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S.W.A.T.「S.W.A.T.」シェマー・ムーア(ホンドー役)インタビュー

お名前と、ドラマでの役名を教えてください。

ダニエル・“ホンドー”・ハレルソン役のシェマー・ムーアだ。「S.W.A.T.」の撮影現場にいる。“SWAT”は“特殊武装戦術部隊”の略だ。

 

 

 

 

テレビドラマに戻ってきて、いかがですか?

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何て言えばいいかな。言葉で表現するのは難しいね。パイロット版の撮影が始まって約2週間半。今日が撮影16日目で、残りの撮影はあと3日だ。みんな全力でやっているよ。すごく楽しいし、挑戦しがいがあって、ワクワクする現場だ。この仕事を始めて23年になるが、初心は決して忘れていない。すべての経験に感謝しているし、敬意を払っている。なぜなら、「The Young and the Restless」のマルコム・ウィンターズ役や「クリミナル・マインド」のデレク・モーガン役、その他すべての出演作で得た経験が、僕をここまで導いてくれたんだからね。鍛えられたし、いろいろ学べたし、刺激を与えてもらった。だから、今回の役も1つのステップにすぎないけれど、大きなステップだ。

 

夢のような仕事だよ。僕の23年間のキャリアは本当に恵まれたものだった。このパイロット版には、僕の人としての成長や俳優としての成長、人生経験、ハリウッドでの経験、トレーニングといったものすべてが詰まっている。それにもちろん、SWATやホンドー、チームがこれからどうなるのか、どんなストーリーになるのかといった大きな構想もある。キャスト表の一番上に自分の名前が載るのは夢みたいだよ。しかもカネで集まったチームではなく、すばらしいチームなんだ。俳優陣もプロデューサー陣も、みんな最高だよ。ジャスティン・リンは監督と製作総指揮を務めているが、彼はモンスター級の才能を持った人だね。

 

 

 

 

プロデューサーも兼任されていますが、いかがですか?

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今回、僕はプロデューサーも務めているんだけど、初めてプロデューサーを経験したのは「The Bounce Back」という映画を撮った時だ。あの映画は娘や仲間との関係を描いた軽いタッチの作品で、「クリミナル・マインド」とは真逆の作風だった。でも今作でまた前線に戻ってきた。「S.W.A.T.」は小汚くて、泥臭くて、リアルな作品だ。元々は70年代に放送されていたテレビドラマで、2003年にはLL・クール・Jやコリン・ファレル、ミシェル・ロドリゲスたちで映画化もされている。今回のドラマはリメイクではなく、リブートだ。パイロット版だけでなく、シリーズ全体を通して面白いドラマになると僕は確信している。というのは、現実を描いているからだ。今日、SWATや警察、一般市民が直面している人種差別や不安、不必要な暴力や殺人といった問題を取り上げている。人間ドラマや駆け引きも描かれているが、“何が起こったの?”、“今のは何?”といった場面もあって、とにかく面白いんだ。僕自身も興奮しているよ。プロデューサーと主演の両方をやらせてもらっているが、僕を導いてくれているのは、これまで自分が学んできたすべてのことだ。だからそれを現場やキャストたちに還元している。自分が持っているものをすべて捧げることが、成功への第一歩だからね。そうすれば仲間も全力を尽くしてくれるだろうし、その結果、視聴者に楽しんでもらえる作品が出来上がるんだ。

 

ホンドーはデレク・モーガンを屈強にした男だが、その屈強さがなくても僕はデレク・モーガンが気に入っている。「The Young and the Restless」のマルコム・ウィンターズにも感謝しているよ。なぜなら、マルコムがいなければ、デレクはいなかっただろうからね。僕はそこから成長していったんだ。デレク・モーガン役を演じることで、僕は成長し、学んだ。たくさんの経験を積んだからね。そして今、ホンドーを演じている。ホンドーは全く別の次元の人物だ。腕っぷしは強くて、正義感があって、犯罪と戦い、悪者を捕まえるが、ある過去を抱えている。ヒーローを演じられるのはうれしいが、同時に現実社会のヒーローたちが本当にこういう仕事をしているのだと伝えたかった。彼らは誤解されているからね。人は誰もが良い部分と悪い部分を持っているが、僕たちがやろうとしているのは、警察の高潔さを見せることであり、彼らも同じ人間だと示すことだ。彼らの人間性を描き、個人の問題や世界の問題を描こうとしている。今、この国や世界では何が起きていると思う?暴力や不安、人種差別といった問題があり、若者や子供たちが犯罪に巻き込まれ、命を落としている。僕たちはそこに挑んでいるんだ。善悪の判断を下したいわけじゃない。希望を持ち続け、善意を信じられると示したいだけだ。互いの違いを認め、受け入れることができれば、僕らは問題をきっと乗り越えられる。

 

 

 

 

主演とプロデューサーを兼任するのは、大変ですか?

脚本を読んで、絶対にやりたいと思ったよ。でも今は、やることが多すぎて大変だ。もちろん、不満は全くないけどね。

 

 

 

 

SWATの装備は演技に影響しますか?
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ライフルを持ち、SWAT隊員の装備を初めて身につけた時は、ニンジャ・タートルズになった気分だったよ。まるでハロウィーンのコスプレをしているみたいで、“この格好でどうやって犯人を追うんだ?”と思ったね。犯人は逃げていくのに、僕は動けないんだ。でも突然、本当に突然、自分の肌の一部のように感じられるようになった。だんだん慣れてきたし、同時に理解もしたよ。この装備はただの装備ではなく、鎧なんだとね。文字どおり、自分と一体化するんだ。装備や武器のことが理解できるようになると、そのリズムやしきたりも分かってくる。互いのことが理解できるようになり、絆が生まれる。すると装備を身につけて走り回るのが楽しく感じられるんだ。爆破させたり、銃を撃ったり、人を助けたり、物を破壊したりしているけど、イカれているね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のリブートで気に入っている点を教えてください。

 

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僕が今回の「S.W.A.T.」で気に入っているのは、人間性の描写に力を入れている点だね。浮ついたところはないし、何かを搾取したりもしない。傍観せず、問題の解決に取り組む。ヒーローとして描いてはいるけど、彼らは同時にいろんなものを抱えた一人の人間なんだ。忠実に再現するために撮影はロサンゼルスで行っているが、飾り立てたり、ウソを混ぜ込んだりはしていないよ。ロサンゼルスの街中で、ジャスティン・リンは見事な手腕を発揮している。彼の撮影の仕方や計画の立て方はすごい。きっと視聴者は、本当にロサンゼルスの街、クレンシャーやイングルウッドにいるような気分になるだろうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハリウッドっぽさを感じる作品になりそうですか?

ハリウッドを感じることはないし、ハリウッドっぽさもない。すごくリアルだから、ドラマの登場人物の一人になった気分を楽しめるはずだ。でも同時に、現実の出来事のようにも感じられると思う。

 

 

 

 

S.W.A.T.は視聴者に受け入れられるでしょうか?

犯人を追いかけて捕まえたあと、僕たちがどんな人間で、何を経験しているのかが伝わっていくと思う。もちろん一連のアクションにはすごく興奮するだろうけど、見ている人の心を捕らえるのは登場人物たちの人間性だ。一連のアクションや事件を解決する様子だけでなく、鎧の下に隠れているヒーローたちの人間的な部分をきっと応援したくなるはずだ。

 

 

 

 

ホンドーとデレクの違いを教えてください。

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ホンドーはアゴひげを生やしている点がデレクとは違うね。ホンドーもデレクも、頭を丸めているという点はちょっと似ているかな。ただ、ホンドーの方がジムで過ごす時間は長い。僕の今の体重は86キロくらいで、デレクの時より増えている。でも、あと2~4キロ増やしたいね。理由はテレビ映りを良くしたいからじゃないよ。実際のSWAT隊員は、出動がない時は最低でも1日に1時間はワークアウトをするんだ。筋力やスタミナを維持して、常に備えていないといけないからね。だからデレクよりホンドーの方がジムで過ごす時間は長い。それから、仕事で直面する危険の種類が違うね。デレクは連続殺人犯を追っていたから、暗くて身の毛がよだつような世界にいた。一方でホンドーが対峙するのは、リアルな犯罪だ。でも、ありがたいことに頻繁には起こらないタイプの犯罪だ。ああいう事件は、週に1回も起こらないね。

 

でも、SWATは現実に存在していて、このドラマは現実に起こり得ることを垣間見せてくれる。そしてSWAT隊員や警察官たちは、毎日こうした種類の問題に取り組まなければならない。ホンドーは冷静だけど、デレクは熱血漢で心が広い男だった。もちろんホンドーにも心はあるが、彼は周囲に本当の自分を見せない。他人を信用できないのはデレクも一緒だけどね。僕は「クリミナル・マインド」でデレク・モーガンを演じていたから、“また警察官役?”と思う人もいるだろう。だけど、僕がホンドーに吹き込んだものを見てほしい。銃を持った警察官をどう演じ分けるかという点には悩んだよ。そこで僕は脚本を読み込み、プロデューサーたちと話し合い、想像を膨らませた。それから実際のSWAT隊員にも会って、立ち居振る舞いを観察したり話を聞いたりした。彼らは普通の人なんだけど、信じられないようなことをやってきていて、それでいてすごく謙虚なんだ。好戦的ではないけど、売られたケンカは買う。そこが興味深かったね。彼らには家族がいて、奥さんがいて、恋人がいて、子供がいる。仕事を終えたら、家に仕事は持ち帰らない。なぜなら家は、健全で安全な場所だからね。でも、現場に行けば、自分の身を守れない人々を助ける勇敢さを持ち合わせている。共通点はあるけれど、信じられないような世界だよ。このドラマを見れば、SWATがどんな危険と対峙するのかが分かると思う。

 

 

 

 

「S.W.A.T.」を他にはない作品にする要因は何だと思いますか?

「S.W.A.T.」のようなドラマは今、他にはないよ。このドラマは人々を揺り動かし、世の中の状況を変えるだろうね。ただ撃ち合って悪者を殺すだけのドラマではない。「ミッション・インポッシブル」や「ボーン」シリーズや「イコライザー」のような映画をテレビで見ているような気分になると思う。

 

 

 

 

「S.W.A.T.」は、他の刑事ドラマとは違いますか?
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僕が「S.W.A.T」について言えるのは、これは単なるテレビドラマではないし、ただの面白いドラマで終わらせるつもりはないってことだ。もちろん面白いドラマなんだけど、飾り立てて面白くしようとしているわけじゃない。このドラマが面白いのは、リアルで興味深く、スマートだからだ。気取ったところはないし、バカバカしさもない。僕たちはスーパーヒーローを演じているわけではないが、彼らにはスーパーヒーロー的な要素があるし、実在するヒーローなんだ。ドラマではアメリカ国内で起きる事件を描いているが、視聴者が世界のどこに住んでいるかは関係ないよ。僕はプロデューサーだけど、この先の展開は聞かされていない。発言権はあるけど、最終的な決定権はないからね。アイデアを出すだけだ。詳しいことは、ショーン・ライアンに聞くといい。でも、どこの国の人が見ても、ドラマが描く人間性に共感できると思う。不当な暴力にさらされても、人は希望や自由、正義のために戦う。アメリカを知っている人はより興味をそそられるだろうけど、ドラマで描かれていることは世界中で起こっている。すべてが悪ではないし、ただの暴力ではない。善なるものも含まれている。人々が成し遂げてきたことに対する祝福もある。支持政党や信条はさておき、2017年にはトランプが大統領になった。これは今、この国で起こっていることであり、世界中でも起こっていることなんだ。

 

 

 

「S.W.A.T.」は、世界でも受け入れられると思いますか?

世界中で話題になると僕は確信しているよ。ラスベガスで自分の母親を賭けてもいい。母親がいなくなれば、僕には2匹のブルドッグしか残らないけどね。視聴者は、まだ「S.W.A.T.」を見る心の準備ができていないと思う。だから僕たちもとても楽しみだよ。70年代のドラマのテーマを維持しているけど、いろんな要素を追加した。その中には、ちょっとだけ2017年の世相を反映したものも含まれているかもね。