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海外ドラマ最新レポート Vol.598  「スタートレック ディスカバリー」ソネクア・マーティン=グリーン、ファンの批判も受け入れる

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スタートレック ディスカバリー」で主人公のマイケル・バーナムを演じるソネクア・マーティン=グリーンが、米エンタメサイトのインタビューに答えた。「スタートレック」シリーズを支える熱心なファンについて正直な思いを明かしている。
 
「スタートレック ディスカバリー」は、「スタートレック」のファンからしばしば批判の的となっていた。それは「スタートレック ディスカバリー」が従来の「スタートレック」のストーリー形式を踏襲しなかったからだ。
「スタートレック ディスカバリー」は、一話完結ではなく、ストーリーがシーズンを通して継続するシリーズであること。さらに登場キャラクターの感情が深く描かれていることも、「スタートレック」シリーズには珍しい。
 
1966年にスタートしたオリジナルシリーズ「宇宙大作戦/スタートレック」から、「新スタートレック」「スタートレック/ディープ・スペース・ナイン」など数々のフランチャイズが生まれた。どのシリーズも登場キャラクターは違えど、オリジナルのスタイルは守られてきたのだ。
だから、「スタートレック ディスカバリー」は本物ではない、長年のファンの中には「スタートレック ディスカバリー」を亜流とみなす声もある。主演のソネクアも彼らの意見は耳に入っている。
「『スタートレック』シリーズ、そして『スタートレック ディスカバリー』のファンの皆さんはとても熱心で、知的な方々でもあります。彼らはある意味『スタートレック』の一部とも言えるのです。長年彼らはそう思ってきたし、それが大変意味のあることなのです」
 
「スタートレック」ファンをちまたでは“トレッキー”と呼ぶ。そんな言葉が生まれるほど、“トレッキー”の存在は市民権を得ていた。
「だから彼らの声は無視できないのです。たとえそれが私たちの意見と違っていても、有難いと思えるくらいです。彼らがどれほど『スタートレック』を大切に思っているか、私たちは知っています」
ソネクアはファンの声を全身全霊で受け止めている。ガチのファン、“トレッキー”のそれは、SNSにあふれる無責任な意見とは別物だからだ。
 
とはいえ。ソネクアは彼らの声を聞きはすれど、迎合するわけではない。
「私たちは自分たちが作り上げたストーリーに誇りを持っています。(『スタートレック』ユニバースの中で)変化をつけるのは簡単ではありません。難しかったけれど、私たちはやってのけたと思うのです」
過去に寄り添い、似たような世界を焼き直すのは易しかったかもしれない。けれど、「スタートレック ディスカバリー」はそれを良しとしなかった。ソネクアらのチャレンジは粘り強く続いた。
「(シーズンを重ね)ファンの皆さんも私たちのストーリーを受け入れてくださいました」
新しい「スタートレック」ユニバースのドアは開かれた。「スタートレック ディスカバリー」の後に、「スタートレック:ピカード」「スタートレック:ストレンジ・ニュー・ワールド」などフランチャイズが次々生まれた。
 
もはやあの頃の「スタートレック」シリーズではない。それを受け入れ始めた“トレッキー”たちと共に「スタートレック」ユニバースは一段と拡大する。
 
 
<「radiotimes.com」 2022年7月7日>