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海外ドラマ最新レポート Vol.489  「NUMBERS 天才数学者の事件ファイル」のジャド・ハーシュ、史上最高齢オスカー受賞の記録逃す

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NUMBERS 天才数学者の事件ファイル」のジャド・ハーシュが、3月12日(現地時間)に開催された第95回アカデミー賞で、ある大記録を逃した。 大ベテラン俳優のジャドは、3月15日が88歳の誕生日。今も現役で活躍していること自体奇跡と言えるが、なんと出演した映画『フェイブルマンズ』で今年のアカデミー賞助演男優賞にノミネートされていた。もし、ジャドが受賞していたなら、2021年に主演男優賞を83歳で受賞したアンソニー・ホプキンスの史上最高齢受賞記録を更新していたのだ。
 
ジャドは、自身の助演男優賞含め複数のノミネートを受けていたスティーブン・スピルバーグ監督作品『フェイブルマンズ』について、「スティーブンへの敬意もあると思いますが、映画がとても良く描かれていて、演技も素晴らしかったからでしょう」と賛辞。そして、自身のノミネートは「予想もしてなかった、運に恵まれました」と謙遜しながらも、「私がノミネートされたのは『彼(ジャド)も良くやった。この映画のキーマンの一人だった』と皆に思われたからと信じたいですね。『彼はもう歳なんだから、アカデミー賞にノミネートしてあげよう』なんて思われたくありません」と熱弁。ノミネートが“功労賞”でないことを心から願っていたのだ。
 
12日に行われた授賞式で、同賞を手にしたのはキー・ホイ・クァン(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)。ゴールデングローブ賞やSAG賞に続く受賞で、下馬評通りの結果だった。 ジャドの大記録はならなかったが、そもそも当人は最高齢受賞記録などハナから眼中になかったらしい。 授賞式の日はまだ87歳だったジャド、「誰もがこの映画を愛していると思うし、私も上手くやれたと思うから受賞を願っています。でもチャリティなら要りません。『彼はもう87歳なんだから、(賞の)一つくらいくれてやろう』なんて理由なら御免ですね。私は興味ありません」ときっぱり。
 
最高齢受賞記録は塗り替えることができなかったものの、実は別の記録をすでに塗り替えていた。それは前回アカデミー賞にノミネートされてから次にノミネートされるまでの期間の長さ。ジャドが前回ノミネートされたのは、1980年の映画『普通の人々』で、今回のノミネートは実に41年と341日ぶりの名誉だった。これまでの記録はヘンリー・フォンダが持っていた41年と1日だったという。さらに次の記録も射程距離に入ってきた。それは2018年にクリストファー・プラマーが88歳で樹立した史上最高齢のノミネート記録だ。
 
演技派で今も仕事に恵まれるジャドなら、記録更新も可能かもしれない。チャリティではなく、実力の証として次のアカデミー賞ノミネートに期待したいものだ。
 
 
<「townandcountrymag.com」  3月12日>