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海外ドラマ最新レポート Vol.362  「プロディガル・サン 殺人鬼の系譜」のクリエーターが明かす キャスティング秘話

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プロディガル・サン 殺人鬼の系譜」は、主演に注目の英俳優トム・ペイン、脇にベテランのマイケル・シーン、ベラミー・ヤングらを迎えたダークユーモア・クライム・スリラー。豪華な顔ぶれを揃えた意欲作のクリエーター、サム・スクレイヴァーとクリス・フェダクが、そのキャスティング秘話を明かしている。
 
主にコメディの脚本を手がけてきたスクレイヴァーが、フェダクの製作した「トリック 難事件はオレにお任せ」に参加したことから意気投合。二人で作り上げたのが「プロディガル・サン 殺人鬼の系譜」だ。「僕らはどんなキャラクターが活躍する作品が興味を持ってもらえるのか考えた。頭に浮かんだのは僕らの両親のこと。親が子供に与える影響って何だろう? もし父親が殺人鬼だったらどうだろうとね。殺人鬼であるにもかかわらず、家では最高の父親だったとしたら? 」(スクレイヴァー)
 
コメディの脚本家らしい発想と言えるのかもしれない。意外なシチュエーションを生み出すのは得意なのだ。しかし、この場合、意外から生まれるのは笑いではなかった。「トム・ペインはこの役にぴったりだ。基本的に彼はどんな作品でも心臓になりうる俳優だと思う。僕らは作品の一番上に来る名前を探していたんだ。この作品の目となり、耳となる俳優をね」(フェダク)  当然ながら、主役としてのカリスマは最優先。そしてトムだからできることがある。そして「トムは利口な奴を演じられるだけじゃなく、同時に痛みを表現できるんだ。彼の演技を通して、これまで彼がどんな怒りや辛さを経験してきたか分かってもらえると思う。そこが大事なんだ。視聴者は彼が何かバカをやらかしている時でさえ、過去のトラウマを見出すことができるだろう」(フェダク)
 
トム演じるマルコム・ブライトの両親も主役と同じくらい重要な役どころ。主役のトラウマを生み出す、元凶なのだから。母親のジェシカ・ウィットリー役を演じるベラミー・ヤング。「彼女は素晴らしいよ。『スキャンダル 託された秘密』は最高だった。役を演じているのだということを(視聴者に)いとも簡単に忘れさせる。彼女は役に命を吹き込むんだ。ジェシカ役には、パワフルで影響力を感じさせるような演技ができなきゃダメなんだ。ベラミーにはそれができる」(フェダク)
 
父親マーティン・ウィットリーはカリスマ的な外科医でありながら、殺人鬼の顔を持つサイコパス。この難役を演じるのは名優マイケル・シーン。「僕はずっとマイケルの大ファンだったのさ。(英戯曲家の)ピーター・モーガンが書いた舞台『Frost/Nixon』を観劇して以来だね。マイケルは作品の本質を理解して演じている」(フェダク) マイケル・シーンが殺人鬼を演じるだけでも視聴者の好奇心は高まる。
 
クリエーターの言葉通り、キャスティングを生かした作品に期待したい。
 
 
<「assignmentx.com」   2019年11月11日>