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海外ドラマ最新レポート Vol.154 「MACGYVER/マクガイバー」のルーカス・ティル、オリジナルとの比較は気にしない?

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MACGYVER/マクガイバー」で主役のマクガイバーを演じるルーカル・ティルが、カナダのエンタメメディアのインタビューに答えている。

 

シーズン4の継続も決定している「MACGYVER/マクガイバー」だが、今もなおオリジナル版「冒険野郎マクガイバー」と比較されることが多い。「願わくば、僕の方がいいと思われていたいよね。僕はSNSをチェックするのが得意じゃないし、否定的なコメントも見ないようにしている」

 

どんなに頑張っても、(昔は良かった)と信じ込む回顧主義者は存在する。だから、そんな声は気にしないのが一番なのだ。それでも、ネット世代のルーカス、うっかりコメントが目に飛び込んでくることもある。

 

「こんなコメントをもらったことがあるよ。彼はほとんどの部分で僕を褒めていてくれたんだけど、『前(オリジナル)のマクガイバーが人を殺したことなんてあったかな?』って書いていたんだ。僕はこう思ったね、爆破シーンがあったとしたら、そこで人が命を落としている可能性だってあるだろうと。それにオリジナルのマクガイバーだって、人の命を奪うシーンはあったよ、僕は覚えている。彼も奪いたくはなかった、だけど仕方なかったんだ」

 

オリジナルも現代も、バンバンバンと簡単に人が倒れてゆくのは“マクガイバー”じゃないと分かっている。表現の差こそあれ、根底にある信念は同じだ。そしてマクガイバーの信念といえば、“銃を持たないこと”。この信念は、以前から政治的な思想と絡める声もあった。銃規制をめぐり米国世論が真っ二つなのはルーカスも知っている。

 

テキサス生まれ、ジョージア育ち。ルーカスは保守的な南部という住環境、軍人の父からも影響を受けてきた。それでもなお、ルーカスは自らを「自由な思想の持ち主」と名乗り、リベラルな街ロサンゼルスに馴染んでいる。

 

「政治について語るのは嫌だね。番組のことだけを考えたい。視聴者だって、どんな思想を持っていたとしても楽しんで見てくれるだろう」

 

たとえ製作者が何らかのメッセージを番組に込めていたとしても、そこから視聴者が何を受け取るかは彼ら次第というのがルーカスの考え。「僕自身は現代の米国社会の政治的な分断を良いとは思っていない。だからこそ、奴(マクガイバー)の戦いを見てもらいたいんだ。彼は銃を持たず、人の命を奪うことなくテロをせき止めるんだよ。まず議論はそこからじゃないかな」

 

「MACGYVER/マクガイバー」がオリジナル版と比較されるのは、その根底にある信念が、今の時代に求められているからなのかもしれない。たとえ、それがおとぎ話だとしても構わない。ルーカスはその信念に従い、マクガイバーを演じ続けるつもりだ。

 

 

<「globalnews.ca」 1月3日>