ニュース

海外ドラマ最新レポート Vol.683  「NUMBERS 天才数学者の事件ファイル」主演のデビッド・クラムホルツ、若き日の過ち

Numbers_yr5_#81(5-2)_NUM-epi081-809b.jpg
NUMBERS 天才数学者の事件ファイル」の主役“天才数学者”チャーリー・エプスを演じる、デビッド・クラムホルツは、2005年からの6シーズンで、多額の出演料を手にしたと米誌のインタビューに答えている。
 
「目がくらむような、お洒落なフレンチ料理のレストランで6000ドル(約90万円)のワインを開けたりしていました。僕の結婚式はプラザホテルで挙げましたよ、25万ドル(約3800万円)かかりました」
「僕はそういう奴でした」と、まだ30代前半だった自分を笑う。NYで最も有名かつ高級なプラザホテルで結婚式を挙げた若手俳優は、完全にイキがっていた。
当時の自宅はセレブの密集地帯、LA郊外のハリウッドヒルズ。ご近所にはカニエ・ウエストがいた。
4階建てエレベータ付きの物件は、クレイジーな買い物でもあった。
「引っ越したとたん、屋根が雨漏りを始めました。エレベーターが故障し、交換に1万ドル以上かかりました。友達からはさんざんからかわれましたよ。結局、支払えなくなり差し押さえで買い叩かれました。50万ドル(約7600万円)の損になりましたね」
 
お金で済む過ちなら、まだ可愛い。デビッドは、「NUMBERS 天才数学者の事件ファイル」の成功から、チャンスをうまくつなげなかったと感じているという。
「NUMBERS 天才数学者の事件ファイル」が人気だった2006年、デビッドはウッディ・アレン監督の映画『ミッドナイト・イン・パリ』の主役に抜擢された。しかし、その頃、フランスで若い労働者を中心とした抗議運動が勃発。資金繰りに困り、製作は頓挫した。
後にアレン監督は同映画の製作にこぎつけるのだが、スケジュールの都合か、再びデビッドが呼ばれることはなかったという。
 
不運はそれだけではない。2009年に公開されたクエンティン・タランティーノ監督の映画『イングロリアス・バスターズ』でも、デビッドはチャンスを逃した。
タランティーノ監督から直々に出演を打診されたが、断らざるを得なかった。「NUMBERS 天才数学者の事件ファイル」の撮影があったからだ。「もうこんな機会は二度とめぐってこないだろう」と、デビッドは悔しい思いをしたのだとか。
ウッディ・アレン監督やタランティーノ監督作品に出演していれば、また違った人生を歩んでいたかもしれない。しかし、デビッドはスターになることにそれほどこだわってはいないという。どれほど恐ろしいことか親友を通し学んだからだ。
 
デビッドのごく近い友人にセス・ローゲンがいる。
セスのブレイク作品となる映画『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』が全米公開された週末を、デビッドは今も忘れられないという。その週末、デビッドと街へ遊びに繰り出したセスが群衆に取り囲まれてしまったのだ。
「セスは僕の知る限り、もっとも怖いもの知らずな奴ですが、そんな彼の目に恐怖の色が浮かんでいました。そんなこと初めてでした。あの時以来、有名になるということは恐ろしいものなんだと知りました」
名声は求めない。ただ演じることが出来れば幸せ。それが尊敬する監督の作品ならなおさらだ。若い頃のイキがりを円熟味に変え、これからもデビッドはハリウッドで活躍し続けることだろう。
 
 
<「vulture.com」 2024年4月8日>