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海外ドラマおすすめコラム vol.58  これほど変な事件を描いた推理劇は他にあったか? 気鋭の上質ミステリー「インベスティゲーション」

investigation_yr1_#1(1-1)_Image - S01E01 - Investigation, The - (C) Henrik Ohsten (3).JPG
7月のスーパー!ドラマTVの目玉は独占日本初放送の「刑事カーディナル 凍てつく夜に」だが、日本初放送の「インベスティゲーション」もお楽しみ。
 
色々なミステリー系の映画・ドラマを見てきた筆者だが、これほど変な事件を描いた作品は他にあったっけと驚き、2017年にデンマークで起きた事件を再現したと知ってまたびっくり。バルト海に面するデンマークの首都コペンハーゲン沖の海上、男性発明家が作った“手製潜水艇”から女性ジャーナリストが失踪する事件が発生し……。以上の説明だけでくらくらとなる人もいるだろう。発明家の周囲で何が起きたかが少しずつ明かされていくが、それらもショッキング。
 
主人公は「THE KILLING/キリング」の渋い男優ソーレン・マリンが演じる、コペンハーゲン警察の捜査官イェンスで、この人は実在する人物だ。密室を舞台にした事件を描くミステリーは過去にも多数あったが、何それという“手製潜水艇”はまさに、事実は小説よりも奇なり。
 
そんな異色推理劇を手掛けた監督が誰かを知ってまた驚愕。トビアス・リンホルム監督はスーパー!ドラマTVでも人気を博した政界ドラマ「コペンハーゲン」や人気男優マッツ・ミケルセンが主演した映画「偽りなき者」の脚本家で、監督した映画「ある戦争」も高い評価を受けた要注目の才能。ありとあらゆるジャンルで手腕を振るい、その実力を米国でも認められ、デヴィッド・フィンチャー製作総指揮のドラマ「マインドハンター」にも参加。そして直近では、ミケルセンとまたも組み、第93回アカデミー賞で国際長編映画賞に輝いた「アナザーラウンド」(日本では9月公開)で脚本を担当している。
 
そんなリンホルム、本作を“古典的犯罪捜査劇”と呼び、リアリティを重視。しかし淡々とした演出が事件の不穏なムードをより高め、狙いは見事に成功。「ゲーム・オブ・スローンズ」のユーロン役、ピルウ・アスベックも好演。満足度の高い仕上がりだ。
 
 
【アメリカTVライター 池田敏 2021/7/1】
 
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