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海外ドラマおすすめコラム vol.112 アーウィン・アレン、不滅のSF魂! 名作「巨人の惑星 シーズン1 完全版」

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2026年1月のスーパー!ドラマTVの目玉の一つは「巨人の惑星 シーズン1」完全版。1968年から作られたSFドラマの名作だ。
旅客宇宙船スピンドリフト号はロサンゼルスからロンドンに向かう途中、謎の光に引き込まれ、巨大な人間たちが暮らす星に到着する。機長スティーブら7人は地球に戻れるのか。
ちなみに同じ1968年、似たタイトルのSF映画『猿の惑星』が全米公開されたが、これは偶然。
本作の原題は"Land of the Giants(巨人の土地)"で、日本でもヒットした『猿の惑星』にあやかったはず。


本作のクリエイターについてご紹介。アーウィン・アレンだ。
後に映画界で2本のパニック映画大作、『ポセイドン・アドベンチャー』『タワーリング・インフェルノ』を大ヒットさせる。
TV界ではこの「巨人の惑星」の前に「宇宙家族ロビンソン」「原子力潜水艦シービュー号」「タイムトンネル」も放ったSFドラマの巨匠だ。
アレンがユニークだったのは、「原子力潜水艦~」で先行した映画『地球の危機』のシービュー号のセットを流用したり、「タイムトンネル」で20世紀フォックス映画の旧作の映像を多数使ったりと、映画より製作費が少ないドラマであっても大スケールをめざしたこと。
だが「巨人の惑星」では主人公たちを小さく見せるため、映像を重ねる合成も使いつつ、12倍もある巨人の世界の一部を実際にセットで作ってしまった。つまり「巨人の惑星」は製作当時としては破格の大作だった(映画界の名美術監督ネイサン・ジュランが演出することも)。


時は過ぎ、「宇宙家族ロビンソン」は『ロスト・イン・スペース』として映画化・リブートされ、1990年代以降はVFXを駆使するパニック映画の人気は再燃してそのまま定着。アレンの先見性・影響に関心しつつ、もうこんなSFドラマは作られないという意味で「巨人の惑星」、伝説の一端を目撃してほしい。
未ソフト化・未配信である日本語吹替の"完全版"なのも貴重!!



【海外ドラマ評論家 池田敏 2025/12/29】


池田敏:海外ドラマ評論家。映画誌「スクリーン」などに寄稿し、TV・ラジオで出演や監修をすることも。著書は「『今』こそ見るべき海外ドラマ」(星海社新書)など。