LAW & ORDER: 性犯罪特捜班シーズン1

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アメリカのプライムタイムのドラマの歴代記録を塗り替えた「LAW & ORDER」フランチャイズのスピンオフシリーズ。
ロングランを方向付けた要素が集約されたシーズン1!

シーズン1 見どころ

アメリカのプライムタイムのドラマ史上、最も息の長い実写テレビシリーズ!

1999年9月20日にアメリカのNBCで放送が始まった「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」は、アメリカのテレビ史上、最も長く続いているプライムタイムの実写シリーズ番組だ。2021年6月時点で「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」は494話を放送しており、本家「LAW & ORDER」シリーズのエピソード数を超えている。スクリプテッドと呼ばれる、脚本を元に制作されるプライムタイムのシリーズ番組における歴代制作話数では、「ザ・シンプソンズ」(706話)、「ガンスモーク」(635話)、「ラッシー」(591話)に次ぐ第4位となっている。2020年2月には、第24シーズンの継続も発表されており2022年9月にアメリカで放送予定だ。また、2021年9月23日に放送が始まる第23シーズン中に、第500話目を迎えることになる。

「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」のシーズン1は、今とは時代背景が違うとはいえ、1999年~2000年にアメリカで最も高視聴率を獲得したテレビ番組ランキングで、視聴率8.8%、平均視聴者数1,218万人を記録して、30位にランクインしている。それ以後のシーズンも安定した視聴率を叩き出し続け、その人気は今でも衰えることなく継続中だ。シラキュース大学で教授をするポップカルチャー専門のロバート・トンプソン氏はインタビューで、「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」は、アメリカのテレビの質が爆発的に向上する中で、2つの大きな転換期を生き延び、今もなお活躍しています。多くの素晴らしいテレビ番組が生まれては消えていきましたが、「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」は生き残りました。」と答えている。放送ネットワークの視聴者数減少に加え、HBOなど有料チャンネルや、ネットフリックスのような配信サービスで質の高いテレビ番組が興隆する中にあっても、その強靭さを発揮し続けている。NBCによれば、シーズン22での「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」は、平均650万人の視聴者を獲得し、木曜午後10時から11時の時間帯で、ライバルのABCとCBSを上回るだけでなく、広告主がターゲットとしている18歳から49歳の視聴者層でも視聴率でトップに立っているそうだ。

全シーズンにわたり登場する豪華なゲスト出演者!

ブロードウェイの俳優をはじめ、多くの俳優を排出している登竜門のような存在の「LAW & ORDER」だが、フランチャイズである本作のシーズン1でも、全編にわたって様々な顔ぶれを観ることができる。第2話では「ベター・コール・ソウル」のデニス・ボウトシカリス、「ダメージ」や「The OC」のマイケル・ヌーリーが出演しており、第3話では「Happy!」のリッチー・コスター、第4話では「サード・ウォッチ/NY事件ファイル」のジョー・リシ、第5話では「ザ・ホワイトハウス」のパトリシア・リチャードソンと「ジョン・アダムズ」のジョン・ドセット、さらに「マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー」のリン・コリンズ、第10話では「ファミリー・タイズ」、「ミディアム ~霊能捜査官アリソン・デュボア~」のトレイシー・ポラン、第12話では「ザ・グリッド」のオレク・クルパ、第16話では「アメリカン・ホラー・ストーリー」シリーズや「トゥルーブラッド」のデニス・オヘア、そして「カウンターパート2/暗躍する分身」、「OZ/オズ」、『セッション』のJ・Kシモンズ、第17話では「シックス・フィート・アンダー」のロバート・フォックスワース、第18話では「ボードウォーク・エンパイア」のパス・デ・ラ・ウエルタ、第20話では「NCIS ~ネイビー犯罪捜査班」、「アフェア 情事の行方」のジェニファー・エスポジート、第21話では「RENT/レント」のウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア、そして最終話の第22話では、今や俳優業よりも「ブラックリスト」、「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」、「ゴシップガール」といったヒット作での監督業で活躍が目覚ましいアンドリュー・マッカーシーといった面々が全シーズンに渡ってゲスト出演している。

「LAW & ORDER」のとあるエピソードが、「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」の起源だった!

本シリーズは、本家「LAW & ORDER」のスタイルを踏襲した作りになっており、メディアで注目された実際の事件を下敷きに、細部は変更してフィクション化された内容となっている。なお、「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」は、1986年にマンハッタンのセントラルパークでデートしていた女性を合意の上での「ラフ・セックス」と主張して、首を絞めて殺害したロバート・チェンバースの「プレッピー殺人事件」が元になっており、この事件に触発されたディック・ウルフが執筆したのが 本家「LAW & ORDER」シーズン1の第5話「死に至るキス」で、本シリーズ「性犯罪特捜班」の起源となっている。ディック・ウルフは、このエピソードを書いた後も、この事件のことが頭から離れなかったそうで、性犯罪の心理をより深く追求し、人間にとってのセクシュアリティの役割を検証したいと考えていたそうだ。当初の番組タイトルは「Sex Crimes=性犯罪」と名付けられ、犯罪における性的な性質を反映した内容だったそうで、本家「LAW & ORDER」とは一切関係を持たせていなかったという。当時のプロデューサーたちの間でも、「Sex Crimes」が失敗してしまった時に「LAW & ORDER」ブランドを傷つけてはいけないという思いがあったようだ。製作総指揮だったテッド・コッチェフも、本家シリーズに頼らない形で新シリーズを作りたいと考えていたそうだが、ディック・ウルフは、商業性を考えてもタイトルに「LAW & ORDER」を使うことが重要だと説き、「LAW & ORDER: Sex Crimes (性犯罪)」というタイトルを提案することになった。だが当時スタジオの責任者だったバリー・ディラーの意見を反映させる形でニューヨーク市警察の中でも特に凶悪な性犯罪を扱う実在の部隊名を使った「LAW & ORDER: Special Victims Unit (性犯罪特捜班)」という現在のタイトルに落ち着いたのだった。

シリーズの方向性を決定付けた、シーズン1の全てが必見! だが特に見逃せないのは第1話と15話と21話!

今やアメリカのプライムタイムのテレビドラマシリーズとしては史上最長とされている「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」シリーズだが、本シーズン1はまさにその長い歴史の原点となった重要なシーズン。このシーズンには、この後に続く22年のロングランを予測させる要素が全て集約されていると言っても過言ではないだろう。2020年の11月にアメリカで放送されたシーズン22が最新シーズンだが、その最新シーズン放送に先駆けてアメリカのParade誌が「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」のベスト30エピソードを取り上げている。シーズン1からは、第1話の「女たちの制裁」と第21話の「終わらないピアノの調べ」がランクインしているが、特に第1話の「女たちの制裁」は、タクシー運転手の殺人と性器切除が焦点になっているかと思いきや、アメリカが抱える大きな社会問題を巧みに背景に滑り込ませてある点など、シリーズ全体のトーンを決定づける重要なエピソードとなっている。また、このエピソードには「LAW & ORDER」のレギュラーであるアンジー・ハーモンがゲスト出演しているのも見逃せないところだ。さらには、全シリーズを通して唯一このエピソードだけでしか観られないという、オリビア・ベンソンの母親が登場するエピソードでもあるため、必見のエピソードとなっている。第1話「女たちの制裁」はもちろんだが、 全シリーズ490話以上ある中のベスト30の1つに選ばれた、悲しい負の連鎖を描いた第21話「終わらないピアノの調べ」もチェックしたいところだ。そして当然ながら、本家「LAW & ORDER」とのクロスオーバー・エピソードとなる第15話の「疑惑の財閥令嬢」では、本家シリーズからカーマイケル役のアンジー・ハーモン、アダム・シフ役のスティーブン・ヒル、エド・グリーン役のジェシー・L・マーティン、レニー・ブリスコー役のジェリー・オーバック、ジャック・マッコイ役のサム・ウォータストンらが本作のキャストと共演しており、見応えのある1話となっている。本家「LAW & ORDER」では、シーズン10第14話「疑惑の財閥令嬢 PartⅡ」がそれにあたる。なお、本家のキャストは本シーズンにおいて、数話にわたって登場する。

ストーリー

「刑事司法制度では、性犯罪を特に重罪と見なす。ニューヨークにはこの悪しき犯罪と闘うエリート集団がいる。性犯罪特捜班(SVU)の刑事たちだ」――オープニング・ナレーションより

ある夜、タクシー運転手が数十回に渡って執拗に刺殺されるという事件が発生。ニューヨーク市警の性犯罪特捜班の刑事、オリビア・ベンソンとエリオット・ステイブラーの2人が現場に到着してみると、被害者は刺殺されただけでなく、性器も切り取られていた。タクシー運転手の所持していた免許証から被害者はビクター・スパイサーという男だと判明したが、スパイサーの免許は11ヶ月前に停止されている上、殺害されたはずのスパイサーは現在ライカーズ島刑務所で服役中だということがわかった。刑務所でスパイサーから事情聴取したところ、ある男に100ドルで免許を売っていたことが判明する。その男についてさらに捜査を進めてみると、元セルビア軍人で戦争犯罪で起訴されているステファン・タンジクという男だったことがわかった。さらにタンジクは、民族浄化の一環で67人もの女性を強姦していたことが判明する。自身もレイプ被害によって生まれた子供であるベンソンは、被害者がレイプ犯であることを知った途端、個人的な感情が抑えられず、刑事の枠を超えた行動を取ってしまう。

各話あらすじ

放送時間

キャスト

エリオット・ステイブラー/Elliot Stabler

ニューヨーク市警の性犯罪特捜班で、固い信念もって捜査にあたっている正義感の強い刑事。オリビア・ベンソンのパートナー。何よりも家族を大切にし、児童虐待など子供が被害者となる事件の犯人に対して強い嫌悪感や憎しみを覚えることが多い。カトリックを信仰しており、その信仰心が事件を複雑にすることも。

クリストファー・メローニ Christopher Meloni

1961年米ワシントンDC生まれ。高校卒業後、コロラド大学ボルダー校で歴史学を学ぶ。在学時から興味を持っていた演技の道を選んでニューヨークに移住し、ネイバーフット・プレイハウス演劇学校の演出家サンフォード・マイズナーに師事する。1989年にHBO シットコム「1st & Ten(原題)」の最終シーズンでレギュラーの座を獲得。その後は「NYPD BLUE ~ニューヨーク市警15分署」への出演に続き、「OZ/オズ」でクリス・ケラー役としてレギュラーを仕留める。「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」はシーズン12まで参加した後に同シリーズを去ったが、シーズン22で再び数エピソード復活している。2006年にプライムタイム・エミー賞にノミネートされた。テレビだけでなく映画作への出演も多く、代表作には『シン・シティ 復讐の女神』、『42 ~世界を変えた男~』、『マン・オブ・スティール』、『12モンキーズ』などがある。「LAW & ORDER」フランチャイズ最新作で、本作のスピンオフ「LAW & ORDER: Organized Crime(原題)」では、主演のエリオット・ステイプラー刑事役として復活している。

オリビア・ベンソン/Olivia Benson

ニューヨーク市警の性犯罪特捜班の刑事。性暴力の末に自分が生まれたという出自に影響され、性犯罪の被害者に深く共感するあまり、被害者側に寄り添いすぎて仇となってしまうことがある。エリオット・ステイプラーはパートナーであり、自分にとっての良き理解者でもある。現在は母親と良好な関係を保っているが、かつては精神的、肉体的な虐待を受けたこともある。

マリスカ・ハージティ Mariska Hargitay

1964年米カリフォルニア州サンタモニカ出身。俳優のミッキー・ハージティとジェーン・マンスフィールドの間に生まれる。UCLAで演劇を専攻したのち、カルト的人気のホラー映画『グーリーズ』(1984年)でスクリーンデビュー。1995年のニコラス・ケイジ主演の『リービング・ラスベガス』では、バーの娼婦役としてクレジットされている。1998年に人気テレビ番組「ER」にレギュラーとして抜擢されたことが転機となり本シリーズへの主演の座を掴む。2005年のゴールデングローブ賞受賞に続き、2006年のプライムタイム・エミー賞を受賞し、近年は監督・プロデューサー業もこなしている。また、性的虐待を経験したことのある番組のファンから手紙をもらうようになったことで、性的暴行、家庭内暴力、児童虐待の被害者を支援する非営利団体「ジョイフルハート財団」を設立し、活動家としての一面も見せている。「LAW & ORDER」フランチャイズの最新シリーズ「LAW & ORDER: Organized Crime(原題)」にも登場。

ジョン・マンチ/John Munch

ボルチモア警察の殺人課から異動してきたジョン・マンチ刑事は、辛辣でウィットの効いた切り返しとジョークがトレードマーク。陰謀論者でもあるが、現場で培ってきた豊富な経験と、鍛え抜かれた能力をフル活用しながらチームの捜査に貢献する。双極性障害だったという父親から身体的虐待を受けていたという不幸な子供時代を過ごした。

リチャード・ベルザー Richard Belzer

1944年米コネチカット州生まれ。ニューヨークに移住後、スタンダップ・コメディアンとして活動を始める。1975年から1980年に放送した「サタデー・ナイト・ライブ」で前座コメディアンを務め、同番組にも3度ゲスト出演を果たしている。その後、本格的に俳優業にも進出するようになり、『スカーフェイス』、『復讐のハイウェイ』、『マイアミ・ムーン』、『恋に落ちたら…』などの映画に脇役で起用される。テレビシリーズ「ホミサイド/殺人捜査課」でジョン・マンチ刑事を演じるようになり、それ以後は「ホミサイド」シリーズに続き、本シリーズでもマンチ刑事としてレギュラーの座を獲得。「X-ファイル」、「LAW & ORDER」、「ブル~ス一家は大暴走!」、「THE WIRE/ザ・ワイヤー」などのテレビシリーズでもジョン・マンチ刑事役としてゲスト出演を果たし、すっかり「マンチ刑事」として自身のキャラクターを定着させた。2016年に71歳で俳優業から引退している。

モニーク・ジェフリーズ/Monique Jeffries

ニューヨーク市警の性犯罪特捜班に所属するストリートに精通したタフな女性刑事。ジョン・マンチ刑事のパートナーを務めており、皮肉屋の彼に負けないような冴えた返しが瞬時にできる頭脳明晰タイプ。

ミシェル・ハード Michelle Hurd

1966年米ニューヨーク出身。俳優ヒュー・ハードと、女優で臨床心理学者メルリン・ハードとの間に生まれる。ボストン大学卒業後はダンス専門のアルビン・エイリースクールに通い、その後ロンドンのナショナル・シアターで演技を学ぶ。1996年、スティーブン・ソンドハイムとジョージ・ファースによる舞台作「Getting Away with Murder」でブロードウェイデビュー。さまざまな舞台作への活躍を経て、1997年に出演した「LAW & ORDER」シーズン7第9話での演技がディック・ウルフの目に留まり、本作へのレギュラー出演を仕留めることになった。その他の代表的なテレビシリーズ作品には、「ザ・グレイズ ~フロリダ殺人事件簿」のコリーン・マナス役、「HAWAII FIVE-0」でのレニー・グローヴァー役、「死霊のはらわた リターンズ」のリンダ・エマリー役、「スター・トレック:ピカード」のラフィ・ムジカー役、「ブラインドスポット タトゥーの女」のシェパード役などがあり、年々活躍の場を広げている。

ドナルド・クレイゲン/Donald Cragen

ニューヨーク市警の殺人課の警部を経て同市警の性犯罪特捜班の警部となった。時に部下に対して厳しく接する面も見られるが、部下からの信頼は厚く、彼らを常に支えようとする姿勢は理想の上司そのもの。タフなベテラン警部だが、アルコール依存症の経歴がある。

ダン・フロレク Dann Florek

1950年米ミシガン州生まれ。イースタン・ミシガン大学で数学と物理学を専攻したが、演劇で演技のキャリアを積むためにニューヨークに移住。ジュリアード音楽院での研修を経て、70年代後半から80年代前半にかけて古典から現代作まで幅広い舞台作品に参加。80年代にロサンゼルスに移住し、1988年から1993年まで「L.A. LAW/7人の弁護士」に準レギュラーのデビッド・メイヤー役を演じる。その後、ミッキー・ロークとロバート・デ・ニーロ主演の『エンゼル・ハート』、『イントルーダー/怒りの翼』、『フラッド』といった映画作品で助演を果たす。ドナルド・クレイゲン警部としてLAW & ORDERフランチャイズの本家「LAW & ORDER」にシーズン1からレギュラー出演するが、シーズン3終了時に、NBCが女性俳優を採用する方針をとったため解雇されてしまう。しかしシーズン4と5で、同シリーズのエピソード監督として「LAW & ORDER」の現場に復帰。「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」にはシーズン1から15までレギュラー出演、その後のシリーズにもゲスト出演をしている。

作品基本情報

原題:LAW & ORDER: SPECIAL VICTIMS UNIT Season 1
データ:今回シーズン1・1999~2000年/アメリカ/字幕/60分/今回シーズン1全22話/HD作品
製作総指揮:ディック・ウルフ、ロバート・パーム 共同製作(Co-Executive Producers):テッド・コッチェフ、 ピーター・ジャンコウスキー
出演:クリストファー・メローニ、マリスカ・ハージティ、ダン・フロレク、リチャード・ベルザー