「ブラックリスト」で主役のレイモンド・"レッド"・レディントンを演じるジェームズ・スペイダー。「ボストン・リーガル」や「ジ・オフィス」を始め、海外ドラマファンにもおなじみのジェームズだが、かつては『セックスと嘘とビデオテープ』『クラッシュ』など、銀幕が似合う"映画スター"だった。
以前のインタビューで、ジェームズは「長い間、同じ役を演じ続けるのは無理。飽きてしまう」と話していた。1シーズン24話、それが何シーズンも続くTVの仕事なんて、まっぴらごめんの考えだったのだ。しかし、あることを理由にTVの仕事を探すようになったという。
その理由とは、ズバリお金のため。売れっ子ハリウッドスターのジェームズがお金に困ってるの? と不思議に思われるかもしれないが、当人はお金の使い方に無頓着とのこと。それもまたジェームズらしい。
「僕は長い間、映画を活動の場としていました。だけど次の出演作が決まるまでに、いつも僕の銀行口座は空っぽになってしまうのです。だから僕はTVを選ぶことにしました。毎月給料が支払われるわけですから、月々の支払いに困らないのです」(ジェームズ)
最初の結婚、そして現在のパートナーとの間にも子供を授かり、"月々の支払い"は増える一方。初めてTVシリーズのレギュラーとなったのが、2003年の「ザ・プラクティス」、翌年スタートした同スピンオフシリーズ「ボストン・リーガル」ではTV初主演を果たした。
「ボストン・リーガル」が2008年に終了した後、ジェームズの俳優魂が頭をもたげた。俳優なら誰もが憧れる劇作家デヴィッド・マメットのブロードウェイ演劇「Race(原題)」に主演したのだ。
稽古も含めれば、「Race(原題)」にはほぼ1年かかりきりとなった。映画やTVと違い、舞台の収入は限られる。また、そのころ自宅を改築したこともあって、TVの出演料で得た一財産はみるみる減っていったという。
「舞台でお金をじゃんじゃん使いましたから、また稼がなきゃならないことは分かっていました。そんな時、『ジ・オフィス』からオファーがあったんです」(ジェームズ)
「ジ・オフィス」主演のスティーブ・カレルが降板した穴を埋めるため、大物かつ独特のムードを醸し出すジェームズに白羽の矢が立ったのだ。「ジ・オフィス」は1シーズンのみの出演だったが、ジェームズの気持ちをTVに戻すこととなった。
そして「ブラックリスト」。10シーズンのロングランに導いたゆえ、しばらくTVシリーズからは遠ざかるかもしれない。それでも、ジェームズはきっとTVに帰ってくることだろう、ファンならば理由など問わず、大手を広げて歓迎する。
<「fandomwire.com」 2024年12月19日>