TVシリーズ「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」で横暴かつちょっぴりおバカな皇帝ピョートルを演じているニコラス・ホルト。売れっ子の英国人俳優は、2024年から25年にかけて、多忙な一年を過ごしている。充実したキャリア、そして私生活について、米誌のインタビューに答えた。
2024年は声の出演も含め、4本の映画に出演、さらに2025年には大作『スーパーマン』の公開も控えるニコラス。それぞれ毛色の変わった作品への出演は、俳優として技量が認められた証でもある。
そして「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」では、コメディ調の演技も評価された。
「僕はコメディが大好きなんです。視聴者から本能的に嫌われる、またはだんだんと嫌われるようなキャラクターを演じるのも好きですね。嫌われ者のキャラクターだって、演じてゆくうちに、(ああ、彼にはこんな一面もあるんだな)とか印象が変わってゆくものです。笑いの要素って大切だと思うのです」
たとえば「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」のピョートル。シーズン1では、てんでダメな奴だったが、シーズンを重ねてピョートルの良さも見えてきた。それが演じるニコラスの芸の見せどころ。加えて視聴者をクスリとさせたなら、俳優冥利につきるというものだ。
俳優として脂の乗った、35歳。私生活も絶好調だ。2017年から交際を始めたモデルのブライアーナ・ホリーとの間に2児がいる。
長男のホアキン君とは一緒にNBA観戦する姿がパパラッチされ、仲の良い姿が話題となった。寵愛する子供たちを見て、ふと考えることがあるという。
「僕が彼(ホアキン君)の歳には子役の仕事を始めていました。だから時々、『おい、働けよ』なんて思うことがあります」
もちろんジョークに過ぎないが、長い俳優人生を、我が子を通して振り返る瞬間があるのだろう。
「この仕事をやっていると、素晴らしい時間や思ってもみない経験をさせてもらうことがあります。その一方で大変な困難にぶつかることもある。どの仕事も同じかもしれないですけれど。それでも、自分の情熱を燃やして体当たりできるような何かを見つけられるのは幸せだと思います」
情熱と才能がマッチした仕事を早くから見つけた己の幸運を、我が子にも得てほしいと思う。
「何かを強制したりはしませんが、親としてなるべく多くの世界や物事に触れさせたいと思っています。のめり込める何かを子供たちが見つけ出せるように」
2024年には、長年パートナーの関係だったブライアーナと正式に結婚した。成長した我が子に対する誠意だろうか。ニコラスにはイメージのなかった父親役、これからスクリーンでも挑戦する姿が見られるのかもしれない。
<「vanityfair.com」 2024年12月24日>