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海外ドラマ最新レポート Vol.231 「レッドライン ~悲しみの向こうに」のノエル・フィッシャーはシカゴに縁あり

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米CBS「レッドライン ~悲しみの向こうに」は、TVネットワーク、いわゆる地上波のTVシリーズには珍しく重厚な人間ドラマだ。主演のノア・ワイリーを始め、インディペンデントの佳作映画に出演が続いていたエマヤツィ・コーリナルディなど実力派がキャストに並ぶ。
 
その中で、海外ドラマファンに馴染みの顔の一人がノエル・フィッシャー。「シェイムレス 俺たちに恥はない」の人気キャラクター、ミッキー・ミルコヴィッチ役でおなじみだ。映画『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン』にも出演している。
 
もともとノエルはカナダ・バンクーバー生まれのカナダ人だが、「シェイムレス 俺たちに恥はない」、そして今回の「レッドライン ~悲しみの向こうに」と、シカゴを舞台にした作品への出演が続いている。
 
バンクーバーはカナダの西南部、太平洋岸に位置する大都市、一方のシカゴは米国中西部を代表する大都市だ。おおらかな国民性を持つと言われるカナダ、また米国中西部はニューヨークやロサンゼルスと違ったフレンドリーな地域性を持つエリアとして知られている。
 
バンクーバーから距離にして3000㎞離れたシカゴと縁の深いノエル、二つの都市に何か共通点は見出しているのだろうか?
 
「礼儀正しさじゃないかな。それが適切な言葉かどうか自信はないけれど、僕らカナダ人と米中西部の人たちはその部分で共通点があると思う。僕自身そのことを考えながら演じているわけじゃないよ。ただ脚本のどこかにそれは描かれていると思うし、僕のキャラクターの人格にも加えられているはずだ」
 
しかし、「シェイムレス 俺たちに恥はない」のミッキーとなると話は別。「シカゴの人たちのフレンドリーさと、ミッキーの性格はおもしろい対比になってると思うよ。彼は生来荒々しい性格だからね(笑)」
 
「レッドライン ~悲しみの向こうに」でノエルが演じる警官ポール・エヴァンスは、無実の黒人男性を誤って射殺した現実に悩み苦しむ。シカゴという土地柄、地域性が反映されるはずだ。これがニューヨークやロサンゼルスが舞台ならどうだったろうか。視聴者は、自分の物差しだけでは説明できない米国の多様性を感じることになるだろう。
 
シカゴの人間として2つのドラマを経験した今、ノエルは「米国の中でシカゴは僕が大好きな街の一つになったよ。中西部特有の雰囲気が気に入った。シカゴは大都市だし、文化圏としても巨大だ。クールな街であり、皆の生活するピッチも早い。だけど、他の大都市とは少し違うように思う。たとえば、シカゴでは道で他人とすれ違うたび、『ハイ』と声を交わしたりするよね。お互い分かち合って生きているような土壌がある、僕はそこが好きなんだ」
 
これまで繰り返し描かれてきた他の大都市とは異なる、シカゴが舞台の「レッドライン ~悲しみの向こうに」。米国の多様性に着目しながら見るのも、今回のドラマの楽しみかもしれない。
 
 
<「chicagotribune.com」  2019年11月6日>