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海外ドラマ最新レポート Vol.269 「アフェア 情事の行方[R15+相当]」のドミニク・ウェスト、売れっ子俳優が唯一あきらめた仕事とは?

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米TVシリーズ「THE WIRE/ザ・ワイヤー」で男臭い刑事マクノルティを演じブレイクした英国人俳優、ドミニク・ウェスト。「アフェア 情事の行方[R15+相当]」では優しくも弱くもある大人の男ノア・ソロウェイを好演している。映画の『コレット』『トゥームレイダー ファースト・ミッション』、TVシリーズでは「レ・ミゼラブル」と近年も出演作が続く。そんな人気俳優が唯一あきらめざるを得なかった仕事があるという。
 
「ずっとミュージカルをやりたかったんだ」とドミニク。ブロードウェイに憧れがあったのだ。ある時、ドミニクはブロードウェイを代表するミュージカルの一つ「ガイズ・アンド・ドールズ」の監督と会う機会を得た。その監督はドミニクを気に入ったのか、同ミュージカルの主役スカイ・マターソンを演じてほしいと言う。「その監督にオーディションを受けてみないかと言われたんだ。歌のことは心配しなくていい、とにかくニューヨークに来てオーディションを受けてくれと。形式的なものだからって」
 
監督の言葉を真に受けたドミニクは、すっかり役が手に入ったものと信じ込んでいた。売れっ子になりつつある自分のスターパワーで歌はなんとかなると思っていたのだ。「そこで僕はニューヨークに向かった。大興奮さ。だけどオーディション会場に着いて驚いた。そこは絵に描いたようなミュージカルのオーディション会場だったんだ。脚にレッグウォーマーを着けた人がストレッチをしていたり、発声練習をする人がいたり。僕はその時になってようやく悟った、これは形式的なものじゃないと」
 
何の準備もしていなかったドミニクの焦りはいかほどか。しかし悪夢はここからが本番だった。「(オーディションの)部屋に入ると、そこにはピアノがあって、20人くらいいた。プロデューサーや製作スタッフが待ち構えていたわけさ。何もかもが信じられなかった。とにかく僕は歌えないんだからね。ピアノに合わせて、僕はかろうじて歌を歌った。そのテストは今まで僕が受けた中で最も難しいものだったと思う。こてんぱんにやられたよ」
 
ブロードウェイは甘くなかった。それでも「挑戦してみて良かった、これは僕の仕事じゃないと分かったからね」とポジティブ・シンキング。一つ仕事は減ったが強がってるわけじゃない、踏ん切りがついたのだ。これからも売れっ子俳優は、ミュージカル以外の仕事を頑張るつもりだ。
 
 
<「backstage.com」      2019年6月13日>