米FOX「BONES　―骨は語る―」は2005年から2017年まで12シーズン続いた人気シリーズ。放送当時、主演の一人デヴィッド・ボレアナズがシーズン8での終了をSNSで匂わせ、ファンを心配させたことがある。
そのデヴィッドのSNS投稿とは、毎年米サンディエゴで開催されているエンタメ・イベント、コミコン前に投下されたもの。
「2012年のコミコンはお祭り騒ぎになるかもね、もしかして『BONES　―骨は語る―』にとって最後のコミコンになるかもしれないんだ。皆に会えるのが楽しみだよ。まあスポーツに例えると、シーズンオフに僕がフリーエージェントになるってことかな」
スポーツ好きのデヴィッドらしい例えだが、要はシーズン8をもって「BONES　―骨は語る―」出演契約が切れるということ。それは、もう一人の主役エミリー・デシャネルも同じだったという。

もちろん、「BONES　―骨は語る―」はその後シーズン12まで継続したわけだから、ファンの心配は杞憂に終わった。
では、デヴィッドはなぜちょっぴり度の過ぎた内容を投稿してしまったのだろう。「BONES　―骨は語る―」クリエーターのハート・ハンソンは、デヴィッドの投稿後、400通もの問い合わせメールを受け取ったという。
「(シーズン8を)最終シーズンにするつもりは全くありません。そりゃ、何が起こるか分からない世の中ではありますけれど、絶対にシーズン9まではやります」と米エンタメ誌の取材に力強く答えたハンソン。主演俳優の投稿を一挙両断で否定した。
実はこれ、「BONES　―骨は語る―」出演延長契約を前にした、デヴィッド流の交渉ではなかったかと噂されている。
「まあ、本気の部分も少しはあったでしょうね。契約がシーズン8で切れるから、『ねえ、僕を気に入ってるなら、あと幾らくらい(出演料を)上げてくれる?』ってことでしょう」(ハンソン)
一般的にTVシリーズの出演料は最初の数シーズンでは低く抑えられると言われている。そのため、複数シーズンを重ねた後に結ぶ再契約では、出演料が跳ね上がるというわけだ。

「BONES　―骨は語る―」でエミリーとデヴィッド、主演二人の契約交渉が不発に終われば、シリーズ終了となりえただろう。「BONES　―骨は語る―」ほどの人気ドラマシリーズで考えにくい話ではあったが、絶対に無いとも言い切れなかったのだ。
その半年後、「BONES　―骨は語る―」のシーズン9継続が決まった。デヴィッドはファンを心配させたSNS投稿について後日談を語っている。
「(シーズン8で)契約が切れるので、新しい仕事の声がかかっていました。けれど、(『BONES　―骨は語る―』製作側と)皆で話し合い、妥協点を見つけることができました。たくさん話し合って、僕の役をどう進展させるか決めたのです。すごくハッピーな気分ですよ」
TVドラマシリーズ屈指の売れっ子の一人だけに、今後の展開に納得できなければ次の仕事と考えていた時期もあったようだ。画面の裏側には映らない、いくつもの葛藤を乗り越え、「BONES　―骨は語る―」は現在も愛されるロングランシリーズとなったのだ。

＜「ew.com」　2012年6月14日＞