「Dr. HOUSE」主演のヒュー・ローリーは、英オックスフォード生まれの英国人。主にコメディを中心に英国で頭角を表し、米ドラマシリーズ「Dr. HOUSE」の主役ハウス医師を演じて、全世界で最も有名な"医師"の一人となった。
「Dr. HOUSE」にキャスティングされた時、ヒューはすでに45歳。既婚であり、3人の子供たちはティーンエイジャーだった。もちろん家族は皆英国暮らし。ヒューは以前にも映画『スチュアート・リトル』シリーズなどハリウッドでの仕事は経験していたものの、本格的な米TVシリーズとなると初めて。英国に家族を残し、米国での単身赴任を選んだヒューが、当時の苦労を英エンタメサイトで語っている。
「とても大変でした」と単身での暮らしを素直に愚痴るヒュー。「Dr. HOUSE」は全8シーズンだから、ヒューの単身赴任も8年続いた。
今となれば、傑作と見なされている「Dr. HOUSE」への出演も、スタートした当初はいつ追い出されるかとビクビクだったとか。
「最初のシーズン、三カ月の間はホテル暮らしでした。どうせそのうち、打ち切りになると思っていましたから。スーツケースも開けたり閉めたり、半分だけ取り出して使っていました。いつでも帰れるようにとね」
アパートの契約金を払ったら、その日のうちに打ち切りが決まると妙な強迫観念に駆られていたのだとか。払ったら負けと思っていたのだ。
とはいえ、シーズン1がスタートし、すぐに「Dr. HOUSE」は話題のドラマシリーズとなった。
アパートに移り住むと、子供たちも遊びに来るようになった。英国でも「Dr. HOUSE」は放送されており、父親としての面目も保たれていた。
「ところが僕には子供たちの気持ちが分からない。彼らは英国人なので教えてくれないのです。おそらく『いいんじゃない』と思っていてくれていたのでしょう。だから僕のゴールは家族に恥をかかせないことだけでした」
「Dr. HOUSE」撮影時はスタジオのそばにアパートを借り、一日16時間働いていた。仕事場とアパートの往復だ。
「毎日なんとかやり過ごすことができれば、僕はそれで満足でした」とヒュー。英国人の本音は分からないが、「Dr. HOUSE」の8年間、大きなトラブルもなく駆け抜けた。
「Dr. HOUSE」ではゴールデングローブ賞始め、多くの賞を受賞したり、ノミネートされたりした。つらかった単身赴任の代償に得た名誉だ。子供たちが成人して、米国での仕事もずいぶん気楽になったことだろう。まだ66歳のヒュー、撮影地を限らず、これからもさまざまな演技を見せてくれるに違いない。
<「dailyrecord.co.uk」 2012年7月1日>