
スーパー!ドラマTVは11月から2026年初頭にかけて〈スパドラ!SF特集〉と題し、SF海外ドラマの名作・話題作を大特集中だが、12月で気になるのは「宇宙空母ギャラクティカ」の"劇場版・水曜ロードショー版"とHD版がチャンネル初放送となる"TVシリーズ版"だ。
まず事実関係をおさらい。ちなみに日本テレビでの初放送時、邦題は「宇宙空母ギャラクチカ」だったが、本稿では基本的に「~ギャラクティカ」に統一。
映画「スター・ウォーズ」が大ヒットした1977年、米ユニバーサル社はSF戦争ドラマの企画を探し、後に「ナイトライダー」やオリジナル版「私立探偵マグナム」などヒット作を連発するクリエイター、グレン・A・ラーソンが企画。
番組の試作品=パイロット版は通常、TVの2時間枠用に作られるが、本作はいきなり3時間枠用に製作。これは約2時間半あったが2時間に再編集した短縮版が映画館で公開(日本公開時に当時小学生の筆者は新宿ミラノ座で見た)。
そして1981年、日本テレビ日曜夜8時枠で放送されていた国産ドラマ「黄土の嵐」が低視聴率で打ち切られると同局が後番組に準備したのが「宇宙空母ギャラクチカ」だ。日曜夜の地上波ゴールデンタイムに海外ドラマ、は当時かなり画期的だったが、春改編までのつなぎだったようでオリジナル版のほぼ半分、全10話にまとめられてオンエア。
スーパー!ドラマTVのHD版は1時間版の全23話なのでご安心を。
さて"劇場版・水曜ロードショー版"(日曜の放送開始の4日前に洋画劇場枠「水曜ロードショー」で放送)の吹き替え版のお楽しみは、続く日曜夜の放送と同じ声優陣。アポロ役のささきいさお氏とターバック役の富山敬氏(アニメ「宇宙戦艦ヤマト」でつながっている!)など名優が集まった。
もちろん、かつてスーパー!ドラマTVが放送した傑作「バトルスター・ギャラクティカ」の原点でもある。
貴重なチャンスなのでぜひお見逃しのないように。
【海外ドラマ評論家 池田敏 2025/11/28】