
「Dr. HOUSE」は、2004年から8シーズンに渡り、米FOXで放送された伝説のTVドラマシリーズ。皮肉屋の診断医グレゴリー・ハウスが、若手医師チームとともに診断不能な難病に挑む医療ミステリーだ。そのクリエーター、デイヴィッド・ショアが米エンタメ誌のインタビューに答え、ファンが待ち焦がれるリユニオン(同窓会)やスピンオフについて語っている。
本国米で「Dr. HOUSE」の放送が終了して、はや13年。ハウス医師(ヒュー・ローリー)は今、どこで何をしているのだろう? クリエーターのショアなら知っているのかも。
「決めつけはしたくありません。なぜなら時々それが頭をよぎるからです。どうすれば、ハウス医師の今を探ることが出来るだろうかと」
もちろんハウス医師は架空の人物だから、ショアの言う"探る"とは、あくまでもストーリー上のこと。リユニオンにつながる"探り"だ。
「ハウス医師やジェームス・ウィルソン医師(ロバート・ショーン・レナード)が、今頃どうしてるかなんて考えつきません。考えたくないわけじゃないけれど、そこからリユニオンという形にするのは難しいですからね」
ヒュー・ローリーがかつて口にしていた、ハウス医師の人となりを表す言葉があるという。
「ヒューがこんなことを言っていたものです。『ハウス医師はパーティーに遅れてやって来るタイプというよりむしろ、パーティーから一番先に帰るタイプの人間だ』と。だから皆が『あれ、ハウス医師はどこ』とか『まだいたはずだけど』なんて、彼の姿を探すことになる」
ちょっと物足りないくらいがちょうど良い。目に余るようになったら、もう人気者じゃない。なんともハウス医師らしい考えだ。
そして難題がもう一つ。ハウス医師のストーリーをもう一度創り出すこと。なにしろオリジナルが極めて素晴らしかったから、アレを超えるのは至難の業。ハウス医師のレガシーは守らねばならない、それがクリエーターの務め。
では、別のキャラクターを軸としたスピンオフはどうだろう?
「実際に考えたことはあります。だけど、オリジナルが終了してこんなに時間が経つのに、誰か一人のキャラクターをつまみ上げて主役にするのは抵抗があります。僕は全部のキャラクターが好きなんです。選ばれなくてがっかりさせるようなことはしたくありませんね」
自らが創り上げたキャラクターたちをハッピーなままにしておきたいから、スピンオフは考えない。「グッド・ドクター 名医の条件」や「スニーキー・ピート」など数々のヒットシリーズを抱えるショアとて、「Dr. HOUSE」は特別なのだ。
「ハウス医師はきっとどこかで、彼"らしく"やってますよ」とショア。もう二度と表舞台には出なくとも、彼の愛するキャラクターは、これからもずっと"らしく"生き続ける。
<「ew.com」 2024年11月16日>