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海外ドラマ最新レポート Vol.292  あの頃、私は細かった 「ママさん刑事ローラ・ダイヤモンド」のデブラ・メッシング、激ヤセ時代を振り返る

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ママさん刑事ローラ・ダイヤモンド」主演のデブラ・メッシング、海外ドラマファンならば、シットコム「ふたりは友達? ウィル&グレイス」で彼女を知ったという人も多いはず。グレイスは、NYマンハッタンで活躍するインテリアデザイナーなる役どころ。お洒落な赤毛のインパクトに加え、スレンダーな体型はデブラの魅力でもあった。
 
「ふたりは友達? ウィル&グレイス」は1998年にスタートしたシットコムだから、すでに20年以上前のこと。「人生最高の時」(デブラ)と述懐するも、当時の自分を「ヤセ過ぎていた」と認めている。「『ふたりは友達? ウィル&グレイス』が始まった時、私はサイズ8だったの」とデブラ。米国人女性のサイズ8と言えば、日本人女性サイズのL。デブラが身長173センチであることを考えれば、ちょっぴり瘦せてはいるものの、ちょうどいい感じだ。
 
しかし、ハリウッドの基準は違った。「番組の衣装合わせをするたび、サイズが合わないのよ。8割くらいの確率で衣装のサイズの方が小さかった。自分の体型に嫌気が差すようになったわ、そのうち自分自身のことを嫌いになってしまった」番組のスタイリストは「気にしないで」とデブラを責めることはなかったが、自己嫌悪は増すばかり。ワンサイズ上の衣装をリクエストする手間がもどかしい。皆の時間を無駄にしているとさえ考えるようになった。やがて「私が体重を減らしたら、もっと人生が楽になるんじゃないかって感じたの。皆の仕事もやりやすくなるはずだって」
 
(痩せなきゃ)
そこからデブラのダイエットが始まった。もともと太っていたわけじゃない、だから体重を減らすのは簡単ではなかった。毎日ヨガを欠かさず、食事制限はマストだった。痩せ始めた。「体が小さくなり、サイズは6(日本サイズのM)になった。スタイリストたちは『痩せたのね、すごくキレイになったじゃない』って!」心からの誉め言葉だったはずだ。何しろそんな時代だったのだ。
 
「エミー賞やゴールデングローブ賞の授賞式に招かれたの。あの頃、『アリー my Love』が人気絶頂で、主演のキャリスタ(・フロックハート)は業界の注目女優だった。(共演の)ポーシャ・デ・ロッシもすごくすごくスリムだったわよね」授賞式会場でキャリスタやポーシャら当時の痩せた女優を目の当たりにし、デブラは自身の足りなさを実感した。有名デザイナーのドレスを試着する名誉にも恵まれたが、サイズは合わない。(縫い目をばらしてゆったりさせなきゃね)なんて、デザイナーの心の声が聞こえてくる気がしたものだ。「エミー賞にノミネートされて、レッドカーペットを歩くのは最高の気分だったけれど、自分の半分のサイズの(痩せた)女優の隣に立たされるのはツラかった。自分が太って見える気がしたから」
 
ダイエットはさらに熾烈を極め、最終的にデブラのサイズは2まで下がった。日本サイズのXSだ。そこがダイエットのゴールになった。体が悲鳴を上げ始めたのだ。「体が耐えられなくなったの。すぐに疲れるようになってしまって。私にとって、サイズ2の体型のまま健康でいることは不可能だった」
 
当時の写真を見返すたび「美しい」と、自分を称えてしまう。しかし、それは同時に自身を虐待した末の産物であることを忘れてはいない。女優になってからカメラに自分がどう映るか、考えない日はなかった。だからスレンダーな体型は今も自慢だ。けれど、サイズ2のデブラはもういない。隣に並んだ誰かと比べるのではなく、自分に合った体型が一番美しいと自信を持って言えるから。
 
 
<「people.com」  2020年8月8日>