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海外ドラマ最新レポート Vol.760  若くしてスターのデヴィッド・ボレアナズ 「BONES ―骨は語る―」はオーディション無しの特別扱い

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米FOXの大人気ミステリー「BONES ―骨は語る―」で主役の法人類学者ブレナン(エミリー・デシャネル)の相棒となる、FBI捜査官ブースを演じているのがデヴィッド・ボレアナズ。
実はそのデヴィッド、「BONES ―骨は語る―」にはオーディション無しでキャストされている。
映画やTV、どんな作品にも出演オーディションがあると言われるハリウッド。スーパースターとなれば、役がオファーされることもあるだろうが、基本的には小さな役でもオーディションが実施されるという。
「BONES ―骨は語る―」のような4大TVネットワーク(NBC、ABC、CBS、FOX)で放送されるドラマシリーズならなおさら、メインのキャスティングは慎重でなければならないはずだ。


それだけに、デヴィッドのオーディション無しでの抜擢は例外中の例外。
「BONES ―骨は語る―」クリエーターのハート・ハンソンは、シリーズ構想当初から主役(ブレナン)は女性と決めていた。同時にブレナンと対になるパワフルな男性キャラクターも必要だと考えていた。
ハンソンは数カ月にわたり、その男性キャラを演じる俳優のオーディションを敢行。ブレナンのロマンス相手になりそうなイケメン俳優はわんさかいたが、それだけではどうにも不十分だった。
苦戦するハンソンに当時のFOX女性幹部から紹介されたのがデヴィッド。当時デヴィッドは「バフィー~恋する十字架~」のエンジェル役でブレーク、スピンオフの主演シリーズ「エンジェル」が終了したばかりだった。
ハンソンは、デヴィッドに失われてゆくレトロな米国人男性の面影を見た。「BONES ―骨は語る―」は時にコメディを織り交ぜるものの、扱う事件は重大でショッキング。視聴者にミステリーとしての前提を伝えるためには、力強く威厳のある存在感が必要だと考えていたのだ。


ハンソンの描いたブース像にぴったりで、かつTVスターとして実績十分のデヴィッドにオーディションは無用だった。正直に言えば、それほどブース探しに手こずっていたのかもしれない。
主役のブレナン役が決まったのはその後のこと。ブレナン役のキャスティングにはデヴィッドとの相性が重要視された。エリザベス・ローム(『LAW & ORDER』)も有力候補として挙がっていたが、デヴィッドとの相性の良さから、エミリーが選ばれたのだとか。
それほど手間をかけて探したデヴィッドだが、パイロット版の段階ではレギュラーではなかったという。あるシーンの撮影時に「二人の関係をもっと見たくなった」とハンソンが大胆に方向転換、デヴィッド演じるブースをレギュラーに昇格させたのだ。


特別扱いで出演が決まり、トントン拍子でメインキャラクターへの昇格も決まったデヴィッド。この瞬間「BONES ―骨は語る―」の12シーズンに渡る、長い長い道のりが始まったのだ。



<「collider.com」 2024年5月29日>