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海外ドラマ最新レポート Vol.136 「ザ・プレイヤー 究極のゲーム」のデイモン・ガプトン、俳優と指揮者の二足のわらじを履きこなす

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サスペンス・アクションドラマ「ザ・プレイヤー 究極のゲーム」でカル・ブラウン刑事を演じる、デイモン・ガプトン。映画『セッション』『ラ・ラ・ランド』、TVでは「クリミナル・マインド」や「Empire 成功の代償」など多数の作品に出演している人気俳優だ。
 
最近では「ブラックライトニング」にもレギュラー出演しているが、どんなに俳優業が好調でも、決して手を抜かないもう一つの顔がある。それはオーケストラの指揮者だ。
 
デイモンはNYのジュリアードで演技を学び、音楽分野で世界的に有名なアスペン・ミュージック・フェスティバル・アンド・スクールで指揮を学んだ。カンザスシティ・シンフォニーの副指揮者として活動したほか、現在では俳優としての知名度もあってか、世界中のオーケストラからゲスト指揮者の依頼が絶えないという。
 
デイモンは、米ラジオ番組のインタビューに答え、音楽との関わりについて明かしている。
 
「僕が音楽のとりこになった瞬間は、1978年に『スーパーマン』の映画音楽をいっぱいにかけた母が、ドアを押し開けて入ってきた時だと思うんだ」
 
1978年といえば、デイモンはまだ5歳。勇ましい『スーパーマン』のテーマに乗って現れた母の姿は、幼きデイモンに大きなインパクトを与えたのだろう。
 
「もちろんその頃の僕は、何がどうなるなんてサッパリ分からなかったけれど、とにかくその音楽にやられた。ジョン・ウィリアムズの音楽にとりつかれてしまって、楽器を習い始めたんだ」
 
ジョン・ウィリアムズとは、『スター・ウォーズ』、『ジュラシック・パーク』、『ハリー・ポッター』など数多くの映画音楽を手掛けた作曲家として知られる。また米国で開催された五輪のテーマ曲もウィリアムズの作品だ。
 
「低音金管楽器(トロンボーンなど)弾きにとっちゃ、五輪テーマ曲や『スター・ウォーズ』のテーマは夢の音楽だよ。僕が最初に映画上映に合わせ、生で映画音楽を演奏したのは『ジュラシック・パーク』だったんだよ。そりゃもう、お菓子屋さんにやって来た子供みたいな気分だったよ」
 
俳優と指揮者、二足のわらじを器用に履きこなすデイモン。どちらの世界でも成功を収めるものの、時に外野の声はうるさい。
 
「いまだに、どちらか一方を選べと言う人がいる。演劇表現の道を行くのか、(指揮者の)レナード・スラットキンを目指すのかと。選べって無理だよね。いや、僕はある意味、選んでいると言えるのかな、どっちも続けるって決めてるから。確かに時間には限りがあるし、不可能なこともある。だけど僕にはほとんどの人が出来ないと思ってることをやってのける力があると信じているし、それが僕の個性でもある」
 
確固たる自信を口にするのは、若い世代へのエールでもあるから。
 
「複数の興味や才能を持つ若者には、ぜひいろいろな道を歩んでほしい。今は指一本で何でも出来る時代だし、アーティストの幅も広がっている。皆、たくさんのことに興味を持っていると思うし、実際に試してみるのも難しくなくなった。だから出来る限り、自分の興味を持っていること全てに挑戦してみるのが大切なんだ」
 
クールな外見からは想像もつかない情熱家。その絶妙のバランスが、俳優として指揮者として、デイモンを唯一無二の存在にさせている。
 
 
<「interlochenpublicradio.org」 3月15日>