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海外ドラマ最新レポート Vol.750  ノア・ワイリー、「レバレッジ 詐欺師たちの償い」は大人と子供が一緒に楽しめるドラマ 

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先日開催された第77回エミー賞でドラマ・シリーズ部門最優秀主演男優賞を受賞したノア・ワイリー。「ザ・ピット / ピッツバーグ救急医療室」での熱演が評価されての栄冠となったが、同作と同時進行で製作されていたのが、「レバレッジ 詐欺師たちの償い」だ。
「レバレッジ 詐欺師たちの償い」は、大ヒットドラマ「レバレッジ ~詐欺師たちの流儀」の続編。ノア演じる弁護士ハリー・ウィルソンは、続編からの登場だ。ハリーの存在が、「レバレッジ」の仲間たちを再結束させるのに大きな役割を担っていると、ノアは考えている。
「ハリーが己の生き方を見直し、心変わりしたことが、『レバレッジ 詐欺師たちの償い』の仲間たちを再び決起させる結果となったのです」
企業弁護士としてキャリアを築いてきたハリーは、自らの勤勉がずるい経営者らの悪行を手助けするものだと気づく。去って行った家族の信頼を再び得るため、法の知識を生かし、彼らを出し抜くことを決意。縁あって、「レバレッジ」の面々に合流するのだ。


出演に加え、ノアはエピソード監督、そして脚本も担当している。
「TVドラマシリーズの1シーズンを完走するのがどれほど大変か、脚本チームの一人として体験させてもらいました。僕らはやり遂げましたよ、シーズン1は大成功したと思います」
TVドラマ界の大ベテランも脚本となると、まだまだ新鮮な学びがあった。たとえば、1エピソード42分で構成される「レバレッジ 詐欺師たちの償い」には、かならず守らなければならない脚本上のルールがある。
「(TV界では)脚本1ページが1分間のシーンに相当すると言われています。だから脚本は全体で50ページ以下にしておかないと、絶対に42分の尺には収まりません」
さらにメインキャラクター、5人ーハリー、ソフィー(ジーナ・ベルマン)、エリオット(クリスチャン・ケイン)、パーカー(ベス・リースグラフ)、ブレアナ(アリース・シャノン)......、には各々の見せ場がある。全5幕で、現代の風潮に沿ったストーリーと視聴者の感情を揺さぶるストーリーを交え、番組のテーマである詐欺は、成功するものと不成功に終わるものが一つずつ描かれる。
「以上のルールを1エピソードの脚本にまとめるのは本当に難しいのです。だから実現できた時は感激しました」


毎話決まった流れがあるとなれば、その定型を嫌う人もいるかもしれない。しかし、TVドラマが複雑化し、イレギュラーが増えた現代だから、「レバレッジ 詐欺師たちの償い」の良さもある。
「このドラマの人気はストーリーよりむしろ、トーンにあるのでしょう。すごく愉快に思えます。この頃はお茶の間で大人と子供が一緒に楽しめるような番組はほとんどありませんからね」
大人も子供も痛快な気分にさせてくれる「レバレッジ 詐欺師たちの償い」。現代こそ、こんなTVドラマが必要だ。



<「upi.com」 2022年11月23日>