1977年にアメリカで公開されその後世界中で大ヒットした映画『スター・ウォーズ』。そこから巻き起こった世界的SFブームの影響下にあって、TV向けに製作された本格的なスペース・オペラである本作「宇宙空母ギャラクティカ」は、1978年よりアメリカABCテレビで放映された。製作総指揮と脚本にTV「ナイトライダー」のグレン・A・ラーソン、プロデューサーに「超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ」「NCIS ネイビー犯罪捜査班」のドナルド・P・ベリサリオという米TVドラマ界の2大巨頭が名を連ね、TVドラマとしては破格の巨費を投じられた超大作で、今なお多くのファンから支持されている。ラーソンは本作に関し「人類のこの宇宙大脱出<エクソダス>は100万年先の話かもしれないし、あるいは初めてこの地球に住み着いた我々の祖先の冒険物語であるかもしれない。いや、もしかしたら今この瞬間、宇宙のどこかでこれと同じことが起こりつつあるかもしれないのだ」と言っている。
視覚効果を担当するのは、「スター・ウォーズ」』第1作を担当しアカデミー最優秀特殊効果賞を受賞したこの分野の第一人者ジョン・ダイクストラ(本作ではプロデューサーも務める)。全長2km近くもあるという設定の超巨大な宇宙空母ギャラクティカの威容や、そのカタパルトから射出されるヴァイパー戦闘機の発進シークエンスに代表される精緻なミニチュア特撮は、TVシリーズでありながら『スター・ウォーズ』にひけをとらない脅威の迫力で当時の視聴者を熱狂させた。
デザインワークも非常に秀逸で、特に光り輝く銀色の鎧に全身を包んだサイロン兵は、頭部の黒いスリットに赤く光る単眼(モノアイ)のデザインから、翌1979年より放送開始された日本のTVアニメ「機動戦士ガンダム」に影響を与えたのではないかとも言われる。音楽はスチュー・フィリップスが担当だが、壮大で印象的なタイトル曲のみ「ナイトライダー」同様製作総指揮のグレン・A・ラーソン自らが書き下ろした(スチュー・フィリップスと共同名義)。
出演は、本作が代表作となるリチャード・ハッチ、TV「特攻野郎Aチーム」フェイスマン役のダーク・ベネディクト、「ボナンザ」「ルーツ」のローン・グリーン、映画『ネバー・エンディング・ストーリー』のノア・ハサウェイ。