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スパドラ!最新USレポート Vol.563: ルーシー・リュー、「エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY」「アリー・myラブ」『キル・ビル』など出演作への思いを明かす

October 17, 2017

Elementary_yr4_us250_1017.jpgエレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」のルーシー・リューが、米CBSのインタビューに答え、過去の出演作について語っている。

女優ルーシーが、最初に手にした大役にさかのぼる。ミシガン大学在学中に学生演劇で挑戦した「不思議の国のアリス」。彼女がオーディションで選ばれたのは、なんと主役のアリスだ。

「まさかと思ったわよ。間違いじゃないかって、何度も何度も名前を確認したわ。外国から来たよそ者のように育ってきた私が、前に出るなんて。私たちはずっと“その他大勢”だと思ってたから」

NY生まれのルーシーだが、両親は中国系の台湾人。今から30年、40年前のアメリカで“よそ者”の劣等感を持ちながら育ってきたとしても不思議はない。

大学を卒業後、本格的に女優を目指し、LAへ。そこで運命のシリーズに出会う。「アリーmyラブ」だ。

「(スタジオの)皆がほぼ白人だったわ。そこに私と、黒人もいたわね。だから、(米の)国勢調査に合わせようとしてるんだなって感じたの」

「アリーmyラブ」に出演していた黒人俳優の一人が、テイ・ディグス(「MURDER IN THE FIRST/第1級殺人」)。「アリーmyラブ」がスタートした90年代後半、TVドラマではアジア人や黒人などマイノリティーの出演者は今よりずっと少なかった。

自身が演じていたリン・ウーというキャラクターについて、「皆が彼女はビッチだというけれど、私は正直なだけなんだと思ってたわ。裏表のない人、率直な人なのよ」と愛着を持って語る。

リン・ウーも大物脚本家のデヴィッド・E・ケリーが、ルーシーのために書き下ろした役だったが、その数年後に出会った大役も、ある大物監督による指名だった。

「彼が私のことをイメージしながら(脚本を)書いてるって、少し見せてくれたの。私はウソでしょ!って驚いたわ」

その大物監督、クエンティン・タランティーノが当時準備していたのが、映画『キル・ビル』。ルーシーに用意されていたのは、極道の女リーダー、オーレン・石井役だった。

「その時から、彼女(オーレン)は寿命を全うしないんじゃないかって感じてたわ」とジョークで答えるルーシー。ファーストコンタクトでの印象通り、オーレンの狂気の演技はルーシーを語る上で欠かせないキャリアの一ページとなった。

その後、数々のTVシリーズ、映画を経て、2012年からスタートした「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」では、ジョニー・リー・ミラーと共に主役としてシーズン6を迎える。

「これまでの役に比べて、ずっと落ち着いた役ね。この役で我慢することを覚えたわ。今までは、激しくて、名前の後ろに“!”マークがつくような役を演じてきたから、少し変化できて良かったと思ってる」

さらにルーシーが嬉しいのは、彼女の母が番組の大ファンだということだ。

「その通り。この番組には納得できてるみたい、母は大の“コロンボ”ファンなのよ。やっと私が成功したと思ってるんじゃないかしら。だって私、刑事ドラマに出てるんだもの!」


<「cbsnews.com」 5月7日付け>