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新スタートレック HD版【スタコンVol.1】ジョナサン・フレイクス 来日インタビュー(2020年2月)

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「海外ドラマ スターコンベンション」記念すべき第1回目ゲストとして来日した「新スタートレック」ライカ―役でおなじみのジョナサン・フレイクス氏にインタビュー。「新スタートレック」の思い出や監督業などについて語ってもらいました! 

 

 

 

【スタコンVol.1】ジョナサン・フレイクス 来日インタビュー(2020年2月)

 

 

「新スタートレック」について教えてください。最初、ライカー役に決まったときはどのような感想を持たれましたか?              

ジョナサン: まず決まるまでに、7週間に渡って6回のオーディションを受ける必要がありました。自分は絶対に採用されないだろうと確信してたんですけどね。でも、幸運にも採用になって、その通知の電話はジーン・ロッデンベリーから直接かかってきました。「おめでとう。きみがライカー役だ」と。その時私は「これまでで最高の仕事をゲットすることができたぞ」と思いましたね。とはいえ、有頂天にならないように気をつけてはいました。だってこのドラマが今後どうなるかは誰も分からないですし、当時の契約には3段階あったんですよ。まず、パイロット版の契約があって、それがうまくいけば、シーズンの半分のエピソードの契約ができるんです。そしてそれがうまくいって初めてシーズン全部の契約がもらえるという仕組みでした。まあそういうスタートだったんですが、蓋を開けてみると7シーズン収録し、さらに映画4本まで公開されるという事になったんですね。

 

そして32年後の今、「スタートレック: ピカード」で当時のキャストが再集結し、私は「スタートレック ディスカバリー」を監督できるという幸運にも恵まれています。ですから、「スタートレック」は、本当に長い長い年月に渡って、私にとってものすごく大切な作品であり続けているのですよ。   

 

 

 

 

TVシリーズ全7シーズンと映画4本を振り返っていただいて、一番楽しかった思い出、そして逆に辛かった思い出があれば教えてください。       

ジョナサン: 一番楽しかったのは、おそらく初めて監督業をしたときでしょうね。『アンドロイドのめざめ(原題:The Offspring)』というタイトル(シーズン3 第16話)で、データの娘がテーマです。監督をするために、私はそれまで3年もの間、現場で監督の後を付け回しながらポストプロダクションやプリプロダクションの勉強も続けていたんですよ。初監督作はデータのエピソードです。(データ役の)ブレントはご存知の通り天才ですし、脚本を担当したのはレネ・エシェヴァリアという脚本家で、彼にとって脚本デビュー作でした。ウーピー(ゴールドバーグ)の出演もあり、初監督する私としては、とても気合が入っていました。当時「新スタートレック」は1年間で26エピソードを撮影していたのですが、当然、毎回毎回大傑作のエピソードというわけにはいきません。でも、初監督の私としては最高のキャストや製作陣に恵まれ、製作会社からも大きな後押しを感じていました。本当に素晴らしい経験になりました。あの体験は私を支えていますし、キャリアの中での大きなマイルストーンといえますね。プロとして何かが変わった経験でした。新しい技術を身につけたわけですからね。その技術のお陰で私の今の仕事が成り立っているんですよ。

 

 

 

 

 

 

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大変だった経験は?        

ジョナサン: 仕事上で?

 

 

 

はい。        

ジョナサン:「スタートレック」で大変だったことはないですね。大変というより楽しい印象が上回ります。TVの仕事は基本的には大変なんですが、でも「スタートレック」はそれには当てはまりません......。強いて言えば......。パトリック(スチュワート)が、監督をしている時、急病で病院に運ばれた時ですかね。救急車が現場に来て、彼は搬送されたんですが、その時に撮影リストを私に手渡して「残りは頼む」と言ったんですよ(笑)撮影が無事終わって、キャストの皆でお見舞いに行った時には彼はもう大丈夫だったんですけどね。あの時はちょっとゾッとしましたね。だって、キャストは皆家族同様に過ごしていましたから。我々の仲の良さは今でも変わりません。

 

 

 

 

ライカーは人気のキャラクターです。彼はとても誠実で頼り甲斐があり、勇敢でおちゃめな部分もあります。彼の人気の秘密は?   

ジョナサン: 他にも人気のキャクターはいると思いますが......。でも、もし私自身がライカーのような人物だったとしたら、人生はもっと充実したものになるな、とはずっと感じていましたね。ライカーは、忠実で、正直、そして単刀直入、ユーモアのセンスがあり、頼り甲斐があります。彼の持つ性質というのは、多くの人が身に付けたいと思っているものでしょうね。「新スタートレック」の中でライカーは一番人気のキャラじゃないですけどね、データは大人気のキャラクターだし、もちろんピカードも、とはいえ、ライカーは、私が思うに、一番人間的なキャラクターじゃないでしょうか。

 

実は、ジーン・ロッデンベリーにとってライカーは特別に思い入れのあるキャラクターなのです。というのも、ジーンの理想像がライカーに反映されているからなんです。3つ段階がありまして、まず、ピカード艦長、彼はジーンが思い描いたリーダー像です。そしてライカーは、ピカードの息子のような存在で、さらにその下にウェズリー・クラッシャーがいるわけです。この3者の関わり方というのは、ジーンの意向が色濃く反映されていまして、その真ん中にいるライカーを演じられた事は私自身とても誇りに思っています。

 

 

 

 

では、監督業についてもう少しお伺いします。先ほど、初監督作品についてお話いただきましたが、その後、何本ものエピソードを、そして映画は2本監督されています。その中でご自身のお気に入りがあったりしますか?          

ジョナサン: ありますよ。『(映画)スタートレック ファーストコンタクト』は私が監督した作品の中で、間違いなく最高の脚本でしたね。当時は冗談で、私の仕事はその脚本を台無しにすることだ、なんて言われましたが。まあ、ストーリーは超一流、ボーグという本当に印象的な悪役という設定、アルフレ・ウッダードや、ジェイムズ・クロムウェルといったゲストキャストに加えて、レギュラーメンバーもそろい踏みで、最高のキャストが揃っていました。初監督映画ということもあり、私はとても興奮していましたし、念には念を入れて準備をし、同時に緊張感も持っていました。

 

でも、とにかく脚本に尽きます。"ページにないものはステージ(画面)には反映されない"とよく言われますが、その通りですよね。この映画は、ドラマチックで、ホラーやコメディーの要素、そしてロマンスも......。脚本を手がけたロン・ムーアと、ブラノン・ブラーガの最高の作品といえるでしょう。そしてもちろん、制作のリック・バーマンに対してはいつも感謝の念を抱いています。

 

 

 

 

お好きなテレビドラマシリーズはありますか?          

ジョナサン: 「キリング・イヴ」は大好きですし、「キング・オブ・メディア」、「ザ・クラウン」、「バリー」も観ています。あと、イギリスの作品だと「SHERLOCK シャーロック」、イドレス・エルバの「刑事ジョン・ルーサー」なども。面白いドラマが多すぎて時間が足りないですね。

 

 

 

 

最後にファンの皆さんへのメッセージをお願いします。          

「スタートレック」を愛する全ての方へ、

これまで53年間の数々の出会いを祝福し、皆さんに長寿と繁栄がもたらされますように。 Red alert!(非常警報!)

ありがとう。

 

 

 

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