海外ドラマスペシャルコラム

アメリカTVのスペシャリストがドラマの魅力や見どころを語ります!

Vol.132 大ヒットドラマの続編だが、異なる楽しみ方もできる!「HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン」

HEROESREBORN_column250_0331.jpg4月のスーパー!ドラマTVの目玉は大ヒット作「HEROES/ヒーローズ」の続編「HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン」。

かつてDVD業界では4本の海外ドラマが“海外ドラマ四天王”と呼ばれて席巻したが、「HEROES/ヒーローズ」はその1本。なので続編を待ち望んだ人は多く、本稿も(一部ネタバレを含めて)いつもと違う切り口で取り上げたい。

早速だが、続編という概念は取り払ってもいい。理由はいくつかある。続編といってもこの「HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン」に出てこない前作のキャラは多い。“ヤッター!!”でおなじみのヒロ(マシ・オカ)はさすがに再登場するが、1人だけ挙げると、ヒロの相棒アンドウくん(ジェイムズ・カイソン・リー)は登場せず。

さらにストーリーも前作を見ていなくても理解でき、むしろ新キャラたちを中心に構成されている。恐らくは前作を見ていない、新しい、若いファンの獲得をめざしたのではないか。面白いのは新キャラに日本人が3人もいること。前作に続いて企画・製作総指揮を務めるティム・クリングに、筆者は彼が来日した際にインタビューしたが、「渋谷に行った」と教えてくれたと思ったら、別作品「TOUCH/タッチ」の第1話にいきなり渋谷が出てきて驚いた、そんな親日派だ。

「HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン」では日本人キャラがミコ(祐真キキ)、レン(内門徹)、ハチロー(札幌市生まれのヒロ・カナガワ)と3人も新登場。特にジャパニメーションの影響を受けたような女性戦士ミコは凝った演出で描かれ、いわゆる“おいしい”役どころだ。

では前作のファンに対するフックは無いかというとそうではない。筆者は昨年来日したマシ・オカにインタビューしたが、仲よしの関係者たちとの再会に感激したという。伝説的OBが現れて場をさらに盛り上げる新歓合宿(分かります?)みたいだ。“ネクスト・ジェネレーション”を描く“新HEROES”という見立てはどうだろう。

 

【アメリカTVライター 池田敏 2016/03/31】

Vol.131 映像先進地帯・北欧からどちらも最終章が到着!「コペンハーゲン シーズン3」&「THE BRIDGE/ブリッジ シーズン3」

borgen3_bron3_column250_0229.jpg3月のスーパー!ドラマTVの目玉はいずれも北欧産の傑作、「コペンハーゲン」と「THE BRIDGE/ブリッジ」、両方のシーズン3を日本初放送することだ(後者は第1話のプレミア放送)。

前者はぜひ当コラムのVol.117も読んでほしいが、デンマークを舞台にした、極めてリアルな政界ドラマだ。特にリアルなのは実際にデンマークの政界が多党制であることを背景にした点。ヒロインのビアギッテは実現させたい法案が可決されるよう、多彩な党の党首たちと熾烈な駆け引きを繰り広げてきた。惜しむらくはこのシーズン3が最終章になることだが、政権交代は民主主義国家にとっては健全で、だからこそビアギッテが政界復帰に挑むという新シーズンのような展開が可能だ。彼女がめざす新党結成もまた、まさしくいま日本の政界でも起きつつある。

近年、北欧産ドラマが海外でリメイクされるのが流行しているが、米英のような二大政党制の国で本作のリメイクは無理……と思っていたら、米英合作でリメイクが進行中。それでも「コペンハーゲン」の面白さはここにしか無いはずで、ぜひ最終章に注目してほしい。


そして「THE BRIDGE/ブリッジ」も海外リメイクされ、米国版と英仏合作版があるのは有名。前シーズン、スウェーデンの女性刑事サーガは、唯一の友人だったデンマークのマーティン刑事を失ったが(その大胆な展開には驚かされた)、そんな彼女を待つ新たな事件とは。こちらも惜しくも最終章だが、神経をすり減らし続けてきたサーガはそろそろ解放されてもいいのかもしれない。

映画の歴史を振り返るとスウェーデンは名女優グレタ・ガルボや巨匠イングマール・ベルイマン監督など、デンマークはカール・テオドール・ドライエル監督、ラース・フォン・トリアー監督、俳優マッツ・ミケルセン(TV「ハンニバル」)などを輩出してきた、いずれも映像先進国。そこで生まれた北欧産2大ドラマの最終章、要注目だ。

 

 

 

【アメリカTVライター 池田敏 2016/02/29】

Vol.130 せっかくの「クリミナル・マインド祭り」でこそ再確認したい、「クリミナル・マインド」の魅力!

criminalminds s7_column250_0129.jpg2月のスーパー!ドラマTVの目玉は、「クリミナル・マインド祭り」というテーマのもとに再放送される「クリミナル・マインド」の各シーズンだ。せっかくなのでこのドラマの魅力を、あらためて筆者なりにご紹介してみたい。

まず、グロテスクな見せ場がある海外ドラマに女性はドン引きするという定説だが、明らかに間違えている。というのも、実際、「デクスター」「ウォーキング・デッド」「ゲーム・オブ・スローンズ」「ハンニバル」など、部分的にグロテスクな見せ場がある各ドラマも、今は女性ファンの存在抜きには考えられないほどの世界的人気を博している。同時に、「クリミナル・マインド」の傾向に着目すると、シリアルキラー(連続殺人鬼)によって犠牲者になる顔ぶれはとにかく女性が多い。

つまり女性ファンこそ、この「クリミナル・マインド」で描かれるような犯人像に関心があるはずで、そんな女性ファンの一部は本作をいわば情報バラエティのように見ているはずだ。また、そうしたハードな世界観がしっかりしているからこそ、前シーズンで消えるかと思われたJJA・J・クック)がこのシーズン7で延命したり、エミリー・プレンティスパジェット・ブリュースター)に何かあったようだという意外な流れが起きても、そう違和感もなく受け止められている理由になっているのではないか。

米国ドラマは何でもありと言われがちな昨今だが、いくら何でも許される・許されないの間には線引きはあって、そんな状況下、許される範囲でとにかく楽しめるのが「クリミナル・マインド」だと思わずにいられない。この現象に関してはもう少し経ったらあらためて詳述したいが、今年3月、全米では、「CSI: NY」でマック・テイラー役を演じたゲーリー・シニーズを主演に迎えた、2つ目のスピンオフ「Criminal Minds: Beyond Borders(原題)」の全米放送が始まるという。「クリミナル・マインド」伝説の続きを見守りたい。

 

【アメリカTVライター 池田敏 2016/01/29】

Vol.129 さらに中毒性が増す傑作アクションサスペンス!世界的大ヒット作「ブラックリスト シーズン3」

blacklist3_column250_1225.jpg新春2016年1月のスーパー!ドラマTVで一押しは、「ブラックリスト」シーズン3の独占日本初放送スタート。超A級犯罪者レッドジェームズ・スペイダー)の情報に基づいてFBIの女性捜査官エリザベス・キーンメーガン・ブーン)が凶悪犯を捜査・追跡していくアクションサスペンスの傑作が「ブラックリスト」。1月2日からシーズン1、同9日からシーズン2、それぞれ全話一挙放送があるので未見の人にはお薦めだが、以下、軽くそれらのネタバレをさせてもらいながら魅力を語ろう。

シーズン1の終盤は、レッドの宿敵ベルリンの出現やエリザベスの夫トム(2015年12月に来日して人気上昇中のライアン・エッゴールド)の秘密をクローズアップし、早く次話を見たいと思わせたが、シーズン2の終盤は急展開をさらにスケールアップさせた。米国・各国政府の要人、企業幹部から構成される陰謀組織「結社(英語でケバル=Cabal)」の出現だ。また、そう来たかと感心したのはトムの大胆なイメージチェンジ。彼が髪を短くしてワイルドに生まれ変わった場面、女性ファンならずともぞくぞくしたはず。

そしてついに始まるシーズン3だが前シーズンの結末を受け、共に逃亡するレッドとエリザベス。つまり彼らはシーズン1・2で自分たちが追った悪役(ブラックリスター)たちと同じ立場になっている。ことわざ“ミイラ取りがミイラになる”に該当する英語の格言に、“Go for wool and come back shorn(羊毛を求めて自分が刈られる)”というのがあるが、レッドとエリザベスはいつ“狩られる”か分からない。

まだ詳しく語れないが、レッドのボディガードのデンベ(海軍→刑務所の刑務官→消防士兼俳優→専業俳優という面白過ぎるプロフィールのヒシャム・タウフィーク)が準レギュラーからレギュラーに格上げされたのも番組ファンには興味しんしん。全米放送はシーズン4への継続が決定。とにかくシーズン3、楽しんでほしい!

 

【アメリカTVライター 池田敏 2015/12/25】

Vol.128 前シーズン終盤の勢いを引き継いでシーズン2へ 「エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY」

elementary2_column250_1130.jpg12月のスーパー!ドラマTVの目玉は「エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY」のシーズン2だ。

ホームズと女性ワトソンのコンビが、ロンドンではなくニューヨークで活躍する本作。一話完結形式でどのエピソードでも事件が解決し、安心して楽しめるミステリーだが、シーズン1終盤での連続する展開には驚いた。アーサー・コナン・ドイルの原作でもおなじみのホームズのライバル、モリアーティが出現したからだ。ホームズはモリアーティが自分の恋人アイリーン・アドラーを殺したと疑うが、アイリーンも原作の有名キャラ。

説明すると長くなるので要点だけ押さえると、ホームズが「あの女性(ひと)」と呼ぶので、彼が好意を抱いていると解釈されることも多い。この2大キャラだけでもびっくりなのに、モリアーティとアイリーンが同一人物で、原作では男性であるモリアーティが女性だという、ワトソンと同様の大胆なアイディアにも驚愕。さすがに原作通りに2人が滝に落ちる場面は無かったが、今後も登場するのでご期待を。ちなみにアイリーン役のナタリー・ドーマーは「ゲーム・オブ・スローンズ」ではマージェリー役を演じている。

そしていよいよ始まるシーズン2は、ホームズがロンドンに里帰りするというホームズ好きにはたまらない導入部。番組史上初のロンドン・ロケも敢行した。ホームズを呼んだのはロンドン警視庁のレストレードで、ついにホームズの兄マイクロフトが登場する。この2人も原作でおなじみの登場人物だ。そしてホームズが滞在するのは、もちろんベーカー街221番地B。ストーリーは見てのお楽しみだが、この「エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY」、全米放送は2015年11月にシーズン4から再開した。大成功の理由は舞台をニューヨークにしたりワトソンを女性に変えたりしても、ドイルの原作を重視するという姿勢にブレが無いからだろう。シーズン2の終盤もロンドン時代のホームズを掘り下げ、見どころ満載である。

 

【アメリカTVライター 池田敏 2015/11/30】

Vol.127 犯罪ドラマの進化形を思わせる日本初上陸作 「アクエリアス 刑事サム・ホディアック」

aquarius_column250_1029.jpg11月のスーパー!ドラマTVの目玉は新番組「アクエリアス 刑事サム・ホディアック」だ。大ヒット作「X-ファイル」でモルダー役を演じたデヴィッド・ドゥカヴニーが主演だが、ドゥカヴニーはそれに続く「カリフォルニケーション」で賛否両論を呼んだスキャンダラスなイメージを払拭するかのごとく、1960年代のロサンゼルス市警の敏腕刑事サム・ホディアック役を巧演し、カムバックを印象づけている。

本作は何より着眼点が秀逸で、犯罪ドラマの進化形を思わせる。舞台は1967年のロサンゼルス。この年はベトナム戦争史で重要な“テト攻勢”の前年で、一方国内で急増する犯罪に対し、連邦政府などアメリカ全体が揺れていた。そんな時勢でホディアックは、本来なら対立してもおかしくない新世代の刑事ブライアングレイ・デイモン)をあえて“相棒”に迎える。異なる価値観を持つ者を仲間に迎えることで新しい価値観を生むという、米国流エンターテインメントの王道が明快なのは実に痛快。

こうして生まれたホディアック&ブライアンという2世代コンビはカルトのリーダー、チャーリー・マンソンゲシン・アンソニー)を追い詰めだす。マンソンは実在の犯罪者だ。“ファミリー”と呼ぶ集団を率い、映画監督ロマン・ポランスキーの妻だった女優シャロン・テートを殺害したことでも知られる。日本で翌年の1968年に起きた“3億円事件”と同様、この時代を代表する凶悪事件で、日本で“3億円事件”を再現した作品が多いのと同様、いまだ“マンソン事件”は全米で語り継がれているが、地上波のNBCネットワークがこの題材を連続ドラマにした、その事実からも本作の作り手たちの野心を意識せざるをえない。世界的にドラマの市場が広がる中、米国を代表する地上波のひとつNBCが「ハンニバル」「ブラックリスト」に続いて大勝負に出た意義も大きい。

 

【アメリカTVライター 池田敏 2015/10/30】

Vol.126 ヒット作の第2のスピンオフながら、進化に注目したい「NCIS: ニューオーリンズ」

NCISNO_column250_0930.jpg10月のスーパー!ドラマTVの目玉は「NCIS: ニューオーリンズ」だ。世界的ヒットドラマ「NCIS ネイビー犯罪捜査班」から生まれた、「NCIS:LA ~極秘潜入捜査班」に続く2番目のスピンオフで、全米TV界で2014~15年のシーズン、ドラマ新番組として視聴者数第1位を記録したが、安心感と野心の両方を感じる、スピンオフの理想形だ。

まず前者だが、先駆ける「NCIS ネイビー犯罪捜査班」シーズン11の第18・19話がバックドア・パイロット(別の番組のエピソードを事実上のスタートにすること)で、本家「NCIS ネイビー犯罪捜査班」と密接な関係だ。製作総指揮の一人は本家でギブスを演じるマーク・ハーモンで、ギブスは第3話にカメオとして登場。さらに本家からは、第1話にダッキーデヴィッド・マッカラム)、第2話にトニーマイケル・ウェザリー)とアビーポーリー・ペレット)、第5話にFBIのトバイアス(ジョー・スパーノ)がゲストとして登場。

「NCIS ネイビー犯罪捜査班」ファンは必見だ。またNCISニューオーリンズ支局を率いるリーダー、プライド役のスコット・バクラは「スタートレック エンタープライズ」のアーチャー役でおなじみだが、彼と「タイムマシーンにお願い」で共演したディーン・ストックェルもゲスト出演。さらに、TV「アメリカン・ゴシック」が懐かしいルーカス・ブラッククリス役)、TV「ER 緊急救命室」「ザ・シールド ルール無用の警察バッジ」のCCH・パウンダー(検視官ウェイド役)のレギュラー出演も楽しい。一方、極めて野心的なのは、舞台を米南部のニューオーリンズを舞台にしたことで、同地でロケを敢行。映画「ジュラシック・ワールド」でもロケ地になったが、これまでニューオーリンズでロケをしたTV・映画はそう多くなく、その独特の風景はまるで第2の主人公とばかりに際立っていて、“NCIS”ワールドの次なる進化を大いに感じさせられる。

 

【アメリカTVライター 池田敏 2015/09/30】

Vol.125 ロングランの理由は本国での新しいファンの獲得!?「スーパーナチュラル シーズン9」

supernatural9_column250_0831.jpg9月のスーパー!ドラマTVの目玉は「スーパーナチュラル シーズン9」の日本初放送。悪魔と戦うウィンチェスター兄弟、サム(ジャレッド・パダレッキ)ディーン(ジェンセン・アクレス)が活躍する人気の超常現象アクションだ。

本作は、全米The CWネットワーク(以下、The CW)で放送され、今年10月7日からシーズン11の全米放送も決まっている。世界的に根強いファンがいるというのが一番重要と思われるが、本国のThe CWが放送枠を変更することで新しいファンを獲得し続けているという工夫にも注目したい。日本ではドラマに限らず、TV番組が異なる放送枠に移動することは珍しい(深夜のバラエティ番組がゴールデンタイムに格上げされる例は除く)。

ところが全米TV界はこれをよくやる。古い例だと、日本でもおなじみの「ナイトライダー」は金曜夜9時(東部標準時/以下の時間帯も同じ)という、当時の米国の国民的ドラマ「ダラス」の裏番組として始まったが予想以上に健闘したため、翌年から日曜夜8時という作品の色に適した枠に移って視聴率を上げた。一方、TV局が番組の人気を過信して放送枠を変え、失敗したケースもまた多いが……。

さて「スーパーナチュラル」はどうか。全米視聴者数がやや減少傾向にあったシーズン7の放送後、The CWはシーズン8で放送枠を金曜夜9時から水曜夜9時に変更。その直前の8時枠に放送された新番組「ARROW/アロー」からの流入効果もあってか、視聴者数は増加。今回日本初放送が始まるシーズン9もやはり新番組「オリジナルズ(「ヴァンパイア・ダイアリーズ」のスピンオフ)」(火曜夜8時)に続く火曜夜9時に移したことも影響してか、全米視聴者数は順調に推移している。ファンの根強い人気とともに、本国のTV局の期待を受けた「スーパーナチュラル」から、まだ当分目が離せない。

 

【アメリカTVライター 池田敏 2015/08/31】

Vol.124 世界各地でリメイクされた"LAW & ORDER"サーガ 代表格の「LAW & ORDER: UK シーズン3」初放送

LandO_UK3_tate_column250_0729.jpg8月のスーパー!ドラマTVは、7月の「LAW & ORDER: 犯罪心理捜査班 シーズン3」に引き続き、「LAW & ORDER: UK シーズン3」にご注目を。

米国における本家「LAW & ORDER」を含む“LAW & ORDER”サーガの凄さは前回の当コラムの通りだが、サーガの各作品が海外で何度もリメイクされたことも特筆もの。代表格は本家「LAW & ORDER」の英国(UK)リメイク版であるこの「LAW & ORDER: UK」。

スーパー!ドラマTVで始まるシーズン3だが、英国で2011年7・8月に放送されたシリーズ5と2012年1・2月に放送されたシリーズ6をまとめて放送(米国やカナダでもシーズン3として放送)。さらに、2013年7・8月にシリーズ7、2014年3~6月にシリーズ8も放送され、英国のドラマとしても貴重なロングランを記録している(「ドクター・フー」などもっと長寿のドラマもあるにはがあれらは例外)。

英国以外でもリメイクされ、フランスでは2007~08年、「LAW & ORDER: 犯罪心理捜査班」の舞台をパリに置き換えた「PARIS CRIMINAL INVESTIGATIONS(英語題)」が誕生。映画界でも活躍するヴァンサン・ペレーズ主演。同じ2007~08年にはロシアで「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」の舞台をモスクワに置き換えた「LAW & ORDER: DIVISION OF FIELD INVESTIGATION(英語題)」も作られ、2007~09年には「LAW & ORDER: 犯罪心理捜査班」のモスクワ版「LAW & ORDER: CRIMINAL MIND(英語題)」まで作られた(副題はご愛嬌)。

ロシア人は「LAW & ORDER」が大好きなのか。但し、2011年に噂された南アフリカ版(!)、「LAW & ORDER: CAPE TOWN(英語題)」は惜しくも実現しなかった模様。前半で犯罪捜査、後半でその裁判を描くという無敵のフォーマットを誇る“LAW & ORDER”サーガ。わが国でリメイクするとしたら日本の裁判の長さがネックになりそうだが、逆にいえばそれだけ新鮮に見えるはず。やってみる価値はある!?

 

【アメリカTVライター 池田敏 2015/07/29】

Vol.123 まだまだ歴史を塗り替え続ける"LAW & ORDER"サーガ!「LAW & ORDER: 犯罪心理捜査班 シーズン3」

LandO_hanzaishinri_s3_tate_column250_0629.jpg7月のスーパー!ドラマTVは「LAW & ORDER: 犯罪心理捜査班 シーズン3」に注目したいが、本家「LAW & ORDER」を含む“LAW & ORDER”サーガにもあらためて注目したい。全米でもそうした機運は盛り上がっている。本家「LAW & ORDER」は2010年、20シーズンものロングランに幕を下ろしたが、全米TV史的には同じく20シーズン続いた西部劇「ローハイド」に並んだという位置付けで、「LAW & ORDER」の関係者には“もっと行けた”という思いがあったのかも。

そこで「LAW & ORDER」を放送した全米NBCは今年、全10話のシーズン21を企画中と発表し、ジャック・マッコイ役のサム・ウォーターストンも大歓迎とコメント。ロバート・ダースト事件という具体的なモデルもあるとか。また、クロスオーバーというと今では3つの「CSI」シリーズを思い出す海外ドラマ好きが多そうだが、先行したのは「LAW & ORDER」と、同じ全米NBC系で放送された「ホミサイド/殺人捜査課」の3度のクロスオーバー。その後、3番組のクロスオーバー=トリロジーも、「CSI」シリーズに先を越されたとはいえ、2005年春の「LAW & ORDER」シーズン15と「LAW & ORDER: 犯罪心理捜査班」シーズン1のクロスオーバーに続き、「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」シーズン6と「LAW & ORDER: 犯罪心理捜査班」シーズン1のクロスオーバーも成立した(同年秋には「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」シーズン7と本家「LAW & ORDER」シーズン16もクロスオーバー)。

そして2014年、やはりロングラン中の「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」は、同じNBCの番組で全米第3の都市シカゴを舞台にした各シリーズとクロスオーバーを開始。「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」シーズン15は「CHICAGO P.D.(原題)」シーズン1とクロスオーバーし、「CHICAGO FIRE(原題)」シーズン3は「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」シーズン16や「CHICAGO P.D.(原題)」シーズン2とトリロジーを展開し、3番組は第2のトリロジーも展開。いまだに続く“LAW & ORDER”旋風にびっくりだ。

 

【アメリカTVライター 池田敏 2015/06/29】

Vol.122 ついにジェーンとレッド・ジョンの戦いに終止符が!? 今からでも追いつきたい「メンタリスト シーズン6」

mentalist6_tate_column250.jpg6月のスーパー!ドラマTVの目玉は「メンタリスト シーズン6」だ。われらがジェーンサイモン・ベイカー)と宿敵の殺人鬼レッド・ジョンの戦いにようやく終止符が打たれるという。

シーズン5(まとめて再放送あり)の最終話、レッド・ジョンの正体の候補を7人に絞り込んだジェーンだが、レッド・ジョンのある行動にあらためて驚かされた。実は7人は過去のエピソードの印象深いゲスト・キャラばかりで、筆者は「えっ、あの人とかあの人までレッド・ジョンなのかもしれないの!?」と驚愕し、戦慄もした。

そして新シーズン、最初の数話を先に拝見したが、ジェーンを含むCBIは期待通りに7人のマークを開始し、筆者はドキドキしっ放しになった。すでに放送中の特報CMで、顔にスマイルマークを描かれたリズボンというショッキングなカットが見られるが、レッド・ジョンによってジェーン以外にも危機は訪れる。

一方、CBI内部の人間関係にはハッピーな展開もあり、殺伐としたムード一辺倒にならないところが「メンタリスト」は優れている。ちなみにシーズン7の「メンタリスト」は、番組内容に大きな変更がある。クリエイターのブルーノ・ヘラーはシーズン1~6で常に第1話と最終話の脚本を担当してきたが、シーズン7では最終話の脚本を他のライターと書いただけだ。つまりヘラーとしては、シーズン6はやり切れるところまでとことんやり切ったということだろう。シーズン6は「メンタリスト」の正真正銘のクライマックスなのかもしれない。

番組をこれまで見ていなかった人や途中まで見ていた人が、新たにこのシーズン6から見始めてもOKとあえて言ってしまおう。また、放送開始に先立って6/17(水)22:00ほかで放送される「メンタリスト 完全攻略SP」も楽しみ。ナビゲーターは先日Twitterで“「メンタリスト」は面白い”とツイートなさっていた水道橋博士さんと、高樹千佳子さん。


 

【アメリカTVライター 池田敏 2015/05/28】

Vol.121 まるで"米ドラマ界の「アベンジャーズ」"? 「SCORPION/スコーピオン」は面白い!!

scorpion_tate_column250_0424.jpg5月のスーパー!ドラマTVの目玉は日本初上陸の新番組「SCORPION/スコーピオン」。今年見た海外ドラマで痛快度が最も高く、第1話を見終えた筆者の口から、「あー、面白かった!」という言葉が飛び出たほど。さらに数話を見たが、いずれも楽しめた。

4人のIQの合計が700もある天才集団が、国土安全保障省に協力してテロや大型犯罪に挑んでいく一話完結形式のドラマだが、サスペンス、アクション、コメディ、人間ドラマと、多彩な見どころが毎回ぎっしりだ。まず4人は天才だが、だからかいずれも人間的にどこか欠けているのがユニーク。今年は映画「アベンジャーズ」の続編が話題だが、これは筆者の妄想だが、「メンタリスト」「名探偵モンク」の主人公と「クリミナル・マインド」のドクター・リードガルシアを集めたらこうなりそうな、“米ドラマ界の「アベンジャーズ」”的なムードが「SCORPION/スコーピオン」にはある。自分は天才ではないが天才の息子がいる優しいシングルマザー、ペイジ(「SMASH/スマッシュ」のキャサリン・マクフィー)がチームの交渉役になる設定も絶妙。

またこのドラマ、映画ファンも要注目なのは、第1話をジャスティン・リンが監督していること。映画「ワイルド・スピード」シリーズ第3~6作に続いて映画版「スター・トレック」第3作も手掛ける売れっ子だが、これらと「SCORPION/スコーピオン」には迫真のアクションと登場人物たちのチームワークという共通項がある。リン監督は見る者がまるで自分もチームにいて、いっしょに冒険を体験していると感じさせる名手だ。第1話のクライマックスのスケールにもびっくり。笑ってしまったのは第1話の冒頭の、これは「実話を基にした物語」というテロップ。エリス・ガベル演じる主人公ウォルター・オブライエンは確かに実在する人物だが、こんなに凄い事件が本当にあったのかと見る者を煙に巻く手つきもいい。シーズン2が即決まったのも納得だ。

 

 

【アメリカTVライター 池田敏 2015/04/24】

池田敏
海外ドラマ評論家。海外ドラマのビギナーからマニアまで楽しめる初の新書「『今』こそ見るべき海外ドラマ」 (星海社新書) 発売中。

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