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ヒルのお言葉 第3シーズン
第17話「真実」より
オズってのは重罪犯用のオズワルド刑務所の通称だ。ビッグニュースだぜ。ここの名前が変わった。新しい名前は第4レベルオズワルド刑務所州刑務所そうだ。なにが違うかはわからん。所長はレオ・グリンだし、カウンセラーはシスター・ピーター・マリーでエメラルド・シティの責任者はティム・マクマナスだ。囚人の様子も以前と変わっちゃいない。シリンガーとケラーに骨を折られたビーチャーは、まだ病棟にいる。看守の目をくりぬいたアルバレスは独房で、帽子を変えたアデビシは精神病棟に入ったままだ。州の魂胆ならわかってる。名前を変えることでムショの緊張感を高めようとでも思ったんだろう。だが、そんなことくらいじゃ誰もビビッたりしやしねえ。
真実には力がある。時には悪を正し、時に事態を悪化させる。だがオズでは真実と事実が適合するとは限らない。事実など無意味だ。
第18話「表裏」より
ナポレオン・ボナパルト。コルシカの小貴族に生まれ、後にフランスの皇帝にまでなった男だ。あぁ、人間的なスケールはデカイが、身長は167センチほどだったらしい。だが、世の中を動かすのに身長は関係ない
ナポレオンが流刑の地で死んだ時、医者は彼の性器を切り取った。そしてそれをきれいな箱に入れて司祭に送った。理由はわからない。その後、ナポレオンの性器は次々と高値で転売されていった。そして現在、少なくとも3人がその所有を主張している。しかし、問題は本物はどれかじゃない。一番の問題は、そう、ほかの2つは誰のもんかってことさ
第19話「尊敬」 より
俺はランナーだった。そうさ。だがマラソンなんかじゃあないぜ。マラソンはくだらねぇ。ありゃあインチキだ。走る日を誰かに勝手に決められて、雨だろうが寒かろうがその他大勢の野郎と一緒に走らなきゃならねぇ。まっぴらだ。そんなもんより、一人で走る方がずっといい。
俺はスプリンターだった。そう、短距離が得意だったのさ。スタートの合図と共に俺は一気に飛び出す。弾丸さ!昔は45メートルを6.5秒で走れたんだぜ。ホントさ。ホントに速かったんだ。黒人は歩くより先に走りを覚えるのさ。
第20話「災厄」より
そして主は言われた「私はエジプトにいる我が民の悲しみを見た。追い使う者のゆえに泣き叫ぶのを聞いた。その苦しみを見た。私は地上に降り、彼らをエジプト人の手から救い出し、そしてかの地からもっとよい土地、広い土地へ、乳と密の流れる土地へ導こうとしている」そう!神は指導者モーセを送りこんでおいて変化球を投げた。エジプト王の心を凍らせ、イスラエルの民を閉じ込めさせた。「モーセ我が民を救え。王彼らを逃がすな」神よ、どっちの味方なんだ?
モーセは選ばれし民を約束の地へつれていった。だが状況はよくならない。その後は戦争続きだ。戦った相手はカナン人にヒッタイト人。最後にはイスラエルの民はローマ人に完璧につぶされた。そして苦しみは続く。どうしてなんだろう。世界には苦しみが満ちている。だが待ってくれ。このオズにだって、罪人も耐えられんほどの苦しみがあふれてるぜ。
第21話「手紙」 より
雪も雨も暑さも夜のうす闇もいち速く仕事を完了させようとする使者をとどめておくことはできない」こいつはアメリカ郵政公社のモットーにうたわれている言葉だ。ギリシャの歴史家ヘロドトスから取ったのさ。ま、当時の「いち早く」ってのは壱年くらいかな?今じゃ、朝の10時に出したものが明日にはボリビアに着く。世界中の人が午後になると家のポストに何か届いてないかとワクワクするんだ。期待するってのはいいもんさ。ここオズでも期待ってのはみんなの心を明るくしてくれる。
最悪なのは、朝起きた時突然、二度と手紙は来ないと気づくことだ。家族からはうとまれて、友に忘れられ、慈善文通協会の会員にすら見捨てられちまう。そんな時はどんなことをしても、自分宛の手紙が欲しくなる。自分がまだ存在すると、自分にはまだ意味があると、確認したくなるんだ。
第22話「刑罰」 より
オズの生活はクソだ。違うって奴は大嘘つきだな。だが、ここの刑罰も大昔に比べりゃマシかもしれない。例えば呑みすぎたとする。すると「酔っぱらいの服」を着せられる。酒樽に穴があいたやつさ。頭と手と足んとこにな。そして、その姿のまま町を歩かされ罵声を浴びせられるのさ。
俺のお気に入りの刑罰は、ひやかしの刑ってやつだ。町一とんちのきく男が椅子に座る。それを町の人間が運ぶんだ。男はバケツを叩いて、罪人をあざける汚い詩を詠ってまわり、罪人をからかう。自分の隣人たちの前で侮辱されること、これほど酷い刑罰はないだろう?
第23話「自己」より
「汝を知れ」ソクラテスの言葉だ。いや、アリストテレスだったかな。とにかくそのへんの奴の言葉さ。自分自身を知る。こいつはなかなか難しいことだ。
人は3つのもので定義づけられる。まず頭、何を考えるか?そして心、何を感じるか?そして性器、誰と交わるか?一日の終わり。俺たちはひとつの答えを迫られる。ひとつのとても難しい質問だ。俺は誰か?俺は何者なんだ?
第24話「聖夜」より
クリスマスの前の晩、家の中はシーンと静まり返っていた。動くものもない。ただ、ネズミたちだけが唯一の例外だったんだ。
男たちが監房に座り、新年を迎えている。新しい世紀、新しい千年ン、千年紀だ。未来をじっと見ても、そこに見えるのは同じ監房の自分自身だけ。黒人も白人も俺たちは崖っぷちにいる。つかまってないと、おっこちる。一緒でも別々でもどっちでもいい。俺たち次第。あんたや、俺次第。新年おめでとう!