海外ドラマスペシャルコラム

アメリカTVのスペシャリストがドラマの魅力や見どころを語ります!

Vol.24 ファン必見のエピソード&話題満載の「ERⅣ 緊急救命室(シーズン6)」

Super! drama TVが4月6日からCS初放送する「ERⅥ 緊急救命室(シーズン6)」。前シーズンでご存知の通り、番組開始以来の人気キャラ、ロス(ジョージ・クルーニー)がERを去り、悲しんだファンは多いだろう。だが、このシーズン6、ロスが抜けて空いた大きな穴を、これまでのキャラたちに大きな見せ場を作りつつ、個性的な新キャラや意表を突くゲストを投入することでしっかりと埋める豪腕は、さすが「ER」だ。5人もの新キャラが登場し、3人の旧キャラが去る、激動のシーズンでもある。新キャラの1人はロスに代わるセクシー担当(?)というべきハンサムな内科医、ルカ・コバッチュ。演じるゴラン・ヴィシュニックに筆者はインタビューしたことがあるが、別の外国の記者はヴィシュニックに「どうしてそんなに英語が上手なの?」と質問していた。彼はクロアチア出身なのに、後にアニメ映画「アイス・エイジ」でサーベルタイガーのソトの声を演じるほど英語が上手。この時は確か、「昔一所懸命勉強したのがよかったかな」と答えていた記憶があるが、環境保護運動にも参加する情熱家のヴィシュニック、実は英語も努力の賜物ではないか。語学といえば第6シーズンで久々に登場するジン・メイ・チェン(第1シーズンではデブ・チェンと呼ばれていた)役のミン=ナもマカオ出身で、4歳の時に米国へ移住。それで、やはりアニメ「ムーラン」「ファイナル・ファンタジー」で主役の声を演じたほどだから英語は達者……などなど話が幾らでも脱線できるほど話題豊富な「ER」。特にシーズン6は、ロスの子供(しかも双子!)を妊娠しているハサウェイ(ジュリアナ・マルグリーズ)にミラクルな出来事が起きる一方、哀しい事件でERを去る者もいる(このエピソードは地上波でも未放送!)というように、ファンなら見逃せない(若しくはもう1度見たい)エピソードを満載。春の到来にふさわしい、嬉しいスタートだ。

【アメリカTVライター 池田敏 2007/03/20】

Vol.23 シンプルでも米TVドラマの流行を押さえた  感動作「エバーウッド 遥かなるコロラド」

Super! drama TVが3月7日からCS初放送を開始する「エバーウッド 遥かなるコロラド」。大都会NYから州全体の平均標高が全米一高い州、コロラドに引っ越して再出発する父親アンディ(筆者のような中年の映画ファンだと1980年前後に「ヘアー」「1941」「プリンス・オブ・シティ」などの映画で売れっ子若手俳優だったのが懐かしいトリート・ウィリアムズ)と子供2人という3人父子の絆を描く、シンプルな筋立ての感動作だ。そんな基本設定から“アメリカ版の「北の国から」!?”とつい思ってしまうが、きちんと物語を見渡せば近年の米国のTVドラマの流行の数々を押さえた、見どころの多い作品であることが分かる。まず地方が舞台の脱都会型ドラマといえば1990年代の「ノーザン・エクスポージャー(たどりつけばアラスカ)」に始まり、「ドーソンズ・クリーク」(本作を企画したグレッグ・バーランティはこの番組の脚本家出身)、「プロビデンス」や、現在全米で人気の青春ドラマ“One Tree Hill”(東海岸のノースカロライナ州が舞台)とコンスタントに佳作が作られている分野。都会のように大事件は起きにくいが、等身大の人間を見つめる舞台にはうってつけで、そこは前出の日本のドラマ「北の国から」と共通しているかも。また、同じく90年代以降の流行というと、本作は青春ドラマの色合いも濃い。アンディの息子、エフラム(グレゴリー・スミス)は高校生で、父親のライバルの医師のチャーミングな娘、エイミー(エミリー・ヴァンキャンプ)と仲良くなるが、2人や彼らの周囲の人間関係はまさしく青春群像ドラマに他ならない(若者向けドラマに強い全米WB系のドラマらしい!)。一方、アンディが脳外科医ということで、本作には「ER」等のような医療ドラマの要素もある。だが何より本作には家族の絆という普遍的なテーマがあり、Super! drama TVでのオンエアは、ぜひ家族揃って楽しんでみてはどうだろうか。

【アメリカTVライター 池田敏 2007/02/26】

Vol.22 「ベティ~愛と裏切りの秘書室」リメイク版 ゴールデングローブ賞受賞でダブル受賞!

Super! drama TVが日本初放送し、現在はアンコール放送中であるコロンビア産テレノベラ「ベティ~愛と裏切りの秘書室」。その米国リメイク版“Ugly Betty”が昨秋、全米ABCネットワークで開始。早くも爆発的人気を獲得しているのを、ご存知の人も多いはず。1月15日、エミー賞と並ぶ全米TV界の権威、ゴールデングローブ賞の第64回授賞式が開かれたが、そのTV部門で“Ugly Betty”は、何とミュージカル/コメディ・シリーズ作品賞と同主演女優賞をダブル制覇する快挙を達成! 今年の話題のひとつとなっている。筆者は授賞式の中継をまだ見ていないが、ネットで向こうのメディアの報道を調べてみると、どうやら受賞シーンが盛り上がったのは、ハリウッドのニュー・スター誕生の瞬間となった後者らしい。米国版ベティを熱演し、放送3か月で主演女優賞に輝いたアメリカ・フェレーラ(映画『旅するジーンズと16歳の夏』でもおなじみ)は受賞を知った直後、「TVにとって本当に“新しい顔(新番組のヒロインであるベティとそのサエない外見の両方をさす)”を持つ主人公を認めてくださって、本当にありがとうございました”とコメント。そして「(ベティと同じように)サエなくても価値があって愛らしい、若い女の子たち」にエールを送ると、会場中で温かい拍手が起きたという。「フェリシティの青春」のケリー・ラッセル(映画『M:i:III』はファン必見!)、「エイリアス」のジェニファー・ガーナーなど、明日のスターの先物買いには定評があるゴールデングローブ賞。今回は、アメリカというユニークな名前を持つ若手女優に飛躍のチャンスを与えたといったところか。“Ugly Betty”は日本放送予定がまだないが、気になる人はSuper! drama TVで「ベティ~愛と裏切りの秘書室」とその続編「エコモダ~愛と情熱の社長室」をチェックして、いずれ日本上陸するはずの“Betty”ブームを先行体験しておいては!?


【アメリカTVライター 池田敏 2007/01/22】

Vol.21 全米ではSF専門チャンネルで放送された ノンストップ・サスペンス「5デイズ」!

Super! drama TVが1月5日から毎週金曜夜10時00分~に放送するミニ・シリーズ「5デイズ」。24時間を使って24時間の物語を描く「24」ほどリアルタイム性を追求していないとはいえ、5日続く物語を全5話で1日ずつ描くノンストップ・サスペンスだ。主人公の物理学者ニューメイヤー(ティモシー・ハットン)は、妻が眠る墓地で謎のアタッシュケースを発見。中からは警察の調書など、彼が5日後に殺されることを示す品々が! かくしてニューメイヤーは5日後のタイムリミットまで、自分が殺されるのを阻止しようと奔走する……。サスペンス・ファンの期待を裏切らない作品だが、5日後の未来と現代を結ぶファンタジーでもある。このドラマを全米放送したのはSci-Fiチャンネル(サイ=ファイ・チャンネル)。SFやファンタジーの専門局で、1992年に全米USAネットワークの姉妹局として開局し、今やイギリス、フランス、ドイツ、スペインにも進出。「スタートレック」サーガは一年中やっているし(まるでSuper! drama TV?=笑)、「ミステリーゾーン」のようなクラシックから「スターゲイト」のような新作まで幅広くSFドラマをオンエア。そう書くとオタクっぽいと思われるかもしれないが、大物監督が製作総指揮した「スティーヴン・スピルバーグ/TAKEN」はエミー賞のミニ・シリーズ作品賞を制し、日本ではパイロット版しかDVDが発売されていないのが残念な「バトルスター ギャラクティカ」(「宇宙空母ギャラクチカ」のリメイク)も好評。しかも2006年には米TV界の有力コンテンツであるプロレスのWWEの1つ、ECWの中継も開始。米TV界にとって重要なチャンネルになっている。製作開始が全米放送の半年前に発表された大作「5デイズ」、製作総指揮のデイヴィッド・カーシュナーは「ヒッチコックとSFという2つの要素をブレンドした」といい、その通りの娯楽編に仕上がった。Super! drama TVでの放送もお楽しみに!


【アメリカTVライター 池田敏 2006/12/22】

Vol.20 「ザ・ホワイトハウス3」の名優 マーティン・シーンをまた語ろう

Super! drama TVが12月17日から毎週日曜夜11時00分~に第3シーズンをCS初放送する「ザ・ホワイトハウス」。バートレット大統領役のマーティン・シーンに関してはこのコラムのvol.1でも書いたが、まだ書き足りないほどの存在なのでまた取り上げよう。有名だが、「ザ・ホワイトハウス」はパイロット版(第1話)の収録が終わった時点でも、大統領を登場させる予定はなかったという。クリエイターのアーロン・ソーキンは「大統領を出すつもりは、まったく無かった。大統領がいたら、その場の酸素を全部吸い取っちゃいそうだからね。それに(脚本を書いた)映画『アメリカン・プレジデント』と同じことをするつもりも無かった。でも、このドラマに大統領がいないのは単純に寂しいし、馬鹿げているって考え直したんだ」といい、少ない出番(1シーズンあたり4話とか月イチなど諸説あり)だったバートレットの登場を増やしたという。それが正解だったのは、番組のファンはもうご存知の通り。残念ながら本国では06年5月、第7シーズンで終了してしまった「ザ・ホワイトハウス」だが、主演ドラマの終了と共に消えてしまうスターが多い中、シーンはレオナルド・ディカプリオ主演&マーティン・スコセッシ監督で香港映画「インファナル・アフェア」をリメイクした話題の映画「ディパーテッド」(来年正月第2弾公開予定)に、ボストン市警のクイーナン役で出演している。筆者はこの映画、まだ未見だが、話題作にシーンが出演していると知ってまずはひと安心。もっとも、各映画賞の助演男優賞は共演のジャック・ニコルソンのほうが有力という噂だ。そういえば「ザ・ホワイトハウス」に第6シーズンから出演するアラン・アルダも、スコセッシの「アビエイター」でアカデミー助演男優賞にノミネートされたのに受賞を逃したんだよなぁ……。それでも映画の大きなスクリーンでシーンと再会できる日が、今から楽しみなのである。


【アメリカTVライター 池田敏 2006/11/22】

Vol.19 一流のキャスト・スタッフが集結した秀作!「ジョージ・ウォレス アラバマの反逆者」

一流のキャスト・スタッフが集結した秀作! 「ジョージ・ウォレス アラバマの反逆者」  高品質番組が多い米国のHBOチャンネルは新作の宣伝のため、NYやLAなどの大都市でビルボード(ビルの上にあったり壁にかかっている看板)を使い、まるで映画のように派手な宣伝を仕掛ける。今春、筆者がLAで看板をよく見かけた「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~」も、結局エミー賞で今年最多の9部門を受賞した。「ザ・ソプラノズ」などのシリーズに限らず、ミニ・シリーズ(「バンド・オブ・ブラザース」「エンジェルス・イン・アメリカ」など)やTVムービーにも力を入れるHBOはご存知の通り各TV賞の常連だが、Super! drama TVが11月3日昼3:00に放送する「ジョージ・ウォレス アラバマの反逆者」は、HBOが1997年8月に放送。エミー賞でミニ・シリーズ/TVムービー監督賞など3部門を、ゴールデン・グローブ賞でミニ・シリーズ/TVムービー作品賞と同助演女優賞(アンジェリーナ・ジョリー)の2部門に輝いた秀作だ。アラバマ州知事の座を経て大統領をめざしながら、1972年、暗殺者に撃たれたジョージ・ウォレス(「アポロ13」やTV「CSI:ニューヨーク」のゲーリー・シニーズ)。政治的野心のため人種差別政策を肯定するなど、史上最も恥ずべき政治家と呼ばれつつ、あのJFKのライバルになった影の大物だが、その謎と波乱にみちた半生を再現した、見応え満点の前後編ドラマが本作だ。「ウォレスは現代のファウストさ。悪魔に魂を売った悲劇のヒーローだ」と語ったのは「影なき狙撃者」「フレンチ・コネクション2」などの名匠、故ジョン・フランケンハイマー監督。ウォレスに扮した演技派シニーズも、当時まだほとんど無名だったジョリーも、本作でエミー賞を受賞した実力派女優メア・ウィニンガムも、いずれも熱演。だが何より、スキャンダラスなウォレスを、あえて時代の証人として取り上げた勇気こそ、HBOならではの底力だ。ちなみに本作、ビデオ未発売の貴重作でもある。

【アメリカTVライター 池田敏 2006/10/25】

Vol.18 全米が絶賛した傑作「ザ・ソプラノズ」は 番組を生んだ名クリエイターがモデル!?

Super! drama TVが10月1日夜8:00に第1話を先行プレミア放送し(CS初登場)、11月からレギュラー放送する話題の秀作ドラマ「ザ・ソプラノズ」。マフィアのボスなのに仕事と家庭の両方でストレスをためた主人公、トニー・ソプラノ(ジェームズ・ギャンドルフィーニ)が、精神分析医のセラピーに通いはじめるというユニークな基本設定。だがそこに抑圧やストレスと戦う現代人の姿を重ね、大人が思わず共感してしまう快作である。そんなトニーのモデルの一人は、実は番組を企画・製作総指揮するクリエイター/プロデューサーのデイヴィッド・チェイスだ。1945年生まれのチェイスは70年代にTV脚本家となり、「事件記者コルチャック」(有名だがあの「X-ファイル」の原点の一つ)や「ロックフォードの事件メモ」に参加したが、そんな70年代前半にみずからセラピーに通った経験が「ザ・ソプラノズ」の着想につながった。彼はその時TVプロデューサーとその母親を描くドラマを思いついたが、TVプロデューサーよりもマフィアのほうが面白いと考え直した。ちなみにチェイスの母親の名前もトニーの母親と同じくリディアだ。彼は最初、ロバート・デ・ニーロ(「ザ・ソプラノズ」と似たアイディアである映画「アナライズ・ミー」に主演しているのは偶然か)とアン・バンクロフトが息子と母親を演じる映画にしようとしたが、HBO(後に「SEX AND THE CITY」「ラリーのミッドライフ★クライシス」などを全米放送)に売り込むことに成功し、「ザ・ソプラノズ」は始動した。そして、成人向け番組に指定されるなどTVの常識を破壊した「ザ・ソプラノズ」だが、04年にケーブルTV向けドラマとして史上初めてエミー賞のドラマ・シリーズ作品賞に輝く栄誉をなしとげた。普遍的なテーマが評価された「ザ・ソプラノズ」だが、その原点はまったく正反対でパーソナルだったことは、ファンならぜひ憶えておきたい予備知識である。

【アメリカTVライター 池田敏 2006/09/20】

Vol.17 第58回エミー賞で「ザ・ホワイトハウス」が歴史的大記録を樹立!

米TV界最大の権威、第58回エミー賞の授賞式が8月27日、LAで開かれた。一般的には「24」とその主演、キーファー・サザーランドの初受賞で盛り上がったようだが、実はSuper! drama TVでも人気の政界ヒューマン・ドラマ「ザ・ホワイトハウス」(NBC)が、歴史的大記録を樹立したことも記憶すべき年となった。アラン・アルダ(第6シーズンからヴィニック上院議員を演じている。なおアカデミー賞にノミネートされた「アビエイター」での役どころも上院議員だった)がドラマ・シリーズ助演男優賞に輝いたことで、このドラマはこの7年間で26個目(先がける8月19日に発表された技術部門方面でシリーズ/スペシャル・マルチカメラ録音賞に輝いたのは25個目)のエミー像を獲得したことになるが、コメディを除く1時間ドラマとしてエミー賞に輝いた回数が、81~87年全米放送の名作「ヒルストリート・ブルース」と並ぶ史上最多タイ記録となったのだ。ちなみに「ヒルストリート・ブルース」の26度目の受賞は1985年(ルーシー・ベイツ役のベティ・トーマスがドラマ・シリーズ助演女優賞を受賞)だったので、21年ぶりのタイ記録達成だ。只、残念ながら「ザ・ホワイトハウス」は今年第7シーズンで全米放送が終了したので記録更新は難しく、これから単独史上最多記録を樹立するのは難しそうだ。vol.16のコラムで筆者は、「ザ・ホワイトハウス」が5度目のドラマ・シリーズ作品賞に輝けば同部門の単独史上最多受賞記録になると書いたが、惜しくもそれは実現しなかった。とはいえ、傑作が幕を下ろすという時に史上最多タイ記録を与えた米TV業界の人々は、やはり「ザ・ホワイトハウス」を愛していたんだなと思う。この大記録が抜かされるのが10年後か20年後か、それとも半世紀後か来世紀なのかは知る由もないが、「ザ・ホワイトハウス」がその名を米TV史に大きく刻んだのは、今回のエミー賞の大事な見どころだったのである。

【アメリカTVライター 池田敏 2006/08/28】

Vol.16 “TV界のアカデミー賞”第58回エミー賞 Super! drama TVの人気ドラマも候補に!

アメリカTV界最大のイベント、第58回エミー賞の授賞式が8月27日(現地時間)、ロサンジェルスのシュライン・オーディトリアムで開かれるが、今年もSuper! drama TVでおなじみの秀作が各部門に食い込んでいる。8月25日からSuper! drama TVがシーズン3を放送する「シックス・フィート・アンダー」は9ノミネート。番組生みの親であるアラン・ボールがファイナル・エピソードの演出でドラマ・シリーズ監督賞にノミネートされたのがファンには嬉しい。同じく8月25日からシーズン3を放送する「ラリーのミッドライフ★クライシス」は、コメディ・シリーズ作品賞含む5個のノミネート。「ザ・ホワイトハウス」は6個のノミネートだが、5度目のドラマ・シリーズ作品賞に輝けば、何と「ヒルストリートブルース」「LA・ロー」を超える史上最多受賞記録に! 惜しくも本国では今年番組が終了したため、記録達成は今回がラストチャンス。本作での6回目のノミネートを受けたマーティン・シーンも、今年こそはドラマ・シリーズ主演男優賞が欲しいはず。また「ER」初期を盛り上げたミミ・レダー監督が「ザ・ホワイトハウス」を初演出したエピソードがドラマ・シリーズ監督賞にノミネートされたのも要注目。チャンネル別では「シックス・フィート・アンダー」「ラリーのミッドライフ★クライシス」「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」(7ノミネート)などの常連や、ヘレン・ミレン主演のTVムービー「Elizabeth I」(日本未放送/13ノミネート)、全12話に1億ドルの製作費を注いだ大作「Rome」(日本未放送/8ノミネート)などを全米放送したHBOが、計95個で今年も最多ノミネート。作品賞・俳優賞方面の各部門で選出方法が変わり(大雑把にいうと得票数以外の検討要素が増えた)、傾向が変わったといわれる今年のエミー賞だが、ここで挙げた各番組は変化を物ともせず高い評価をキープしているのはさすがである。

【アメリカTVライター 池田敏 2006/07/25】

Vol.15 「 ビバヒル」に続く最新ヒット作「The OC」 全米で発行されている“番組専門誌”って!?

Super! drama TV が7月15日から日本初放送する「The OC」。高級住宅街で暮らす若者たちの恋や苦悩をファッショナブル&センセーショナルに描き、“第2の《ビバヒル》”と呼ばれる全米最新ヒット・ドラマだ。ロサンジェルス(LA)には10回ほど行っている筆者だが、縁がなくてディズニーランドや大リーグのエンジェルスの球場(いずれも「The OC」の舞台であるオレンジ・カウンティ=OCの名所)に行ったことがなかったが、今年4月中旬、仕事でLAに飛んだ機に、OCのニューポート・ビーチに行ってみた。予習はしたが、車でLAから小一時間という情報は、フリーウェイ(高速道路)で渋滞に遭遇するかどうかがカギ!? この日は2時間近くかかった。渋滞が多いLA国際空港近くのフリーウェイ405号線を使ったのが敗因か。とはいえ、辿り着いたニューポートは美しく、丘の上には豪邸が並び(「The OC」の設定上の舞台はこの辺か)、海辺にはヴェニス・ビーチを静かにしたような快適な住宅街があり、人気ドラマにぴったりな土地だと確認。ロデオ・ドライブのような高級店街は見かけなかったが、美しい土地で暮らすことこそが最高のおしゃれではないかと思った。さて、そんなLAで立ち寄った書店で「The OC Insider」なる“番組専門誌”(LA在住の橋本氏の「OC通信」でも存在が紹介されていた)を購入。キャストが番組の内外のパーティーやレッドカーペットで着た服の紹介から、サマーの家のセットの解説、番組に登場するジュエリーのデザイナーへのインタビューまで、内容盛りだくさん。しかし華やかな記事だけでなく、プロデューサーや監督など番組の裏方にもきちんと取材していたことに感心。イアン・トイントン監督(「24」にも参加)は、妻も番組を見ているが、自分はというと平日は収録に毎日18時間もかけ、週末は脚本をチェックするという苦労話を披露。番組を多角的に楽しめる、なかなか気の利いた情報誌だ。

【アメリカTVライター 池田敏 2006/06/25】

Vol.14 TVドラマや映画を越えた巨大プロジェクト「エンジェルス・イン・アメリカ」実現まで

スーパーチャンネルが6月10日から放送する「エンジェルス・イン・アメリカ」は、全米HBOで2003年12月に放送され、約1か月後に発表されたゴールデングローブ賞で5部門(この賞で1本のドラマが受賞できる最多部門数)を独占し、04年秋のエミー賞で史上最多タイ記録の11部門受賞をはたした、新たなる名作だ。映画「卒業」の巨匠マイク・ニコルズが監督し、アル・パチーノ、メリル・ストリープ、エマ・トンプソンなど、アカデミー賞に輝く名優たちが勢揃いした、TVや映画を超える巨大プロジェクトである。原作はトニー・クシュナー(後にスピルバーグの「ミュンヘン」の脚本に参加)の戯曲で、ニコルズと共に製作総指揮をつとめるケイリー・ブロカウは、原作がまだ第1部しか発表されていない時点でクシュナーと接触し、映画化を企画。ブロカウが最初に出演交渉したのは大物俳優パチーノ。以後、パチーノは数か月に1度、ブロカウと連絡を取り合うほど意欲を燃やした。実はブロカウとクシュナーは最初、映画監督ロバート・アルトマンに演出を頼んだがスケジュールが合わず、同性愛やエイズを取り上げた企画自体に、映画会社が及び腰に。しかし「フィラデルフィア」などの映画、「ウィル&グレイス」などのTV、映画化もされたブロードウェイ劇「プロデューサーズ」などの舞台で同性愛に対する抵抗が減ったため、再び映像化が動き出す。そして2001年のHBOのTVムービー「エマ・トンプソンのウィット/命の詩」でブロカウと組んだニコルズ監督が大いに関心を持つ。監督は、登場人物のエイズ患者たちが見る夢のパート(天使が現れる)を特に面白いと感じた。「ウィット」に主演したトンプソンや名女優ストリープも出演を快諾し、こうしてTVでありながら同性愛も題材にでき、計6時間強の長さ(舞台版は7時間あった)も可能な野心的チャンネル、HBOで映像化されたのだ。魂を打つ力作、ぜひお見逃しなく!

【アメリカTVライター 池田敏 2006/05/20】

Vol.13 ついに日本上陸する話題のドラマ「The OC」 史上最年少の番組クリエイターにも要注目!

スーパーチャンネルが5月27日に第1&2話を先行プレミア放送し(特番も放送)、7月から独占日本初放送する超話題のドラマ「The OC」。何といっても注目の的は、超美形のミーシャ・バートンらフレッシュなキャストだが、番組を企画し、一躍米TV界の寵児になった新鋭ジョシュ・シュワルツも、クローズアップしたい存在だ。1976年8月6日生まれで、番組の全米放送が始まった2003年8月5日の翌日、27歳になったシュワルツは、「The OC」によって1時間ドラマを企画した史上最年少のクリエイターとなった。父親によれば、8歳で娯楽産業で働く将来を考え出したシュワルツは、小中高校時代から学校の演劇に情熱を注ぐ、活発な少年だったという。ジョージ・ルーカスら名監督を生んでいる南カリフォルニア大学に入学したシュワルツは、3年生の頃から映画・TVの脚本をハリウッドに売り込むように。そして自身の高校時代をモデルにし、全米ABCから新番組として採用された青春ドラマ“Brookfield”でプロ脚本家デビュー。しかしこの作品、パイロット版しか製作されず、続く“Wall to Wall Records”もパイロット版のみの製作で終わった。一見順調なキャリアを歩んできたシュワルツだが、ここで恐らく耐えることを学んだはず。そして2002年、米国の業界紙は、マックG(映画「チャーリーズ・エンジェル」シリーズの監督)とダグ・リーマン(「ボーン・アイデンティティー」「Mr. & Mrs.スミス」の監督。「The OC」第1&2話も監督)が製作総指揮するTVシリーズのプロジェクトを報じた。それがシュワルツの会心作「The OC」だった。「The OC」は全米の若いファンの心をつかみ、たちまち人気ドラマに仲間入り。若きクリエイター、シュワルツにも全米から視線が注がれるようになる。そんなシュワルツ、初めて監督・脚本をつとめる映画“Looking for Alaska”が2006年完成予定と、ますます目が離せない存在になっている。

【アメリカTVライター 池田敏 2006/04/20】

池田敏
海外ドラマ評論家。海外ドラマのビギナーからマニアまで楽しめる初の新書「『今』こそ見るべき海外ドラマ」 (星海社新書) 発売中。

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