ニュース

海外ドラマおすすめコラム vol.48  鬼才ジョーダン・ピール監督らが製作総指揮 名作『トワイライト・ゾーン』が豪華に復活

TTZ_yoko.jpg
11月のスーパー!ドラマTVの目玉は『ケイティ・キーン』第1話先行プレミア放送だが、映画好きなら要注目なのはこれも独占日本初放送の『トワイライト・ゾーン』。全米で1959年から5シーズン放送された名作(昔は『ミステリー・ゾーン』などの邦題)の3度目のリブート版だが、旧作は無数のクリエイターに影響を与え、1985年にスティーヴン・スピルバーグらによって『トワイライトゾーン/超次元の体験』として映画化された。
 
そしてこのリブート版も、あっと驚くクラスの才能がずらりと結集。
 
企画・製作総指揮の1人は映画『ゲット・アウト』でアカデミー賞の脚本賞に輝いた鬼才ジョーダン・ピール監督で、俳優でもある彼はホスト兼ナレーターも担当。第2話は『~超次元の体験』で1本となった旧作の名エピソード『二万フィートの戦慄』をリメイクした『三万フィートの戦慄』(!)だが、ピールは原案に参加。そもそも旧作は一話完結形式で、毎回異なる主人公を待つ運命を、どんでん返しもありで描いたSFアンソロジーだが(日本の『世にも奇妙な物語』にも影響を与えた)、『ゲット・アウト』もよく似ており、旧作以上に社会派の要素が強いのはピールならではか。
 
各話のキャストも第1話が映画『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』の主演・脚本で知られるクメイル・ナンジアニ、第4話が『ウォーキング・デッド』のスティーヴン・ユァン、第5話がリブート映画版『スタートレック』のジョン・チョー、第10話が人気男優セス・ローゲンと充実し、人種の多彩さもピールの意向と見た。
 
まるで各話が映画1本を思わせる高品質で、最近の海外ドラマは連続ものが増えたとお感じの人もこれなら気軽に楽しめる(各話の時間尺がばらばらなのは念のため要注意)。すでにシーズン2も完成しており、しばらくは大いに楽しませてくれるだろう。
 
ちなみにスーパー!ドラマTVは今後、旧『ミステリー・ゾーン』も放送予定だ。
 
 
【アメリカTVライター 池田敏 2020/11/2】
 
池田敏:海外ドラマ評論家。海外ドラマのビギナーからマニアまで楽しめる初の新書「『今』こそ見るべき海外ドラマ」 (星海社新書) 発売中。