えのきど :この「サード・ウォッチ」っていうものはいろんな要素があると思います。アクションドラマみたいな要素もあるし、人間のドキュメントっぽい要素もある。撮り方のカメラワークとかカットとか編集とか、本当にリアルの世界を切り取ってきたみたいな感じがすごくします。実際に後々のシーズンで登場する「911」を題材にしたエピソードの中で、ニューヨークの消防署とお巡りさんがどういうふうにそこに入ってくるかが描かれている。そんなところで確実に時代みたいなものが混入してくるわけですから、そういうリアルっぽい感じみたいなものがすごくおもしろいなと思いました。
池田 :カメラワークということでいえば、「サード・ウォッチ」は「ER」と同じで ステディカム という手持ちカメラで撮影しているのですが、ある種、「ER」で閉じこめられていた分だけ、(「サード・ウォッチ」では)自由に伸び伸びと撮っているなという感じがします。
えのきど :そうそう。ちんぴらを追いかけるときとかね。もう、すごいですよね。
池田 :そうそう。しかも、ライティングも、オールロケでやってるから、まったくシルエットだけになって夜の街を行く、みたいな。
えのきど :僕が、「サード・ウォッチ」で一番好きなのは、人間のそれぞれの彫り込みなんです。一言で言うと弱さをどんどん彫り込んでいくんですよね。たとえば、カルロスがものすごくビビリなわけですよ。ものすごくビビリなんだけど、それをどういうふうに克服していくかとか。
池田 :キャラクターが、任務が終わって、一般市民に混じって終電車で帰っていくときに、事件を引きずって駅の階段すら昇れない。ああいうのがね、一生懸命やってるんだけど、誰も気づいてくれないというか・・・。
えのきど :帰ってうちに着いたときに孤独感みたいなものを漂わしたりとか。単純な正義の味方でもないし、それぞれの生活感があって、人が生きていて、その中でみんな勇気をふるって職務みたいなものに向かっていったりする。なんかそういう弱さみたいなところをどんどん彫り込む感じが、すごくニューヨークっぽいとも思うし、すごく好きなところですね。主人公が何人もいて、物語が重層的に一斉に進んでいくような感じっていう・・・。単線じゃないんですよね、物語の進行の仕方が。
池田 :いろんな模様がそこにクロスすることで出てくる。
えのきど :しかもそれが、たとえば、誰かが誰かを支えたり、あるいは本当に反発したり。元の奥さんとかに手を出しちゃって、すごいことになっちゃったり。そういうさまざまなことが交差しながらも、けれど、みんなとりあえずリアリティーとしてはがんばってやってるんだよ、っていう。
池田 :今日の任務が終わって、また明日やってくるぞ、みたいな感じとかね。
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