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スパドラ!最新USレポート Vol.513:「GRIMM/グリム」のレジー・リーが明かす 隠れ人気キャラ、ウー巡査部長が誕生するまで

April 26, 2017

grimm_yr5_us250_0426.jpgダーク・サスペンスドラマ「GRIMM/グリム」の人気者といえば、主役のニックを演じるデヴィッド・ジュントーリ、憎めない狼型ヴェッセンのモンローを演じるサイラス・ウェイア・ミッチェルらが思い浮かぶ。個性派ぞろいの出演者の中でも、脇役ながら番組ファンの間で隠れた人気者と言えるのが、ウー巡査部長を演じるレジー・リーだ。

フィリピン生まれのレジーは、ハリウッドではまだまだマイナーな存在のアジア系移民アメリカ人。大作『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや『ダークナイト ライジング』にも出演、TVシリーズ「プリズン・ブレイク」では、シーズン2の準レギュラーに抜擢された。

そして「GRIMM/グリム」では、ウー巡査部長役で念願のTVシリーズ初レギュラー。しかしパイロット版の設定では、ウー巡査部長は事件発生時に登場し、皮肉なジョークを飛ばして、画面から消える短い出番だった。そのウー巡査部長が、やがて番組にとって欠かせない重要キャラクターに成長してゆく。

ウー巡査部長の成長には試行錯誤が必要だったと、レジーはインタビューで明かしている。

「パイロット版の撮影の頃、プロデューサーや脚本家たちが、僕に役の説明をしてくれた。だけど、その時はほとんど役の性格付けがされてなかったんだ。だから僕は、どうしたらこの役を番組全体に適応させられるだろうと考えた。事件捜査の時に出てくるだけだとしても、どうやって役に命を吹き込めるだろうかとね。『GRIMM/グリム』が始まった頃は、アジア系の俳優がTVシリーズのレギュラーを取るのは難しかった。今だって、大変なことだけどね。僕はウー巡査部長を巧く番組に溶け込ませたと思うし、役に命を吹き込めたと思うんだ」

画面にレジーが姿を見せるだけで、視聴者にインパクトを与えるのは、「プリズン・ブレイク」シーズン2のビル・キム役で証明済み。その「プリズン・ブレイク」では、サイラス・ウェイア・ミッチェルとも共演している。

「サイラスとは『GRIMM/グリム』でも楽しくやれた。僕らは『プリズン・ブレイク』で一緒だったけれど、その前には同じ演技クラスにも通っていたんだ。同じ舞台に立ったこともあるんだよ」

ハリウッドのアジア系俳優としては、かなり役に恵まれているレジー。それでも、新しく役をつかむのは簡単ではないようだ。

「(『GRIMM/グリム』の後に)いくつかオーディションを受けたよ。犯罪解決ドラマだと、事件を説明する刑事の役なんかが廻ってくるんだけど、正直お断りしたい気分だ。『GRIMM/グリム』の後だと、ただ説明するだけの役なんてつまらなく思えてしまう。後戻りするのは難しいね」

すでに映画2本(『Sunflower』『Behind the Wall』)の撮影を済ませ、現在は完成を待っている段階。TVシリーズに関しては、今のところ、すぐにでも出演したいという作品には巡り合えていないとか。

「GRIMM/グリム」で味わった俳優としての充足感が次回作選びに影響するのは、いささか皮肉。それでも実力派だけに、新しいTVシリーズで視聴者がレジーと再会できる日もそう遠くはなさそうだ。


<「blastr.com」 3月24日付け>