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海外ドラマ最新レポート Vol.708  「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」のローラ・カーク、楽器演奏の演技はゲームのよう?

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クラシック音楽の世界を型破りな主人公を中心に描く「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」。主役の天才指揮者ロドリゴ(ガエル・ガルシア・ベルナル)に大抜擢される新進気鋭の音楽家を演じる、ローラ・カークが米誌のインタビューに答えている。



ニューヨーク交響楽団を舞台に繰り広げられるストーリー、ローラが演じるのは、その団員の一人でオーボエの奏者ヘイリーだ。
「オーボエ演奏の真似をするのは、実はとても楽しいのです」
ミュージシャンの父、ファッションデザイナーの母の元で生まれたローラには、アーティストの素地があったのだろう、楽器に触れることを楽しんでいるようだ。現代っ子らしい感覚もあるらしい。
「まるでビデオゲームで遊んでいるみたいなんです。とにかく正しく真似をしなきゃいけない」
つまり、演技(演奏の真似)と音が少しでもずれると見る人が見ればバレてしまう。ビデオゲームのように、少しの反応のズレがゲームオーバーを生むという意味なのだろう。
実は、撮影に参加しているオーケストラの団員は本物の音楽家。撮影中に演奏も行っているという。
「オーケストラのシーンでは、実際に音楽家の方たちは演奏もしているし、シーンの合間にはチューニングをしたりしています。そんな彼らに挟まれていると、私もステージに立っているような高揚感を感じます」



音楽好きのローラは、女優活動と並行して、ポップロックのミュージシャンとしてアルバムも発表している。「音楽愛好家」を名乗るものの、クラシック音楽はまだまだ敷居が高いとか。
「音楽は大好きですが、クラシック音楽を聴く機会はあまりなかったのです。(役のような)クラシック専門家になるのは難しいでしょうね。頑張ってはいるのですが、とても深遠な世界なので、私の聴いてきた音楽とは別世界に思えるのです」
ローラのようにクラシック音楽に縁がなかったから「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」にも興味が持てないと思う人もいるかもしれない。しかし、「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」はクラシック音楽の演奏会ではない、描かれているのは彼らの人間模様なのだ。
「クラシック音楽家も皆と同じ人間なんです。これはアーティストの人間ドラマであり、アーティストは常に興味深い人たちだと、私は考えています」



アーティストの家庭に生まれ育ったローラだから説得力がある。「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」は、クラシック音楽好きな人はもちろん、新しい世界を知りたい人にも興味深く楽しめる人間ドラマなのだ。




<「nylon.com」 2016年1月4日>