米国大統領の選挙戦の真っ只中で、その直前、共和党の候補がドナルド・トランプ現大統領に決まるかという微妙なタイミングで収録していたはず。しかし本作が素晴らしかったのは選挙戦に関係なく、あくまで理想の大統領像を描こうとした覚悟にある。
 
現代ヘブライ語で“トム”という名前には“無垢・正直・単純”などの意味があり、性別は関係がないそうだ。また英語で“トムボーイ(Tomboy)”といえば“おてんば娘”を指し、本作のトムがいかに応援したくなる存在であるかを示唆していたのかも。
 
すっかり大人の俳優になったキーファーが演じるトムは、シーズン2でも大活躍。まずはこの『~2エピソード』を見てさらに期待したい。
 
 
【アメリカTVライター 池田敏 2020/3/31】
 
池田敏:海外ドラマ評論家。海外ドラマのビギナーからマニアまで楽しめる初の新書「『今』こそ見るべき海外ドラマ」 (星海社新書) 発売中。