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海外ドラマおすすめコラム vol.104 今からでも全米大ロングランミステリーの神髄を楽しもう! 「BONES ―骨は語る―」シーズン5・6

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5月のスーパー!ドラマTVの目玉のひとつは、チャンネル初放送の「BONES ―骨は語る―」シーズン5・6。米国のドラマ好きなら本作が全米で2005~2017年、全12シーズンもロングランしたのはご存じだろう。



人気の理由は多いが、法人類学者テンペランス・"ボーンズ"・ブレナン(エミリー・デシャネル)とFBI捜査官シーリー・ブース(デヴィッド・ボレアナズ)の関係性がひとつ。番組開始当初、知性派ブレナンと行動派ブースはよく対立したが、さすがに何年もいっしょに働くと同僚として互いに尊重し合うようになり、恋愛に発展するかも......というムードまで後に生まれた。
本作のポイントはタイトルロール"ボーンズ"が女性であること。



そして"ボーンズ"にはモデルがいる。法人類学者で推理作家でもある実在の女性キャシー・ライクスだ。
米国のドラマは各話の最初のほうで"原作:~"というクレジットが出ることがあるが、本作の場合は"ライクスの人生にインスパイアされた"と出る。そしてライクス自身がプロデューサーも兼任。
シーズン5第1話で"ボーンズ"は中米のグアテマラに行くが、ライクス自身、グアテマラで働いたことがある(アフリカのタンザニアでも)。
さらに2001年の全米同時多発テロ事件では犠牲者の身元を調べる仕事にも従事。まさしく"ボーンズ"のモデルにふさわしいと同時に、ブースのような行動派でもある。



犯罪ミステリーとしてリアリティが高いことに加え、"ボーンズ"らジェファソニアン法医学研究所のメンバーのチームワークの描写も楽しい本作。だからこそ、犯罪ドラマは苦手という女性ファンまで魅了するのだろう。
シーズン5は、松田聖子、シンディ・ローパー、"ボーンズ"役のエミリーの妹ズーイー・デシャネルらが、シーズン6は映画「グリーンマイル」のマイケル・クラーク・ダンカン、映画「マチェーテ」のダニー・トレホらがそれぞれゲスト出演。にぎやかさもお楽しみだ。




【海外ドラマ評論家 池田敏 2025/4/30】

池田敏:海外ドラマ評論家。映画誌「スクリーン」などに寄稿し、TV・ラジオで出演や監修をすることも。著書は「『今』こそ見るべき海外ドラマ」(星海社新書)など。