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S.W.A.T.「S.W.A.T. シーズン2」ジム・ストリート役 相葉裕樹さん オフィシャル・インタビュー

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70年代の人気TVシリーズ「特別狙撃隊 S.W.A.T.」を現代によみがえらせたリブート版となる「S.W.A.T.」。ロサンゼルスを舞台に、多発する凶悪事件に果敢に立ち向かう精鋭S.W.A.T.チームの活躍を描き、「クリミナル・マインド」シェマー・ムーア主演で全米大人気のアクション超大作だ。その最新シーズンとなるシーズン2がスーパー!ドラマTVでいよいよ6月28日(金)より独占日本初放送!!

今回は、S.W.A.T.チームのメンバーの1人であるジム・ストリートの日本語吹替えを担当している相葉裕樹さんに、作品の魅力やシーズン2の見どころ、吹替えなどについて語ってもらいました。

 

 

 

シーズン1では海外ドラマの吹替え初挑戦でしたが、シーズン2の吹替えに再び臨む今の心境を教えてください。

シーズン2が始まって、本当にありがたいなという気持ちです(笑)。また挑戦させて頂けるんだという気持ちが強いですね。シーズン1では、ようやくジム・ストリートというキャラクターに慣れてきたところで終わってしまったので、シーズン2でまた演じることができるというのは本当にうれしいです。もっといろいろなことを学びながら、演じられたらいいなと思います。

 

 

 

シーズン1を見ても、他の声優さんたちと一緒に吹替えている相葉さんの演技にはほとんど違和感がありませんでした。

いえいえ、そんなことないですよ。生身の人間に声を当てるのが初めてでしたので、その呼吸感や距離感、声色とかもそうですが、どれを使ったらいいんだろうと難しかったですね。演技していきながらの手探り状態でしたけど、これぐらいの感じなのかなというのが演じていて少しずつ見えてきた部分はありましたね。でも、マイク前で芝居をするという経験値が圧倒的に少ないので、そこは先輩方の後ろ姿を見て学びながら演じさせて頂きました。

 

 

 

具体的にどんなところが見えてきたのでしょうか?
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アニメに声を当てたことはあるんですが、アプローチの仕方がアニメともまた全く違うんですよね。吹替えならではの声の当て方というのは、現場に入って感じることが多かったです。それは生で実際に先輩方がお芝居をしているのを見たり聴いたりしていると、やっぱり上手くて、自分との差は何なのか、何が違うんだろうかと感じることがすごく多いです。声のテンション、声の太さ、声色、ジムの呼吸感や距離感とか、何かそういうものでいろいろと変わってくるなと。もちろん、周りのキャストとの距離感や、その相手との関係性によってもまた芝居の仕方も変わってきますから、そこは本当に毎回ドキドキしながら臨ませて頂きました。

 

 

 

 

吹替えをしてみて、どんなことを感じましたか?

もともと僕の持っている声質は高くて、ちょっと線が細めで、それに少し通りやすいんです。その声質が外画にハマるのか最初はものすごく不安でした。なんとか周りのキャストのみなさんに寄せるということで切り抜けてきました。ホンドー役の咲野(俊介)さんは普段の声も素敵なんですけど、それがホンドーになった瞬間が本当にすごいんですよ!すごすぎて、僕なんか「うわぁホンドーだ......。海外ドラマ見ているみたい」と素人みたいになってしまいましたね(笑)。収録初日はずっとドキドキしながらやっていました。その姿を見て、声を聴きながら、これぐらいのテンションなのかとか体験しないと分からないことばかりで難しかったですね。実際に感じながら試行錯誤の繰り返しでした。だから、シーズン1の3話ぐらいまでのジムの声を聴くと、やっぱり探っているのかなっていう感じはすごくしますし、後半になればなるにつれて、「ちょっとなじんできたかな? ちょっとずつ合ってきたかな」と思いますね(笑)。

 

 

 

 

吹替えでは息の演技というのも特徴的かと思いますが、演じる上で何か考えましたか?

本当に呼吸で決まるんじゃないかなと思います。台本のセリフに息のマークが書いてなくても、どれぐらいの呼吸の量で吸って吐いているのかで、その声の距離感や声色も変わってきますし、セリフをしゃべる前に結果が決まるぐらいの感じですね。しゃべり始める前に、今の呼吸だともうダメだと思う時もあるぐらいです(笑)。

 

 

 

 

そこがまた吹替えの難しさであり、面白さでもあるんでしょうか?

そうですね。生身の人間を表現しているので、アニメよりもはるかに細かいですし。でも、外画の吹替えを主にやられている方に、アニメとどっちが難しいか聞くと、「いや、アニメは苦手でよく分からないんだよね」という方もいるんです。僕は外画のほうがテクニック的なことで言ったら高いことを求められているような気がするのですが、まだまだ分からないですね。ですが、僕は外画の方が苦労しています。

 

 

 

 

本作の魅力や面白さは何ですか?

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ド派手なアクションはもちろんですが、それぞれの人間ドラマや人間模様が本当に細かくリアルに描かれている点ですね。恋愛のことや、それぞれの抱えている悩みなど、その描き方がホンドーでさえも完璧じゃなかったりするところにすごく人間味を感じます。それに一話完結型で、起承転結がとても見やすい作りになっていると思います。それと、本作はジム自身の成長物語でもありますので、ジムが要になっていると思います。本当に無鉄砲で、未熟な部分が多いんですよね。でも才能があって、初めは横柄な態度をとっていたんですけど、愛嬌があって人に嫌われない何か魅力があるんですよ。ジムが何をするか分からないワクワク感というのも楽しみで見たりすると思うんです。今度は何をしてしまうんだろうって。それで、またホンドーに怒られるみたいな(笑)。

 

 

 

 

 

ジムに共感できる面はありますか?

共感できる部分はたくさんあります。先を考えずに行動してしまいがちだとか、そういう自分を誇示するために強気で無鉄砲に出てしまったりする部分というのは理解できます。若い時に人に噛みついたりするのは、誰しもあったと思うんです。ジムもいい大人だと思うんですけど、まだそこは成長できていなくて、未熟なままなんだなと思います。だから、その本質としてそういう部分があるということに関しては理解できますし、未熟な部分がちょっと可愛かったり、ちょっとワクワクしたりして、応援したくなるキャラクターでもあります。ジムの生い立ちを見ても、しっかりと愛情を注がれて育ったというわけでもないですし、お母さんがずっと監獄の中にいたという状態だったので、素直ではあるんですけど、歪みはするだろうなと。

 

 

 

 

シーズン1のラストでジムがS.W.A.T.チームを脱退させられるという驚きの展開がありましたが、シーズン2のジムにはどんな展開が待ち受けているのでしょうか?
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ジムがS.W.A.T.から外れて街のパトロール警官に戻りながらも、S.W.A.T.にどうしたら戻れるだろうかと模索していくんだと思います。ジムはシーズン1でも未熟だったんですけど、シーズン2でも未熟なままなんですよね(笑)。どのように成長していくのかというのもまた見どころだと思いますが、成長しない可能性もあるかもしれないですよ(笑)。シーズン2の全編を通してそのままパトロール警官として、「やっぱりダメでした。S.W.A.T.には戻れません」みたいな可能性もあるかもしれません(笑)。そんなジムがシーズン2ではどのように変化して成長していくのかというのがまた気になって見てくれる方がたくさんいるかもしれません。それ以外にも、次はホンドーが不祥事を起こして外されるとか、それでディーコンがリーダーになるなんて展開もあるかもしれませんね。2人の確執もシーズン1では全て回収しきっていない気はしますので、それぞれがまたちょっとずつ問題を露呈していくんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

その他にシーズン2の見どころや面白いと感じたシーンなどを教えてください。

S.W.A.T.チームが意外と恋愛に対して積極的だなというのが面白いですね。出会い系をやっていたり。ジムもシーズン1からデートアプリを使ったりしていましたよね。S.W.A.T.のみんなはヒーロー的なイメージがあるんですけど、実際は人間として欠落している部分がどこかにあると思います。例えば、ルカは1人で住めないみたいに。それぞれにいい加減な部分がありますよね(笑)。そこに人間味があって、一人一人のキャラクターがさらに際立ってくるという気がしています。

 

 

 

この作品内ではS.W.A.T.チームを"家族"と表現していますが、海外ドラマの吹替えキャストのみなさんもシーズンを重ねるごとに"家族"という感覚が芽生えるそうです。シーズン2で久しぶりにお会いした吹替えキャストのみなさんとの共演はどうでしたか?

シーズン1でようやく緊張が解けて、シーズン2でみなさんの輪の中にもう1歩踏み込めるんじゃないかなという、まだそんな段階です(笑)。

 

 

 

その感覚はシーズン1のジムの立ち位置と似ていますね。

そうですね、シーズン2ではもっとみなさんとコミュニケーションを取りながらやっていきたいですね。シーズン1での僕は正直いっぱいいっぱいな感じでした(笑)。

 

 

 

 

収録現場の雰囲気はどうですか?

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外画の声優さんとお芝居をするという経験がなかったので、正直に言うとシーズン1の最初は誰が誰かも分からなかったんです(笑)。もちろん皆さんからしても僕が誰なんだろうということだと思うんですけど。でも、みなさんが扉をすごく開けてくれていて、僕がみんなの輪に自然と入れるような空気を先輩方が作って下さっていたんです。だから、緊張はしていたんですけど、緊張感のある中でも和気あいあいとした空気感で収録に臨めました。吹替版演出の依田(孝利)さんもすごくフランクな方で、場になじみやすい空気感を作って演出をして下さるので、僕としてはありがたかったですね。それに、時折キャストをイジってみたりとかもするんですよ(笑)。タン役の手塚ヒロミチ君がイジられていまして、咲野さんにもイジられたりしているんです(笑)。それでひと笑いあってから本番に臨むみたいな感じですね。

 

 

 

 

相葉さんはミュージカル『レ・ミゼラブル』にも出演されるなど、舞台や映像作品、それに吹替えといろんなジャンルで活躍されていますが、吹替えというものは自身にとってどのような位置づけですか?

できればずっと続けたいですね。もちろん俳優として生身で舞台や映像作品に出演するということがメインではありますが、声のスキルを上げたいというのはずっとあります。もともと声の仕事に興味があって、それで今回チャンスを頂いているんですけど、やっぱり楽しいですね。それに、自分の顔が映らないし、どんな格好をしていてもいいという(笑)。

 

 

 

 

より役に没頭できるということでしょうか。

そうですね。そこだけに集中できるというのはあります。もちろん、喉のケアや準備などやらなきゃいけないことはたくさんあるんですけど。そういうこと以外にも、例えば、舞台の場合だと腕を折ってしまったら腕を使わない演出など舞台に大きく影響してしまうと思うんです。でも、声の仕事は腕が折れたとしても、喉さえ生きていれば演じられるので、そこが声の仕事の強みだと思っています。それに、自分に声の幅と表現力さえあれば、年齢や性別などあらゆることを飛び越えることができるので、そこは本当に魅力的ですね。だからこそ、自分自身もっと磨いていって、もっとたくさんの作品に携わりたいなという思いはあります。

 

 

 

 

最後にシーズン2を楽しみにしているファンの方々へメッセージをお願いいたします。

人間ドラマもリアルに描かれていて、アクションも本当にド派手で、さらに一話完結ですので、もし見逃してしまって途中から見ても理解できるドラマになっています。それと、ジムの成長する姿を一緒に見守って頂けたらと思いますので、引き続き応援をよろしくお願いします。