海外ドラマスペシャルコラム

アメリカTVのスペシャリストがドラマの魅力や見どころを語ります!

Vol.153 前シーズンで"帝国"を失ったレッドの再生が新たな謎に。名撮影所にも注目したい『ブラックリスト シーズン5』

BLACKLISTs5_column250_1225.jpg2018年1月のスーパー!ドラマTVの目玉は『ブラックリスト』シーズン5の独占日本初放送開始。前シーズン最後、DNA検査でレッド(ジェームズ・スペイダー)とリズ(メーガン・ブーン)が父子だとついに明かされた。これを知って筆者は“最大の謎を明かして物語を続けられるのか?”と心配したが、シーズン5冒頭の数話を見て杞憂で済んだと安心。

『ブラックリスト』は他にも謎が多く、レッドがどうやって自身の“帝国”を築いたかもだった。前シーズンで“帝国”を失ったレッドは新シーズン、再び“帝国”を築こうと行動を起こすが、その方法が予測不能でファンは思わず興奮だろう。高級ホテルが当たり前だったレッドが、しょぼいモーテルに移り住むのもユーモラス。つまりレッド×リズの関係に替わり、レッドの再生が新たな謎になる。スピンオフの『ブラックリスト リデンプション』の撮影のため、シーズン4で不在が多かったトム(ライアン・エッゴールド)が復帰するのも朗報。キャプランが遺したスーツケースも新たな謎で、その解明でトムは活躍しそうだ。

相変わらず見どころ満載の『ブラックリスト』だが、新キャラ2人を演じる、マイケル・アロノフとアイダ・タートゥーロも要注目。アロノフは番組参加直前、第71回トニー賞を受賞し、タートゥーロは実力派男優ジョンの従妹で、『ザ・ソプラノズ」のトニーの妹ジャニス役でおなじみ。そう、本作はゲスト俳優も充実している。これは本作がニューヨークのシルバーカップ・スタジオを中心に収録していることと密接だ。つまり演劇の中心地ブロードウェイから、実力ある俳優を起用できるのだ。ちなみにこの撮影所(クィーンズ地区など複数あるが)は『ザ・ソプラノズ』『SEX AND THE CITY』『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』なども収録。層の厚い俳優陣に支えられた撮影所で新たに生まれたヒット作、しばらく目が離せない。



 

 

【アメリカTVライター 池田敏 2017/12/27】

Vol.152 "罪"を背負ったキャラたちの運命から目が離せない!期待のスピンオフ「ブラックリスト リデンプション」

TBLREDEMPTION_column250_1130.jpg12月のスーパー!ドラマTVの目玉は「ブラックリスト」のスピンオフ「ブラックリスト リデンプション」の独占日本初放送開始だ。

来年1月からシーズン5が独占日本初放送される「ブラックリスト」でおなじみ、トム・キーン(ライアン・エッゴールド)と「ブラックリスト」シーズン3のゲストキャラ、スコティー(ファムケ・ヤンセン)を中心人物とし、スコティーが経営する民間警備会社ハルシオン・イージスのチームは次々と難事件に挑む。

「ブラックリスト」はFBI(米連邦捜査局)中心で、“ケース(事件)”が重要だったが、ハルシオンにとっては合衆国政府が様々な理由から関与できない“ミッション(任務)”が重要。「ブラックリスト」が基本は警察ドラマだったのに対し、「ブラックリスト リデンプション」はやはりスパイドラマ、より具体的には名作「スパイ大作戦」のようなトラブルシューティング系アクションサスペンスの色が濃く、リーダーのスコティーらエキスパートたちのチームワークが見もので、そこは本家の「ブラックリスト」との差別化が出来ている。

しかし、基本的に各話にオチがある一話完結形式でありながら連続ドラマの要素もあり、必ず次のエピソードも見たくなる点も同じで、「ブラックリスト」譲りの面白さも満載。本作で最も重要な連続ドラマ要素は、“女性版レッド”のようなスコティーがトムの母親(まだひょっとして異なる可能性も?)なのにそれを知らず、トムがスコティーは母親だと思っている点。「ブラックリスト」シーズン4の最後で明かされたレッドとエリザベスの関係と対をなす。

“リデンプション”は“贖罪”を意味するが、本作の登場人物陣も、いずれも多かれ少なかれ、“罪”を背負っている。トムの父親だと名乗り出た男性を演じる俳優が、過去・現在・未来が交錯した「LOST」のテリー・オクィンというのは偶然ではないだろう。予測不可能かつスリリングな“贖罪”をぜひ見届けたい。


 

【アメリカTVライター 池田敏 2017/11/30】

Vol.151 全米TV界の伝説的クリエイターのDNAはいまだ健在!「MURDER IN THE FIRST/第1級殺人」

MuderInTheFirst_column250_1030.jpg11月のスーパー!ドラマTVの目玉は、日本初放送の『MURDER IN THE FIRST/第1級殺人』。実は一足お先に全10話をイッキ見したほど面白く、ぜひお薦めしたい。

複数の殺人事件でハイテク企業のカリスマ的な経営者エリック(映画『ハリー・ポッター』シリーズでドラコ役を演じたトム・フェルトン)の関与が疑われる。正直にいって第1話の前半は、登場人物や状況の説明に終わるのが惜しいが、後半に入ってエリックが意外な素顔を見せ始めてからぐっと緊張感が高まる。各話で必ず驚愕の事実が判明するのも楽しいが、真相を追う刑事・検事たちもエリックを守ろうとする弁護士たちも行動がリアルに描かれ、これは高品質の犯罪ミステリーだ。

番組を企画し、全話で原案担当にクレジットされているのは全米TV界の伝説的クリエイター、スティーヴン・ボチコ。警察ドラマ『ヒル・ストリート・ブルース』『NYPDブルー』、弁護士ドラマ『LA・ロー』は米国ドラマ史上の名作だが、本作が全米放送された時点で71歳だった大ベテランが得意の2大ジャンルで復活した。第2話などを監督したのはスティーヴンの息子ジェシー・ボチコ。『ヒル・ストリート・ブルース』で複数のストーリーが並行して展開する“モジュラー型”を“職業ドラマ”で成功させたのが父ボチコの功績だが、そんな父のDNAを息子も受け継いだかのような安定感がある。

個人的にはキャストも見もので、『ビバリーヒルズ青春白書』の頃よりさらに美貌に磨きをかけたキャスリーン・ロバートソン、『アリー my Love』シーズン4でセクシーだったテイ・ディグス、『ザ・ホワイトハウス』が素晴らしかったリチャード・シフ、『THE EVENT/イベント』『HAWAII FIVE-0』のイアン・アンソニー・デイル、映画『ベイブ』のジェームズ・クロムウェルと、まさに外れなしというべき布陣。舞台となるサンフランシスコも魅力的と、見どころを満載した秀作だ。


 

【アメリカTVライター 池田敏 2017/10/30】

Vol.150 ノルウェー産秀作サスペンスを米国でリメイクした最新作『EYEWITNESS/目撃者』が上陸!

eyewitness_column250_0929.jpg10月のスーパー!ドラマTVの目玉は、日本初放送の『EYEWITNESS/目撃者』だ。

ノルウェーで作られたサスペンスドラマの米国リメイク版だが、実際の収録はトロントを含むカナダ・オンタリオ州で行われた。第1話の序盤、田舎の小屋で2人の少年がいちゃいちゃしていると、そこにギャング3人が男性1人を連れて現れるが、少年2人は、男性がギャング3人を射殺する異常事態を“目撃”する。

かなり分かりやすいツカミだが、それから明かされていく舞台、ニューヨーク州ダッチェス郡ティボリ(ニューヨークなのに“村”!)の人間関係が複雑で、親子や夫婦のドラマとしても、またカップルたち(BLもあり)のラブストーリーとしても密度は濃く展開。21世紀に入り、デンマーク産の「THE KILLING/キリング」、スウェーデン/デンマーク合作の「THE BRIDGE/ブリッジ」など北欧サスペンスは好調で、これらはいずれも米国リメイク版が作られたが、本作はオリジナル版が計6話しかなかったのに計10話に拡大。

まず印象的なのは、米国のドラマなのに曇り空が多いこと。オリジナル版を生んだノルウェーに対するリスペクトを感じさせる。原点の片鱗はもう1点、このティボリという村が基本的に平和なこと。米国の犯罪ドラマは原則的に犯罪多発地帯を舞台にするか、「クリミナル・マインド」のように捜査陣が犯行現場に乗り込むか、どちらかが多いが、設定だけに着目すると、今年続編が作られて話題の『ツイン・ピークス』に近い。

しかし本作がもっと真摯に犯罪ドラマのアップデートに取り組んでいるのは、ドラッグ犯罪を重要な構成要素にしている点からも分かる。またとにかく1シーズン、全力でやり切ろうと挑んだ姿勢を評価したい。従来、米国のドラマは何年も続くことをめざしたが、こういう潔いドラマは今後増えていくのではないか。オーソドックスさと斬新さの共存に、ドラマの進化形を見た。


 

【アメリカTVライター 池田敏 2017/09/28】

Vol.149 掟破りのストーリーテリングについ圧倒される、斬新なラブサスペンス『アフェア 情事の行方』

THEAFFAIR1_column250_0829.jpg9月のスーパー!ドラマTVの個人的目玉は、チャンネル初放送の『アフェア 情事の行方』だ。それは本作が、これまでの世界中のドラマが前提としてきた、ある“ルール”を破壊し、新たな高みにたどり着いたからだ。第72回ゴールデングローブ賞TVの部でドラマシリーズ作品賞とドラマシリーズ主演女優賞を制覇したのも納得という、かなり革新的な連続ラブサスペンスなのだ。

ある事件の関係者として、ノア(ドミニク・ウエスト)アリソン(ルース・ウィルソン)という、どちらも既婚者だが不倫していたカップルが別々に警察の事情聴取を受ける。彼らが語る過去を描いた回想シーンで物語を語る構成自体はよくある手法だが、各話の前半と後半で彼らが過ごした同じ時間をそれぞれの視点から振り返る、そこが非常に斬新だ。

最も驚かされるのは、2人の記憶がかなりズレていること。ノアは初めて出会ったアリソンを、自分を誘惑してきた田舎のウェイトレスと感じたが、彼女のほうはノアを、うるさいガキどもを連れたオヤジとしか思っていない。回想が異なること自体もさほど珍しくないが、同じ出来事が男と女で異なって記憶され、しかもどちらが正しいか明確にしないというのはやはり“ルール”の破壊であり、空前絶後のストーリーテリングだ。

だが、この文章を読んでいる貴方が、夫婦のどちらかとか、長い間付き合っている恋人がいるとかなら、こうした記憶ちがい、“カップルあるある”だろう。まるで“男女の視点が異ならないはずがない”と断定するかのようで極めて大胆。『ER 緊急救命室』のモーラ・ティアニー、『FRINGE/フリンジ」』のジョシュア・ジャクソンといった共演陣がぐっと大人っぽくなったのも見もの。本作を全米放送したショータイム局は今年、最新作『ツイン・ピークス The Return」も好調。『アフェア 情事の行方』、続くシーズン2も楽しんだ筆者はぜひお薦めしたい、大人向けの秀作だ。


 

【アメリカTVライター 池田敏 2017/08/31】

Vol.148 ノア・ワイリーはやっぱりTVが似合う!『フォーリング スカイズ』シーズン4開始

FSs4_column250_0727.jpg8月のスーパー!ドラマTVのお楽しみは、チャンネル初放送の人気SFドラマ『フォーリング スカイズ』のシーズン4開始だ。

筆者は比較的、ドラマのキャストと実際に会っているが、2回以上会ったのはさすがに一部。『フォーリング スカイズ』で主人公トムを演じるノア・ワイリーもそんな一人で、彼と初めて会ったのは1999年4月に彼がカーター先生を演じた『ER 緊急救命室』の宣伝で初来日した時。インタビューの後、銀座で行われたイベント2つまで追っかけたが、三越の屋上で目が合った際、手を振ってくれて嬉しかった。

2回目は本コラムのVol.45で書いた通り、3年後にLAのワーナー撮影所でのこと。ちなみにVol.45の時点ではネタバレだったので書かなかったが、唯一会えなかった主要キャストはグリーン先生役のアンソニー・エドワーズ(降板直前でナーバスになっていたか)。ワイリーは取材後までヨーロッパのジャーナリストたちに囲まれ、『ER 緊急救命室』が世界中で人気があると実感した。だがワイリーもシーズン11で番組のレギュラーから卒業し、顔を見る機会が減った。『ER 緊急救命室』の出演料で推定年収900万ドルに到達したゆえの余裕だと解釈したが、ファンとして寂しかったのは事実だ。

しかしワイリーは2011年、『ER 緊急救命室』の仕掛け人の一人、スティーヴン・スピルバーグ監督が製作総指揮する『フォーリング スカイズ』でファンの前に帰ってきた。そして実は並行してもうひとつのプロジェクトも進めていた。『ER 緊急救命室』のシーズン11が全米放送中だった2004年のTVムービー『ライブラリアン 伝説の秘宝』で主演を務めたワイリーは、その続編『ライブラリアン キング・ソロモンの呪文』からプロデュースも担当。この『ライブラリアン』シリーズ、2014年からTVシリーズ化され、ワイリーは準レギュラー出演と製作総指揮を兼任。やっぱりTVが似合う男、ワイリー。『フォーリング スカイズ』シーズン4でもぜひその魅力を堪能したい。


 

【アメリカTVライター 池田敏 2017/07/27】

Vol.147 スーパー!ドラマTV & FOX 最強コラボ 「NCIS × NCIS: ニューオーリンズ」追跡の2時間スペシャルが楽しみ!

[SdTV]NCISNO NCIS_column250_0630.jpg7月のスーパー!ドラマTVは、筆者も大好きな「SCORPION/スコーピオン シーズン3」日本初放送に加え、「スーパー!ドラマTV & FOX 最強コラボ 『NCIS × NCIS: ニューオーリンズ』追跡の2時間スペシャル」が要注目だ。

「NCIS」第1作「NCIS ネイビー犯罪捜査班」と同第3作「NCIS: ニューオーリンズ」の“クロスオーバー”を一挙放送する。全米CBS系は2017年のバレンタインデー、前者のシーズン14第15話を東部/太平洋時間・夜8時から、後者のシーズン3第14話を同・夜10時から放送したが、日本ではスーパー!ドラマTVとFOXが大胆にもチャンネルの垣根を超えて同時放送。両番組のファンにはたまらない試みである。

世界観が共通する複数のドラマの間で登場人物が行き来するこの“クロスオーバー”、本コラムのVol.123でも取り上げたが、1990年代に全米NBC系の「LAW & ORDER」と「ホミサイド/殺人捜査課」とで本格化し、そんなNBCが各「LAW & ORDER」同士で、またCBSが「CSI: 科学捜査班」に始まるシリーズ3作間で頻繁に敢行して大反響を獲得。

そんな“クロスオーバー”、筆者はこれが今後、TVを通じて発信されるドラマシリーズにとって大きな命脈になるという気がする。今話題の動画配信サービスや全米TV界のプレミアム系チャンネル、HBOやショータイムは、“ユーザー”にひと月でも長く契約してほしいので意欲作をスケジュール的にばらして配信しがちだ。すると“クロスオーバー”は難しくなる。一方、ほぼ一年中、大勢の“視聴者”に人気番組を見せるのが義務であるTVは、ドラマのエピソード数が多いことも手伝い、“クロスオーバー”のようなお祭りが可能だ。実際、NBCで人気の「シカゴ」シリーズあたり、“クロスオーバー”が売りのように思えてならない。作り手の気合と遊び心を一度に堪能できるお祭り、“クロスオーバー”。見逃す手はないだろう。


 

【アメリカTVライター 池田敏 2017/06/30】

Vol.146 あざやかに21世紀バージョンへ進化!「MACGYVER/マクガイバー」

MACGYVER_column250_0531.jpg6月のスーパー!ドラマTVの目玉は、名作「冒険野郎マクガイバー」を四半世紀ぶりに復活させた最新作「MACGYVER/マクガイバー」の独占日本初放送開始に尽きる。

1985年から全米放送されて7シーズンも続いた「冒険野郎マクガイバー」は、かなり個性的なアクションドラマだった。特長その1は、主人公マクガイバー(後に主演した「スターゲイト SG-1」も10シーズン続くロングランを記録したリチャード・ディーン・アンダーソン)は、スパイのような任務にも挑むのに銃嫌いで、身の周りの物を組み合わせて武器に変える(“マクガイバリズム=マクガイバー主義”と呼ぶ)天才だった。21世紀は「CSI」シリーズなど理系ヒーローが人気だが、医師以外の“元祖・理系ヒーロー”は旧作のマクガイバーかもしれない。特長その2は、レギュラー・キャラが少ないこと。圧倒的に出番が多かったのはマクガイバーだ。以上2点だけでも他のアクションドラマと一線を画していたのが理解できるのではないか。

そして復活版「MACGYVER/マクガイバー」だが、1980年代と2010年代で同じ方法論が通じるはずもなく、見事に21世紀バージョンに進化していて大いに感心させられた。まず、ぐっと若返ったマクガイバールーカス・ティル)には、ジャック(「CSI:科学捜査班」でニック役を演じたジョージ・イーズ)、ライリートリスティン・メイズ)などの仲間がいるが、彼らはあくまでマクガイバーが苦手とする分野を担当する存在だ。マクガイバーが苦手なITをライリーがサポートするあたりは、実は旧作のテイストを慎重になぞっている。それでいてやっぱりマクガイバーが一番のヒーローなのがいい。復活版を企画したのが「HAWAII FIVE-0」を成功させたピーター・M・レンコフで、第1話の監督が映画「ワイルド・スピード SKY MISSION」のジェームズ・ワンという布陣も充実。既にシーズン2への継続も決まった話題作を見逃すな!

 

【アメリカTVライター 池田敏 2017/05/31】

Vol.145 見どころ満載で全米大ヒットも納得!「NCIS: LA 極秘潜入捜査班」

NCISLA_S1_column250_0428.jpg5月のスーパー!ドラマTVの目玉は「GRIMM/グリム シーズン5」(全米放送はシーズン6への継続が決定)もあるが、チャンネル初放送が始まる「NCIS: LA 極秘潜入捜査班」に期待したい。

全米放送開始は2009年秋で、既にシーズン9への継続が決まっている全米大ヒットドラマだ。やはり全米放送がシーズン15に突入する長寿ドラマ「NCIS ネイビー犯罪捜査班」の初スピンオフで、NCIS(海軍犯罪捜査局)のロサンゼルス支局にあるOSP(スペシャル・プロジェクトオフィス)の面々、G・カレン(クリス・オドネル)サム(LL・クール・J)らが活躍する犯罪アクション。銃撃戦や爆発などの派手な見せ場も多い。

番組1年目、新番組中トップの高視聴率を獲得し、弟分にあたる「NCIS: ニューオーリンズ」も成功した。俳優陣では、1990年代は若手だったオドネルがぐっと精悍なイメージに変わったのが嬉しく、ラッパー兼俳優のLL・クール・Jに至っては本作で人気上昇し、2012年から5年連続でグラミー賞の司会を務めている。

さて兄貴分の「NCIS ネイビー犯罪捜査班」(以下「ネイビー」)と個性を比べよう。「ネイビー」と同じくこの「LA」も海軍などの軍人が絡んだ凶悪事件を捜査する一話完結形式のミステリーであるのは同じ。しかし「LA」のOSPはハイテクを駆使した潜入捜査が得意で、「ネイビー」より少しワイルドで男っぽい。それでいて女性キャラも魅力的で、父親が海兵隊員のケンジー(ダニエラ・ルーア)も行動派。

そして筆者が本作で一番好きなキャラはOSPの管理部長ヘティ(映画「危険な年」の名演で第56回アカデミー賞の助演女優賞に輝いたヘレン・ハント)だ。大変小柄だが元凄腕捜査官というギャップが鮮烈で、頼れる姉御感がハンパない。「SCORPION/スコーピオン」シーズン1第6話へのゲスト登場も楽しかった。以上の通りに見どころ満載。全米大ヒットも納得だ。


 

【アメリカTVライター 池田敏 2017/04/27】

Vol.144 傑作ドラマにしかない勢いを堪能したいヒット作 「クリミナル・マインド」のシーズン9が開始!

criminalminds_s9_column250.jpg2017年4月のスーパー!ドラマTVの目玉は「クリミナル・マインド シーズン9」の開始だ。引き続いて見どころ満載で、まずは前シーズン最終話、BAU(行動分析課)のセクションチーフ、ストラウス(ジェイン・アトキンソン)が殺人鬼“レプリケーター”(映画「スター・ウォーズ」シリーズにまさかの復活を果たしたマーク・ハミル)に命を奪われるという衝撃の展開で幕を下ろしたが、新シーズンでは新チーフの座を依頼されたホッチトーマス・ギブソン)は現場を去るかどうかで苦悩する。

そして第14話は、番組史上記念すべき第200話。シーズン7でBAUを去ったプレンティスパジェット・ブリュースター)に加え、なぜかストラウスも再登場。ストーリー的にもシーズン6の間、BAUを去ってペンタゴン(国防総省)で働いたJJA・J・クック)に何があったかを掘り起こす興味深いものだ。

さらに各話に目を向けると、2話にわたって強烈なスリルを味わえる前後編エピソードが2つもあるのが嬉しい限り。第1・2話「インスピレーション(前・後)」と第23・24話「天使と悪魔(前・後)」だ。前後編エピソードに対して「クリミナル・マインド」ファンは“早く後編も見たくなる、でもこのドラマについては後編も大丈夫に決まっている”といういつもの至福に包まれるだろう。

そしてもう1つ、ファン冥利に尽きるのはキャストが監督した各エピソード。ドクター・リード役のマシュー・グレイ・ギュブラーがシーズン5以降の全シーズンで必ず監督しているのは有名だが、このシーズン9は前シーズンに続いて第16話をホッチ役のギブソンが監督し、第13話ではロッシ役のジョー・マンテーニャが番組初監督を務めた。全米ではシーズン12が5月まで続く上、3月8日、「クリミナル・マインド 特命捜査班レッドセル 」に続く第2のスピンオフ「クリミナル・マインド 国際捜査班」のシーズン2が開始した。傑作ドラマにしかない勢いを堪能したい。

 

【アメリカTVライター 池田敏 2017/04/11】

池田敏
海外ドラマ評論家。海外ドラマのビギナーからマニアまで楽しめる初の新書「『今』こそ見るべき海外ドラマ」 (星海社新書) 発売中。

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