
ブリトニー・スピアーズ、ジャスティン・ティンバーレイク、クリスティーナ・アギレラそしてライアン・ゴズリング......彼らの共通点と言えば? 米エンタメ好きなら答えは簡単、彼らは皆、1980年代後半から90年代前半にかけてディズニー・チャンネルで放送されていた「The All New Mickey Mouse Club(原題)」(MMC)のメンバーなのだ。
子供向け番組とあって、ブリトニーやジャスティンもまだ10代前半。歌って踊って、コントも演じる。後のスーパースターたちがその才能を磨いた番組だった。
実はそのMMC、「フェリシティの青春」のケリー・ラッセルも一員だったという。ブリトニーたちと比べると、ちょっぴりお姉さん。ケリーがMMCに加入したのは15歳の時だ。
当時について「メンバーの中で自分が一番才能が無いと思っていました」とケリー。ダンススクールへは奨学金をもらって通うなど、ステージでの才能にも恵まれていたが、いかんせん周りが凄すぎた。
「彼らを見て、なぜ私が選ばれちゃったのだろうと悩んでいました。それくらい大変でした」(ケリー)
4年間のMMC活動の後、脱退。「コテンパンにやられて、頭がおかしくならないうちに」と、ケリーは活動の場を芝居へ移した。
仲間のパフォーマンスに自信を喪失したこともあったが、演技の才能は見出された。17歳で映画『ジャイアント・ベビー』、さらにシットコムのゲスト出演を重ね、後に大物プロデューサー、アーロン・スペリング(『ビバリーヒルズ高校白書』)製作の青春ドラマ「Malibu Shores(原題)」で主演、「フェリシティの青春」へとつながってゆくのだ。
ブリトニーやジャスティンのポップスターとしての活躍はもちろん、同じ俳優仲間となったライアン・ゴズリングは映画『ラ・ラ・ランド』や『バービー』で歌やダンスを披露した。
「フェリシティの青春」以降も「ジ・アメリカンズ」や「ザ・ディプロマット」などシリアスな出演作が続くケリー。女優としての評価は今やトップクラス、もはやコテンパンにやられることなどありえない。いつの日か、MMC仕込みの隠された才能を見せてくれることを期待したいものだ。
<「people.com」 2023年10月3日>