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海外ドラマ最新レポート Vol.141 「MURDER IN THE FIRST/第1級殺人」のリチャード・シフ 生きづらさに苦しんだ若い頃「演技が僕に生きる意味を与えてくれた」

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MURDER IN THE FIRST/第1級殺人」シーズン1に敏腕の顧問弁護士デヴィッド・ハーツバーグ役で出演していたリチャード・シフ。「ザ・ホワイトハウス」のトビー・ジーグラー広報部長が当たり役、最近では「グッド・ドクター 名医の条件」のアーロン・グラスマン院長役も好評だ。

 
もはや海外ドラマには欠かせない顔となったリチャードだが、意外にもプロとしての俳優スタートは30代と遅め。回り道しながら、20代で初めて演技を学び始めた。
 
「そこで僕は演劇や映画を見るのが好きだったってことを思い出したんだ」
 
若気の至りか、高校を中退し、親元を飛び出した。いったい自分は何のために生きているのか、葛藤の日々もあった。
 
「演技が僕に生きる意味を与えてくれた。心の奥深いところにいる自分を表現したいという気持ちがあったんだね、それを見つけることが出来てなかった。演技をしてみて、初めて気づいたよ」
 
俳優として安定し始めた頃、女優のシーラ・ケリーと結婚、ルビーとガスという2人の子供を授かった。「人間としてありったけの愛」(リチャード)を注ぐ、母親シーラのもと、子供たちは立派に成長しているが、気がかりもある。自閉スペクトラム症と診断された息子のガスに、青少年期の自分を重ねてしまう。
 
「おそらく僕も同じだったんじゃないかと思っている。昔は病名がつかなかったのかもしれないけれど」
 
学校で、職場で、生きづらさを経験したリチャード。そこから救ってくれたのも演技だった。
 
「演技のクラスを取ったのは、社交性をつけるという目的もあった。ほかに方法が思いつかなかったからね」
 
人と交わり、自己を表現する。リチャードにとっては演技が最高のセラピーだったのだ。
 
幸いにも俳優として仕事は途切れることなく、家庭では愛する妻と子供たちに囲まれる日々を送っている。
 
「週末の夜なんて子供たちは友だちと遊びたがるものだろう? だけど、うちの子供たちは家族と一緒にいたいって言うんだ。嬉しいじゃないか!」
 
もがき苦しんだ青春時代を経て、熟年リチャード・シフ、今が人生最高の時だ。
 
 
<「closerweekly.com」 3月9日>