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海外ドラマ最新レポート Vol.408  "デンベ"が考える「ブラックリスト」成功の理由

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ブラックリスト」で、レディントン(ジェームズ・スペイダー)の忠実なボディーガード “デンべ”役を演じるヒシャム・タウフィーク。 生まれも育ちもNYハーレムのヒシャムは、高校卒業後、米軍海兵隊に入隊、9/11 の際には消防士として人命救助に奮闘した経験を持つ。まさに“デンべ”を演じるにふさわしいバッググラウンドの持ち主だ。「ブラックリスト」で俳優としての地位を確立、今では欠かせないレギュラーの一人に成長したヒシャム。大ヒットシリーズとなった「ブラックリスト」について、米誌に成功の理由を考察している。
 
「特徴だと思うのは、ブラックリスターがいろいろな国の出身だということだ」
 
ブラックリスターとは、レディントンが紹介する凶悪犯たちのこと。犯罪にも個性があることを身をもって示す彼らは、北米、中南米、中東、欧州、アジアなど多国籍の面々。凶悪という共通の言語で闇の世界を闊歩する犯罪者たちだ。 「だから『ブラックリスト』にはさまざまな国や言語、そして料理や文化も登場する」 「ブラックリスト」を見ていると、その国を体験した気分になると、ヒシャムは言う。 もう一つメリットもある。例えば日本人ブラックリスターが登場すれば、私たち日本人は特別に興味を引く。犯罪者ではあっても、世界中の視聴者は自国のブラックリスターに感情移入をするものなのだ。
 
さらに、国籍以外の観点もある。ヒシャムの実父はマルコムXの強烈な信奉者でイスラム教の指導者的立場にある人物だという。ヒシャムは国籍こそ米国だが、育った環境はある意味、特別だ。その自身の特別な経験を注ぎこんで作り上げたキャラクターが“デンべ”である。つまり、ブラックリスターや“デンべ”が代表するように「ブラックリスト」の面白さは、国籍や宗教、性別さえも超えたダイバーシティーが貢献しているというのだ。
 
ヒシャムには、ボディガード、用心棒、殺し屋、そんなイメージがついている。それでも今後演じてみたい役は別にあるという。「僕はオタク趣味でね。できれば『ゲーム・オブ・スローンズ』みたいな作品に出たいんだ。宇宙系とか西部劇でもいい。なにかそんな役がやれたら、それが僕の夢だよ」
 
ヒシャムのかもし出す特別な男はどの世界観にも必要。夢はきっと叶うことだろう。
 
 
<「etonline.com」  1月19日>