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海外ドラマ最新レポート Vol.758  「ふたりは友達? ウィル&グレイス」のエリック・マコーマック、デブラ・メッシングとの相性は始めから最高

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カナダ人俳優のエリック・マコーマックが米エンタメサイトのインタビューに答え、代表作であるシットコム「ふたりは友達? ウィル&グレイス」の共演者デブラ・メッシングとの思い出を明かした。


「僕が役を取れたのは、1998年の2月のことでした」
米NBC「ふたりは友達? ウィル&グレイス」の主役の一人ウィル役に選ばれた当時を振り返るエリック。実はその一年前、別のシットコムにキャスティングされていたものの、パイロット版撮影の段階で役そのものをカットされるという苦い経験があった。
それだけに役をゲットしたとはいえ、手放しで喜んだわけではなかった。なにしろ、タイトルロールのもう片方、グレイス役がまだ決まっていなかったのだ。
「デブラに決まるまで、一カ月以上かかりました。その一カ月の間、僕は女優たちのオーディションの相手をしました。少なくとも10人以上はいましたね」
本当に自分にピッタリの人が来るのだろうか? エリックにはどんな相手が最適なのかも分からなかった。
「もし僕がイマイチだと思う人が選ばれたら、その人と長くやっていかなければならないんだろうか? でも、そうだとしたら長くは続かないだろう。主役の二人にケミストリーがなければ、番組がうまくゆくはずがない、そんなふうにも思いました」


秋から始まる新作のパイロット版はたいてい春頃撮影される。パイロット版の出来次第で、本放送されるか否か決まるというわけだ。
それなのに「ふたりは友達? ウィル&グレイス」の場合、主役の片方(グレイス役)が3月になっても決まらない。タイムリミットが迫っていた。
「グレイス役にぴったりの女優が現れなければ、番組は前に進めないことが分かっていました。デブラは、本当に最後の最後に現れたのです」
デブラ・メッシング、赤毛にクリっとした目が印象的な女優はすでに、米ABCのミステリーシリーズ「Prey(原題)」のスターとして世に羽ばたこうとしていた。同シリーズが打ち切りとなったため、デブラは次の仕事を探し始めたのだった。
「デブラはちょうど(出演作の)契約が切れたばかりで、自由な状態でした。僕らは日曜だというのに、ジム・バロウズ(TVシットコムの有名監督)の自宅に集まりました。NBCの幹部やらたくさんの人が来ていました」


なぜ日曜だったかと言えば、デブラのスケジュールの空きがその時間しかなかったから。それほどデブラは売れっ子の階段を駆け上っていたのだ。
デブラのオーディションが始まった。相手役はもちろんエリック。
「部屋にいる全員の安堵の声が聞こえた気がしました。『これで番組が進められる』と。僕らは初めから最高のケミストリーでした」
真ん中に空いたままのパズルのピースがはまった瞬間だった。
そして準主役の二人も最高だった。ジャックとカレンだ。
「ショーン・ヘイズは初めからジャックでした。ミーガン・ムラリーもカレン役のコツをつかみしました。いくつかエピソードを撮影するうちに、ミーガンはカレンの声を生み出したのです」
ジャックのキャラクターやカレンの声は、まさに身をもって創り上げた飛び道具のようなもの。登場するだけで笑いを生み出す。


かくして最高の4人が揃った「ふたりは友達? ウィル&グレイス」は、1998年から2006年まで8シーズン続き、時を経て2017年から3シーズン継続、そしてフィナーレを迎えた。
「フレンズ」や「ビッグバン☆セオリー ギークなボクらの恋愛法則」など大ヒットシットコムと並び、時代を作った「ふたりは友達? ウィル&グレイス」。その成功の第一歩は粘りに粘ったキャスティングにあったのだ。



<「avclub.com」 2016年12月23日>