DARK BLUE／潜入捜査

21世紀に入って、米国の犯罪ドラマは進化した。それはジェリー・ブラッカイマーが製作総指揮した「ＣＳＩ：科学捜査班」によって、従来は鑑識と呼ばれた科学捜査が、最先端テクノロジーが集約した世界としてリアルに描かれることで、犯罪が単なる絵空事で済まない、より生々しい現実に生まれ変わったことに起因する。続いて全米ＴＶ界では、プロファイリングの実情を掘り下げた「クリミナル・マインド」、犯罪者の心理に迫った「ＴＨＥ ＭＥＮＴＡＬＩＳＴ メンタリストの捜査ファイル」がヒット。そんなブラッカイマーが「ＣＳＩ」シリーズでエピソード監督をつとめたダニー・キャノンと再びタッグを組んで、犯罪の世界をよりリアルに描くべく、日本の犯罪捜査では認められていない“潜入捜査”（英語で“アンダーカバー”）を題材にしたのが本作。時に“善悪の見境がつかなくなる”、“本当の自分でいるより犯罪者になる時間のほうが長い”…と本音を漏らす潜入捜査官たちが神経をぎりぎりまですり減らす日々を描く、空前絶後の犯罪サスペンスがここに誕生した。

「ＤＡＲＫ　ＢＬＵＥ／潜入捜査」のレギュラー・キャストは、まるで過去の海外ドラマのヒット作から気合を入れて選抜したかのような顔ぶれだ。中心人物カーター・ショウ役のディラン・マクダーモットはＴＶ「ザ・プラクティス／ボストン弁護士ファイル」でゴールデングローブ賞のドラマ・シリーズ主演男優賞に輝き、近年も「glee／グリー」のライアン・マーフィが製作総指揮する「アメリカン・ホラー・ストーリー」でサターン賞の主演男優賞にノミネートされた。また、ジェイミー役のニッキー・エイコックスは、本作と同じくジェリー・ブラッカイマーが製作総指揮した「ＣＳＩ：科学捜査班」「コールドケース」へのゲスト出演が印象に残っているという人が多いはず。

傑作ＳＦドラマ「バトルスター・ギャラクティカ」において、美しき人型サイロン、ナンバー６を演じて世界中の男性ファンを虜にした女優トリシア・ヘルファーが、本作のシーズン２よりレギュラー出演となる。彼女の役どころはFBIの捜査官。ある事件におけるカーターたちロス市警のチームとの合同捜査をきっかけに、そのままロスに残りロス市警―FBI合同捜査班のリーダーとなる。部下となるカーターとの関係やいかに……？