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スパドラ!最新USレポート Vol.516:「NCIS: LA 極秘潜入捜査班」のクリス・オドネル、人生を変えたオーディション

May 10, 2017

NCISLA_yr1_us250_0510.jpg全米視聴者数ナンバーワン・ドラマ「NCIS ネイビー犯罪捜査班」のスピンオフ、「NCIS: LA 極秘潜入捜査班」で主演を務めるクリス・オドネル。映画『フライド・グリーン・トマト』『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』や『バットマン』シリーズなど、若くしてヒット作に恵まれたイメージのあるクリスだが、その成功にはあるオーディションの教訓があるという。

シカゴ郊外出身のクリスは、少年期から俳優を志し、14歳からオーディションを受け始めた。バスケットボール界のレジェンド、マイケル・ジョーダンと共演したマクドナルドのCMで注目されたこともあったが、念願の映画デビューには少し時間がかかった。17歳でオーディションを受けた、『Men Don’t Leave(原題)』だ。当初、クリスは、ジェシカ・ラング、キャシー・ベイツと豪華なベテラン勢が共演するドラマ作品のオーディションに、気乗りがしなかったと明かしている。

「(『Men Don’t Leave』 のオーディションを受けた時は)僕はまだ17歳のバカ野郎。この映画のオーディションに行くなんて、時間の無駄だと思ったんだ。100万年かかったって、(主演の)ジェシカ・ラングの相手役なんかにキャストされることは無いと思ってた。だから、オーディション会場まで1時間もかけて行くなんて御免だとね」

7人兄弟の末っ子として生まれたクリスは、自らの少年期を「甘やかされて育ったダメな奴」と認めている。少年期のオーディションには母ジュリーさんが送迎していたが、青年期に差し掛かった息子を母とて無理に連れてゆくことはできない。祈るような気持ちだったのか、ジュリーさんはクリスにメモ書きを残した。

「母はメモで、こう書いていた。“行かなきゃダメ、あちら(キャスティング担当者)はあなたを本当に気に入っているのよ”と。僕はすでにその映画の一次オーディションに受かっていた。だから、母は僕に二次オーディションも受けてほしかったんだ。結果的にそのオーディションが僕の人生を変えた、役を取れたんだからね。母に特別なコネがあったとか、そんなんじゃない。ただ母は粘り強かっただけ。もう1回だけオーディションを受けてみよう、何が起こるかなんて誰にも分らないってね」

人生を変えたオーディションには、母の大きなアシストがあったのだ。

ジュリーさんの子どもの頃の夢は女優になること。自分の夢はかなわなかったが、息子が代わりにハリウッドスターになった。「僕が俳優になって、母の夢もかなったようなものさ」とクリス。甘えん坊の末っ子は、母にとって最高の孝行息子に育ったようだ。


<「parade.com」 4月30日付け>