牡丹と薔薇

33歳の看護師・鏡子は、お互いに束縛しないという約束で建築家の豊樹と同棲していたが、子供が欲しくてたまらなかった。ある夜、豊樹はアルマ建設のパーティで、社長令嬢・富貴子と親しくなるが…。

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豊樹に一目惚れした富貴子に、美晴は「恋のライバルがいるなら奪えばいい」とハッパをかける。翌日、美晴の店で会った2人は話が弾み、今度一緒に旅行へ行こうと盛り上がる。豊樹は富貴子を家まで送るが…。

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豊樹は初めての無断外泊をする。翌朝、野島家から設計事務所に顔を出すと、心配した鏡子から電話がかかってくる。その日の午後、豊樹は泰造から会社に呼び出されるが、何時間待っても泰造は現れず…。

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鏡子から妊娠を告げられた豊樹は、処置してほしいと頼むが鏡子は拒否。そんな折、鏡子は医師から想像妊娠だと告げられ、がくぜんとする。豊樹は泰造から、富貴子との結婚準備を進めるよう切り出されるが…。

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マンションを出た豊樹は、設計事務所で寝泊まりする。ある日、妊婦姿の鏡子が事務所に現れ、逆上した豊樹は鏡子を美晴のところへ連れていく。妊娠が嘘だと見抜いた美晴は、豊樹のことを諦めるよう言い聞かせるが…。

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富貴子がウエディングドレスの試着に行った帰り、突然鏡子に呼び止められる。富貴子が豊樹に贈ったダイヤのネクタイピンを差し出した鏡子は、豊樹と同棲していたことを話し、彼を奪わないでほしいと泣きじゃくる。

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鏡子が野島家のガレージで自殺未遂を起こす。泰造は富貴子に知られないよう速やかに処理をするが、富貴子は鏡子の遺書を見つける。富貴子は鏡子の病室を訪ね、豊樹のことを諦めるよう辛辣な言葉を浴びせる。

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富貴子が女児を出産し、「真世」と命名される。病院で豊樹らの動向を探っていた鏡子は、深夜になって新生児室に忍び込み、富貴子の赤ん坊を連れ去る。翌朝、赤ん坊が突然消え、病院は大騒ぎ。富貴子は半狂乱になる。

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赤ん坊の捜査のため、刑事が鏡子のマンションを訪ねる。鏡子は赤ん坊などいないと否定し、それ以上の追及を許さなかった。納得できない富貴子はこっそり鏡子のマンションに忍び込み、粉ミルクの缶を見つけるが…。

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昭和47年10月、鏡子が育ててきた富貴子の子・ぼたんは満1歳の誕生日を迎える。一方、富貴子は女児を出産し「香世」と名付けられる。昭和60年11月、鏡子は板前の友重と結婚。ぼたんは中学2年生になる。

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ぼたんと香世は鏡子の働く病院で偶然出会い、仲良くなる。お互いの電話番号を教えあい、香世は胸に飾ったバラのブローチをぼたんにプレゼントする。その日、富貴子と豊樹も冬子の見舞いに訪れ、2人を見た鏡子は…。

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病院での出会いから数日後、香世はぼたんを呼び出し、美晴の店へ連れていく。そこへ偶然富貴子もやってきて、ぼたんと顔を合わせる。ぼたんに好印象を抱いた富貴子は、今度家に連れてくるよう香世に言うが…。

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鏡子は豊樹にぼたんのことを告白しようとするが、どうしても言えなかった。だが、このままではいけないと、数日後もう一度会う。思い詰めた様子の鏡子を見て、豊樹は自分への未練だと誤解し、2人は寄りを戻す。

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イブの夜、ぼたんは和人を連れて野島家に遊びにいく。弟の世話を焼くぼたんに香世はかんしゃくを起こし、一方的に絶交を宣言。その頃、鏡子は豊樹と密会しており、それを知った友重は子供たちに鏡子の浮気をばらす。

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冬子は富貴子に実の母親のことを告白し、心残りのないよう美晴と和解する。一方、鏡子は豊樹にぼたんを会わせたいと思い、アパートに案内する。だが、豊樹が母の浮気相手だと察したぼたんは顔をこわばらせる。

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富貴子は鏡子と寄りが戻ったのではないかと豊樹を問い詰める。豊樹はしらばくれるが、逆上した富貴子は離婚を口走る。その時、冬子が危篤だという連絡が入り、2人は病院へ駆けつけ、香世も呼び寄せる。

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母の愛人が香世の父親だと知ったぼたんはショックを受けるが、誰にも言えずひとりで苦しむ。一方、豊樹の浮気を知った泰造は激怒し、離縁させようとする。豊樹は反発し、富貴子にも離婚はしないと断言する。

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豊樹の顔を見て突然逃げだしたまま会えなくなったぼたんに、香世は電話をかける。すると、ぼたんは涙声で「訳は言えないが、もう会えない」と告げる。納得のいかない香世は、ぼたんの家に駆けつけるが…。

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ぼたんと香世が別れ別れになったまま、7年の歳月が流れる。平成4年12月、21歳になったぼたんは青山の洋装店で働いていた。一方、鏡子は卵巣の摘出手術を受けてから体調が優れず、思うように働けなかった。

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家計を助けるためにデートクラブで働くことにしたぼたんは、客として現れた豊樹と再会。仕事と割り切って豊樹に身を任せようとするぼたんを豊樹は叱り、事情を聞く。豊樹はぼたんに会ったことを富貴子に話し…。

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豊樹から香世の世話係を頼まれたぼたんは、野島家に引っ越してくる。ぼたんは香世との再会に胸を躍らせるが、香世の態度は冷たかった。7年前、ぼたんから絶交を言い渡された悔しさが忘れられないのだ。

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野島家に来て2日目、極端な主従関係を押しつけようとする香世に、ぼたんは以前のように友達として接すると宣言。香世はあざ笑い、相変わらず召使いのようにぼたんを顎で使う。そんななか、鏡子が一時退院する。

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香世の命令でぼたんが自宅から戻ると、香世は部屋で遊び仲間たちとみだらなパーティを開いていた。香世はみんなの前でぼたんを召使いのように扱い、揚げ句に嫌がるぼたんに無理やり口移しで酒を飲ませる。

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深夜、香世が怖い夢を見たと言ってぼたんのベッドに潜り込んでくる。ぼたんは香世が安心して眠れるよう懐かしい歌を歌う。翌朝、ぼたんが目を覚ますと香世はおらず、香世はぼたんのベッドで眠ったことを否定する。

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夜間のデザイン教室に通いだしたぼたんは、雅也から食事に誘われる。着いた先は偶然にも美晴の店だった。ぼたんに気づいた美晴は、富貴子がぼたんを嫌っていることを告げる。雅也はぼたんを慰め、優しくキスをする。

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洋装店を訪れた香世は、雅也にドレスを作ってほしいと告げる。打ちあわせ場所のレストランで、香世は雅也を一流のデザイナーに押し上げたいと言い、そのためにはぼたんを捨てて自分と付き合うべきだと誘惑する。

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豊樹は鏡子に、ぼたんの出生について真実を教えてほしいと懇願するが、鏡子は口を閉ざす。数日後、香世が仮縫いのため洋装店にやってくる。香世は再び雅也を食事に誘うが、雅也はぼたんと先約があると言って断る。

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鏡子はぼたんを病院から盗んだことを野島夫妻に告白。その時にぼたんが身に着けていた刺繍入りの産着を差し出す。豊樹は自分の直感が当たっていたことを喜び、家族4人で暮らせる幸せを思うが…。

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鏡子の葬儀の翌日、和人は医学部に合格し、ぼたんと和人は祝杯を挙げる。次の日、アパートを訪れた豊樹は、和人が卒業するまでの援助を約束。和人は野島家の家族になるぼたんのことをよろしくと豊樹に頼む。

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ぼたんは洋装店での仕事を再開。その夜、雅也はぼたんをホテルへ誘うが、そういう雰囲気になれなかったぼたんは逃げだしてしまう。がっかりした雅也は美晴の店へ行き、偶然会った香世にぼたんのことを相談する。

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香世に唆された雅也は、その夜ぼたんをわがものにしようとする。だが、香世の小細工に気づいたぼたんは雅也を拒絶。翌日、ぼたんと雅也をどうしても別れさせたい香世は、遊び仲間の女に雅也を誘惑させる。

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ぼたんを裏切った雅也は自己嫌悪に陥り、酒に溺れる。そんな雅也に、追い討ちをかけるように非難の言葉を浴びせる香世。雅也は発狂したように道路に飛び出し、車にひかれて即死。翌日、ぼたんは雅也の死を知り…。

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雅也の死を乗り越え、ぼたんは野島家の家族として新しい生活を始める。ぼたんと香世は姉妹の絆を改めて感じ、両親もそんな2人の成長を楽しみにする。1年後、ぼたんは1周忌を迎える鏡子の墓参りにいくが…。

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由岐雄が友人の外科医・賢太郎を連れて野島家にやってくる。香世は、ぼたんと由岐雄が互いに好意を持っているのを察して不機嫌に。数日後、ぼたんが由岐雄に誘われてテニスをすると、香世も賢太郎とデートをする。

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両親のいない夜、ぼたんと香世は由岐雄と賢太郎を食事に招く。そして、由岐雄をぼたんの部屋に、賢太郎を香世の部屋に泊める。香世の提案で、姉妹は同じ時刻にそれぞれ愛する男性に処女をささげる約束だった。

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由岐雄を自分の後継者にと考える豊樹は、ぼたんとの結婚を由岐雄に打診。由岐雄は率直にぼたんを愛していることを告白する。ぼたんも由岐雄を愛していたが、香世のことを考えると結婚にまで踏み切れず…。

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結婚を急かせる豊樹のお膳立てで、ぼたんと由岐雄は婚約の日を迎える。香世はぼたんをうらやましがり、自分は由岐雄の妾になりたいと言い出す。祝宴が終わり、帰宅していたぼたんは突然3人の男たちに襲われ…。

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自分を襲った男たちが香世の仲間だと知ったぼたんは、香世を問い詰めるが、香世は平然と自分が指図したことを認める。香世が男たちに礼金を渡すのを目撃した和人は、彼女を警察へ連れていこうとするが…。引用元：U-NEXT

香世がぼたんを傷つけたことを知った豊樹は、香世を殴りつける。だが、ぼたんは香世から由岐雄を奪った自分が悪いのだと香世をかばう。その時、逆上した友重が包丁を振りかざして香世に襲いかかり…。

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ぼたんは香世のために由岐雄との結婚を諦めようとし、香世はぼたんこそ由岐雄と結婚すべきだと主張する。2人におもちゃにされているようで不愉快な由岐雄は、結婚の延期にも納得がいかなかった。

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豊樹と富貴子が飛行機事故で帰らぬ人となる。残されたぼたんと香世は、お互いの幸せのために力を合わせて生きるよう誓いを立てる。そんな矢先、豊樹の会社に債権者たちが押しかけてくる。会社は倒産の危機にあった。

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ぼたんが美晴に今後のことを相談すると、客で援助を申し出てくれた人がいるという。だが、その人物こそ象造だった。象造は自らが社長となり再建に取り組むと主張するが、条件としてぼたんに愛人になるよう告げる。

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象造がぼたんを愛人にしようとしているのを知った由岐雄は、象造と対決するが、虫けらのようにあしらわれる。一方、ぼたんは香世に由岐雄と結婚するよう言い含め、象造に愛人の承諾をして、固めの杯を交わす。

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象造はアルマ建設の社長に納まり、由岐雄を製作部長に取り立てる。ぼたんは念願が叶い、洋装店のオーナーに。ある日、店に象造の本妻・せい子がやってくるが、せい子は麗香が象造に似ていないと疑惑の目を向ける。

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象造はアルマ建設の社長に納まり、由岐雄を製作部長に取り立てる。ぼたんは念願が叶い、洋装店のオーナーに。ある日、店に象造の本妻・せい子がやってくるが、せい子は麗香が象造に似ていないと疑惑の目を向ける。

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和人からぼたんの暴行事件の真相を知らされた由岐雄は衝撃を受け、常識では考えられないぼたんと香世の関係にがくぜんとする。そんななか、由岐雄は1週間の予定で上海出張へ出かけ、香世は寂しがるが…。

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上海から帰った由岐雄は、麗香にせがまれるまま野島家に1泊する。実の親子とも知らず仲良く眠っている由岐雄と麗香を見て、嗚咽が込み上げてくるぼたん。翌朝、学校へ行く麗香を象造が迎えにくるが…。

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麗香が自分の子供だと知った由岐雄は、足しげく麗香に会いにくる。麗香も由岐雄が来るのを楽しみにして、今度ディズニーランドへ行こうと約束する。そんな2人に嫉妬した象造は、由岐雄に上海への長期出向を命じる。

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上海出張への出発前夜、由岐雄からぼたんに会いたいと電話がかかってくる。ぼたんは出かける支度をするが、香世がやってきたので行くのをやめる。一方、象造は麗香が自分に懐かないので、ぼたんに八つ当たりする。

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一時帰国した由岐雄がぼたんに会うため野島家を訪れる。だが、間の悪いことにそこへ香世がやってくる。由岐雄はとっさに麗香の部屋に隠れ、麗香に父親の名乗りをする。そして、2人だけの秘密だと固く口止めをする。

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香世のせいで麗香がけがをして入院。麗香の血液型を知った香世は、麗香の出生に疑問を抱く。香世は象造や和人に探りを入れ、麗香が由岐雄の子だと確信。1週間後、麗香が退院し、由岐雄が上海から駆けつける。

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由岐雄は会社を辞める決心をする。象造はプライベートと仕事は別だと言い、由岐雄にぼたんは渡せないが、麗香を引き取ったらどうかと持ちかける。だが、ぼたんは麗香を手放すことなどできなかった。

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麗香に会えなくなった由岐雄は寂しくてたまらず、美晴を通じて麗香を預かりたいとぼたんに頼む。一方、麗香も由岐雄の顔が見えなくなり、食事も喉を通らない。そんなある日、ぼたんの留守中に香世が麗香を連れ出す。

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由岐雄のもとに預けられた麗香は、ぼたんを恋しがることもなく新しい生活に馴染んでいた。香世は一生懸命に母親代わりを務める。一方、ぼたんは麗香を手放したことを後悔し、魂の抜けたような生活を送っていた。

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ぼたんと由岐雄の仲を疑う香世は、麗香をぼたんに会わせようとしなかった。麗香は家に帰りたかったが、香世が怖くて言い出せない。そんなある日、ぼたんと由岐雄の密会現場を目撃した香世は、麗香に八つ当たりする。

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由岐雄は麗香をぼたんのもとへ帰そうとするが、香世の監視の目が厳しくて手出しができない。そんなある日、麗香からぼたんに助けを求める電話がかかってくる。マンションに閉じ込められ、学校にも行けないという。

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ぼたんは麗香を連れ戻そうとするが、失敗に終わる。そんなある日、由岐雄が帰宅すると麗香が鎖につながれていた。由岐雄はすぐに麗香を連れ出そうとするが、香世が反撃。由岐雄は香世を殴りつけるが…。

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ぼたんが余命半年と知り、半狂乱になる香世。一方ぼたんは、自分がいなくなれば争い事もなくなると運命を冷静に受け止めていた。和人から腎臓移植の話を聞いた香世は、ぼたんのドナーになることを申し出る。

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香世から腎臓を提供してもらったぼたんは、順調に回復していた。それから間もなく、歩けるようになったぼたんは香世の病室を訪ねる。香世は目が見えないことを悟られないよう、必死に取り繕うが…。

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ぼたんは失明した香世と信州の別荘に移り、2人きりで暮らし始める。半年後、麗香がぼたんを恋しがって泣きだす。象造は2人を野島家に呼び戻し、由岐雄、麗香も含めて5人で一緒に暮らそうと提案するが…。

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