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海外ドラマ最新レポート Vol.110 「THE OC」のセスはもういない 「STARTUP スタートアップ」のアダム・ブロディ 好かれなくていい役を楽しむ

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仮想通貨がテーマの一つとなっている、クライムサスペンス・シリーズ「STARTUP スタートアップ」で銀行家ニック・タルマンを演じる、アダム・ブロディ。「THE OC」のセス役で海外ドラマファンにはずっとおなじみの顔だ。
米ではシーズン3まで製作されている「STARTUP スタートアップ」で、メインキャストの一人として好演するアダムに、米エンタメサイトがインタビューを行っている。
 
「ホントにすごく気持ちがいいんだよ」と、アダム。「STARTUP スタートアップ」でのニック役を心底楽しんでいる。ちょっぴりギークなナイスガイ、そんなセスの印象は強烈だったから、180度違うようなニック役をファンなら、少し戸惑うかもしれない。
 
「(セスのような)いい奴、もしくは人から好かれたい奴を演じることから解放されて嬉しいんだ」とは、アダムの素直な気持ち。もちろんセス役が嫌だったわけじゃない。ただ少し頑張らなくちゃいけなかっただけ。「もし僕が演じるのがいい奴で、彼がヒーローだとしたら、 視聴者は彼を応援することになるよね。だから時には、脚本家に向かって、『もし(視聴者に)愛されたいなら、彼にそんなことをさせるべきじゃない』なんて、僕がケチをつけることもある」
 
これまでナイスガイを演じることが多かったから、脚本家よりもナイスガイのやりそうなことは知っている。それが、「THE OC」の頃のアダム。
そのナイスガイの重荷が取れた。
 
「もう僕はヒーローであろうとする必要はなくなったからね。それどころか、(ニックは)いつも何かを狙ってるようなズル賢い奴だ。しかも言い訳なんてしないよ。僕はただニックのやることを素直に受け入れるのみだ」
 
「STARTUP スタートアップ」のニックは、父親のズルい頼みごとを渋々引き受ける銀行家。しかしニックもズルいから一筋縄では引き受けない。それが後々、ニックの人生を変えてゆく。
 
「ニックは道徳に反した奴ではないと思う。ただ、いずれ道を踏み外しそうな奴ではある。なんていうか、悪いことをしでかす、ってわけじゃない。彼の選ぶ人間としての選択が、これまでとだんだん違ってくる。そんなところかな」
 
「THE OC」が終了して12年。「ゴシップガール」のレイトン・ミースターと結婚、夫になり父親にもなった。最新作の映画『シャザム!』までさまざまな役を演じ、あの頃のセスの気持ちも分かってきた。
 
「ニックのように自分勝手な選択をするかしないか、セスだって、それは紙一重の選択の違いだったんだろう」
 
ナイスガイのセスの心の奥にも闇があった。今ならそう思える。
「STARTUP スタートアップ」のニックに、どこかセスの姿が重なるだろうか。今年40歳。壮年に足を踏み入れたアダムを、「THE OC」ファンならぜひ一度確認してほしいものだ。
 
 
<「usmagazine.com」 2018年9月22日>