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海外ドラマ最新レポート Vol.338  「カジュアル」シリーズ最終章 現場は涙、涙、涙

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精神科医ヴァレリー(ミカエラ・ワトキンス)、その娘で多感な10代のローラ(タラ・リン・バー)、そして大人になりきれない弟アレックス(トミー・デューイー)。三者三様の生き方をユーモアを交えて描く「カジュアル」がシーズン4で最終章を迎える。そのフィナーレにあたり、クリエーターのザンダー・レーマン、出演者らが思い出を語っている。
 
「(撮影の)最後の一週間はずっと泣いてたよ」とちょっぴり感傷的に語るのは、トミー・デューイー。特に姉役のミカエラ・ワトキンスとのシーンが堪えたらしい。 「僕の中の感情の一番繊細なところを刺激されたみたいだった。僕らはリハーサルさえもできなかった。とにかく涙が出てきちゃうんだ。最後は『もういいから本番を始めよう』となってしまった」
 
ミカエラは自己申告ながら、主演らしく踏ん張ったという。「最終シーズンは私たちの意地みたいなものを見せることができたんじゃないかしら。『カジュアル』は最後までクオリティを貫いたと思うわ」 それでも最後の最後は感極まった。「(製作総指揮の)ジェイソン・ライトマン監督が最後に『カット!』と叫んだ時、もう限界だったわ。私たちは皆、涙で顔をぐしゃぐしゃにして立ち尽くしたのよ」
 
そして撮影の後、一人涙にくれたのがザンダー・レーマンだ。製作総指揮でもあるレーマンは編集にも立ち会った。撮影されたシーンを見返すと、さまざまな思い出が寄せては返す。 「出演者は皆、涙を堪えていた。演技を見るとそれが分かるんだ。だから1シーン1シーン見るたびに僕も泣いていた」
 
涙、涙、涙のフィナーレ。レーマンにとって、「カジュアル」シーズン4での終了は納得のいくものだったという。「シーズンを重ねるごとに、全てのストーリーを現実的かつナチュラルに描くことが難しくなっていた。同時に視聴者を引き付けるようなストーリーでなければならないからね」「カジュアル」はその名の通り、3人の日常を描いてきた。突飛なストーリーラインでそれまでの関係をかき乱すのは簡単だったかもしれない。しかし、レーマンたちはあくまでも日常にこだわった。
 
「どうシリーズを終わらせるのが相応しいか考えていた。このフィナーレで満足している。もう1シーズンできたかどうか、僕には難しく思えるね」 だからレーマンたちの涙は後悔でも悔しさでもはない。一つの作品を作り上げた喜びの涙だ。4シーズンを駆け抜けた視聴者なら、きっとその涙を共有できることだろう。
 
 
<「pagesix.com」    2018年7月31日>