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海外ドラマ最新レポート Vol.434  「WALKER/ウォーカー」のジャレッド・パダレッキ、地元オースティンでの撮影を熱望したワケ

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WALKER/ウォーカー」主演兼製作総指揮のジャレッド・パダレッキが米エンタメ誌のインタビューに答え、企画の段階から撮影に至るまでの葛藤を語っている。
 
「20年間、TVカメラの前に立ち続けて、もうウンザリという気持ちだったんだ」 「WALKER/ウォーカー」の企画が立ち上がったのは、2019年春。ジャレッドが15シーズン主演してきた「スーパーナチュラル」の終了が決まった頃だ。「WALKER/ウォーカー」は1990年代にヒットした「炎のテキサス・レンジャー」のリブート版である。 「『WALKER/ウォーカー』をプロデュースしたいと思った。主演はジェンセン・アクレスでね」 「ギルモア・ガールズ」「スーパーナチュラル」と人気TVシリーズに立て続けに出演してきたジャレッド、しばらく裏方でという気持ちが沸いていたのだろう。新企画の主演は「スーパーナチュラル」の相棒、ジェンセンに任せるつもりだったという。
 
しかし、その思いはやがてショーランナーのアナ・フリックら製作チームが固まるにつれ変わってゆく。「WALKER/ウォーカー」は、ジャレッドにとって“情熱”そのものになったのだ。主役を務めたいと心変わりしたのも不思議ではない。その“情熱”の権化である主役のコーデル・ウォーカーは、ジャレッドらチームによって、オリジナルとは異なるキャラクターへと進化した。 「オリジナルのウォーカーは彼自身のルールに従って行動していた。いきなり相手の頭に飛び蹴りをくらわしたり、今じゃとても考えられないよ」 コンプライアンスが見直される現代。いくら架空のストーリーとはいえ時代の流れを無視するわけにはいかない。さらに多様性にも考慮した。「ウォーカーが保守派であるのかリベラルであるのか(視聴者に)決めてもらいたくないんだ。共和党支持者なのか民主党支持者なのかも分からない。そのあたりはグレーにしておきたい」
 
そして製作総指揮者ジャレッドが、最も譲れなかったことの一つ、それは撮影地。ジャレッドが自宅を構えるテキサス州オースティンでの撮影にこだわった。カナダ・バンクーバーで撮影されていた「スーパーナチュラル」時代は、家族の住むオースティンとバンクーバーを行き来する生活を送っていたという。子供たちを残してバンクーバーに戻ることが心底辛かったらしいのだ。 「僕は不在がちの父親だった。子供たちは、僕が何をしているのか分かってなかっただろうね。家のローン、家族の生活費、子供たちのおもちゃを買うために、僕は一日18時間も働いていたというのにだよ」 何よりジャレッドを悔しがらせたのは、家族の生活に馴染めてなかったこと。 「僕が家に戻り子供たちと一緒の時間を過ごしたいと思っていても、彼らは僕に馴染んでくれなかった。僕だって同じさ、我が子に馴染むことができなかったんだ」 「スーパーナチュラル」では長らく家庭とは縁のない男サム・ウィンチェスターを演じてきた。皮肉にも、実生活でも役になりきっていたのである。
 
かたや「WALKER/ウォーカー」では、妻を亡くし、二人のティーンエイジャーを抱えた父親を演じている。 「今では(監督の)『カット!』の声がかかったら、僕は車に飛び乗って妻と3人の子供たちの待つ我が家に帰るんだ。つまり、逆の意味で僕は役に近い生活を送れているというわけさ」 思い返せば「スーパーナチュラル」時代は外の世界を知らなかったというジャレッド、「少しずつ分かり始めてきた」と、ファミリーマンとしての手ごたえを感じている。若きイケメンとして人気者になったジャレッドも今年40歳。一人の男として、父親として「WALKER/ウォーカー」はターニングポイントとなる作品といえそうだ。
 
 
<「variety.com」  2021年1月14日>