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海外ドラマ最新レポート Vol.447  米国のバラエティ番組はスケールがデカい! 「レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン」でトム・クルーズがジェット機操縦

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バラエティ番組の企画力、特にお笑いにかけては決して他の国に劣らない日本だが、スケールに関しては米国の右に出る国はないだろう。英国人コメディアン、ジェームズ・コーデンがゲストのスーパースターたちとコントや悪ノリを楽しむ人気の米トークショー「レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン」がその一例だ。この日のゲストは、トム・クルーズ。世界中で大ヒットしている映画『トップガン マーヴェリック』のPR出演だ。「レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン」には、映画公開のたび、何度もPR出演してきたトム。ジェームズとは良き友人なのだ。とはいえ、今回は少し違っていた。いつものスタジオではなく、トムはジェームズをLA近郊の空港に呼び出していた。
 
「トムから声を掛けられたら、イエスと答えるしかない」と、早朝に呼び出されたことに、ちょっぴり不機嫌なジェームズ。そこにプライベートジェット機が着陸、中から現れたのはもちろんトムだ。挨拶もそこそこにジェームズをジェット機に連れ込んだ。そのジェット機が向かったのは、とある砂漠の中の空港。ジェームズはこれで、どんなに叫んでも逃げられない状況に追い込まれてしまった。カメラを向けられたトムは、「ジェームズが来てくれて嬉しいよ。僕が声を掛けたトークショーMCは彼だけかって? まさか!(全ての番組の中で)彼だけだったんだ、イエスと答えてくれたのは」とキツめの答え。もちろんジェームズが第一候補だったに違いない。そして、飛行服に着替えた二人が乗り込んだのは、プロペラ式の飛行機だ。ジェームズはすかさずカンペに「ヘルプミー」と書き込むが、操縦桿を握るトムに取り上げられてしまう。そこにもう一台のプロペラ機が現われ、突然の「ドッグファイト」(トム談)が始まった。競り合う2機がアクロバットのごとく空を駆け巡る。ようやく地上に降り立ったジェームズの顔は真っ青。「(トムは)楽しい一日になると言っていましたよね? これがそうなら、僕らは全く違う思考の持ち主同士ですよ」と恨み言を言うのが精一杯。
 
しかし、ジェームズの悪夢はこれだけに終わらなかった。なんと翌日も飛行を控えているというのだ。しかも今度はジェット機で。逃げ出そうとするジェームズを押しとどめるトム。「君はグースだ」と『トップガン』での相棒の名を挙げて、なだめようとするが、ジェームズには逆効果。「それを言われて最初は嬉しかった。けれどよく考えたら、グースは映画の終盤で死ぬんですよね」と、ジェームズは気づいてしまっていた。必死の抵抗も空しく終わる。トムとのバレーボールやキャンプでしばし現実を忘れることができたものの、朝はやっぱりやって来た。ジェームズは再び飛行服を着て、トムと一緒にジェット機に乗り込んだ。思えばプロペラ機のフライトはのどかであった。ジェット機の爆音とスピードが、トムのアドレナリンを全開にさせたらしい。山際をすれすれにかすめたかと思えば、次は45度の垂直飛行だ。そして「せめて一直線に飛んで」というジェームズの懇願をちょっとだけ勘違いしてしまい、トムは180度の逆さ飛行のまま直線に飛んでみせたのだ。
 
着陸後、最後の力を振り絞りジェームズはトムとハグをした。トムは「いつでも僕のウィングマン(相棒)になってもらえそうだね」とジェームズの勇気を称えると、ジェームズは「そうだね、僕もなかなかだったと思うよ」と青い顔のまま精一杯に強がってみせた。米国のバラエティ番組とはいえ、ここまでお金のかかったエピソードはめったにない。スーパースターと良き関係を築いているジェームズだからこそ実現した企画でもある。「レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン」は、今の米国で最も話題に上るトークショーの一つ。米国らしいスケールの大きさを楽しみたいものだ。
 
 
<「people.com」  5月24日>
 
 
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