
米NBCで1998年からスタートした「ふたりは友達? ウィル&グレイス」は、2006年まで計8シーズン放送されたのち、なんと2017年に再開し、さらに3シーズンに渡って放送された大人気シットコムだ。
その主役の一人グレイス・アドラーを演じたのが、デブラ・メッシング。「ふたりは友達? ウィル&グレイス」の他にも「ママさん刑事ローラ・ダイヤモンド」「SMASH」などのTVシリーズで知られている。
そのデブラが米のトーク番組に出演、「ふたりは友達? ウィル&グレイス」一度目の終了時(2006年)に大激怒した一件を明かした。
「ドアが欲しい、と言ったんです」とデブラ。
長年続いたシリーズの終了時、出演者が小道具などを記念にもらうのはよくある話。デブラも記念に何か欲しいものがあるか、NBC側から尋ねられたという。
そしてリクエストしたのが、ドア。デブラが演じたグレイスのインテリア・デザイン事務所「グレイス・アドラー・デザインズ」入り口のドアだ。ちなみにこの事務所には超個性派キャラ、カレン・ウォーカー(ミーガン・ムラリー)もアシスタントとして勤務していた。このドアの向こう側で、たくさんの笑いやトラブルが生まれたのだ。
主演女優のリクエストに「もちろんです、どうぞ!」とNBC側はすんなりOK。意気揚々とデブラはドアを自宅に持ち帰ったはずだ。自身の代表作を象徴するドアは我が家最高のインテリアになると思ったに違いない。
しかし、ご機嫌だったのもつかの間、その二日後、一本の電話でムードは一変した。
「NBCから電話がかかってきたのです。『ドアの材料代は、250ドルになります』と。そのドアを作るのにそれくらいかかったと言うのです。もし私がドアを持って帰らなかったら、他の番組に使いまわせたというのが彼らの言い分でした」
当然、デブラは収まらない。「ふたりは友達? ウィル&グレイス」は、「フレンズ」と並んで、当時のNBCを代表するシットコムでもあった。
「私は『バカ言わないでよ!』と怒鳴りつけました。『私はNBCに何億ドルも稼がせてあげたのに、今さら250ドルを返せと言うの?』と」
デブラのもっともな反撃にNBCも恐れをなし、請求を早々にひっこめたのだとか。
最初にドアの持ち帰りを許可していることから、おそらく請求はNBC側のミスだったに違いない。今となってはトーク番組で語れるくらいの笑い話。思い出とプライドがつまった「グレイス・アドラー・デザインズ」のドアは、今もデブラの家で大きな存在感を放っていることだろう。
<「ew.com」 3月27日>